管理栄養士、お野菜レシピ考案家のいまむらゆいです。
突然ですが、しめじを使った家庭での定番料理といえば、何が思い浮かびますか?
味にクセがないので、お味噌汁や炒め物、和え物など幅広い料理に使いやすいのもしめじの魅力の1つです。ヘルシーでありながら、歯応えが特徴のしめじは、料理のボリュームアップにももってこいの食材です。
今回私が注目したのはしめじのうま味成分。「香り松茸味しめじ」と言われるほど味がおいしいしめじは、この成分を生かすことが、より料理を美味しくするポイントです。
今回は他の食材との食べ合わせで、しめじの美味しさがより引き立つオススメの組み合わせやそのレシピをご紹介します。
うま味の相乗効果でおいしさUP!
しめじの主ななうま味成分の1つにグルタミン酸と言うアミノ酸があります。昆布やトマトにも含まれる成分です。
グルタミン酸の他には、グアニル酸やイノシン酸といったうまみ成分があり、これらの違う成分と合わさることでうま味がより強くなることで知られています。これを「うま味の相乗効果」といい、料理を美味しくする大きなポイントです。
オススメ組み合わせ食材
しめじの美味しさをアップさせるには、「うま味の相乗効果」を意識した食材選びが欠かせません。種類の違ううま味成分を持った食材を組み合わせることで、しめじの個性をさらに引き立てることができます。
今回は、筆者オススメの組み合わせ食材を5つご紹介します!
豚肉
イノシン酸を多く含む豚肉。豚肉の炒め物にしめじをプラスすることで、相乗効果によって料理全体のうま味が強くなるのはもちろん、主菜のボリュームアップにもつながります。
鶏肉
鶏肉としめじの料理は煮込み料理がおすすめ。煮出すことで、しめじと鶏肉両方からうま味がだし汁に染み出し、料理全体に優しく味が広がります。
煮干し
しめじのお味噌汁を作るなら、煮干しダシがおすすめです! 煮干しダシの加熱前からしめじを入れて、ゆっくりと煮出すことで、しめじの風味がより出やすくなりますよ。
さんま
さんまのホイル焼きには、しめじをプラス。炊き込みごはんにもオススメの組み合わせです。シンプルな味付けでもしめじの風味で美味しく仕上がります。秋らしい組み合わせで、季節感も楽しめますよ。
のり
うま味成分を豊富に含む海苔は、しめじとの相性が抜群! しめじと海苔の組み合わせは和え物がオススメです。ご家庭で定番のしめじ料理があれば、そこに海苔をプラスするだけでも、手軽においしい一品になりますよ。
おすすめレシピ
今回はさらに、これらの組み合わせ食材を使ったおすすめレシピもご紹介します! うま味があれば、塩気を強くしすぎなくても、満足感のある仕上がりになります。ぜひ作ってみてくださいね。
しめじと鶏肉の生姜うま煮
しめじは大ぶりに手でほぐすと存在感が出て食べ応えもあります。鶏肉はもも肉を使うことで、よりコクのあるうま煮になりますよ。
〈材料〉(2人分)
しめじ…1パック
鶏もも肉…1枚(250g)
しょうが…1かけ
出汁…300ml
酒…大さじ2
しょうゆ…大さじ2
〈作り方〉
①しめじは石突きを落とし、大きめの小房に分ける。鶏肉は一口大に切り、しょうがは千切りにする。
②フライパンに鶏肉を皮面を下にして並べ、中火で焼く。余分な油が出たらキッチンペーパーなどで取り除く。
③鶏肉に焼き色がついたら表裏を返し、しめじ、出汁、酒、しょうゆを加える。沸騰したら、弱火に落としてフタをして5分、フタを開けて5分煮る。
たっぷりしめじと豚肉の塩麹春巻き
主な調味料は塩麹だけ。うま味のおかげで、シンプルなのに深みのある味に仕上がります。
〈材料〉(10本分)
豚こまぎれ肉…200g
しめじ…1パック
春巻きの皮…10枚
塩麹…大さじ1
酒…大さじ1
片栗粉…大さじ1/2
油…適量
〈作り方〉
①豚こまぎれ肉に塩麹を揉み込み10分ほど置いておく。しめじは石突きを落とし、あらみじん切りにする。
②フライパンに①の材料を入れ、酒を加えて豚肉の色が完全に変わるまで中火で炒める。片栗粉を水大さじ1で溶いて回し入れ、とろみがついたら火を止める。
③炒めた具材を10等分にして春巻きの皮で包む。フライパンに少し多めの油を入れ、春巻きを並べ入れる。春巻きが全体的に色づくまで中火で揚げ焼きにする。
酒蒸ししめじの海苔和え
お酒もうま味を加えてくれるピッタリの調味料。酒蒸ししたしめじに加えた、海苔が味のアクセントになります。
〈材料〉(2人分)
しめじ…1パック
海苔…1/2枚
塩…小さじ¼
酒…大さじ1/2
〈作り方〉
①しめじは石づきを落とし小房に分け、耐熱容器に入れる。
②塩と酒を加え、ラップをして600wで3分加熱する。
③海苔を小さめの一口大にちぎって加え、よく和える。
まとめ
しめじの美味しさの秘密は、何と言っても「うま味成分」。そこに「うま味の相乗効果」を活用することで驚くほど奥深い味わいが引き出されます。ぜひこの秋のシーズン、しめじを使って料理を楽しんでみてくださいね。
秋に食べたいきのこ料理に興味があるあなたは、ぜひ舞茸のレシピについての記事もご覧ください。
参考
食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/
山本きのこ園 https://www.yamamoto-kinoko.com/saibai.html
味の素 https://www.ajinomoto.co.jp/foodservice/useful/hansokukeikaku/10.html
管理栄養士、お野菜レシピ考案家。レシピ提供、フードスタイリング、コラム執筆、料理教室など野菜に関する分野を中心に活動。Instagram【 #ぽんレシピ 】で100レシピ以上公開中。