花わさびとは
花わさびとは、わさびの葉や花芽の部分のこと。わさびの花が咲く前のつぼみの状態である若い花茎を収穫したもので、2月〜5月中旬くらいに出回ります。
一般的に寿司や刺身に使われるのは、わさびの根茎部分をすりおろしたもの。花わさびにも、ツーンと鼻に抜けるわさび特有の香りと辛味があります。
そして、苦味とシャキシャキとした歯ごたえが特徴。
花わさびの保存方法
乾燥を防ぐために、湿らせたキッチンペーパーなどで花わさびをくるみます。袋に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。
少ししなびてしまった場合は、冷水にさらすとみずみずしさが戻ります。
花わさびの下ごしらえ方法
わさび特有の香りと辛味を出すには、下ごしらえが肝心です。
① 花わさびを水で洗い、3〜4cmの長さに切る。
② 鍋に湯を沸かし80℃になったら火を止めて、花わさびを入れる。菜箸で混ぜながら10秒ほどさっとゆでて、ざるに上げる。
③ ざる上げした花わさびに塩を加えて、しっかりと手で揉み込む。塩の分量は、花わさび200gに対して塩小さじ4分の1。熱いのでビニール手袋を使うとよいでしょう。
④ 熱いうちに密封できる容器に入れ、蓋をして振る。2〜3時間放置。
下ごしらえのポイントは、湯の温度と、ゆで時間。温度計がある場合は、80℃になるよう測るとよいでしょう。
温度が高すぎたり、長時間ゆでたりすると、花わさびの辛味成分が失われてしまいます。
そして、塩を加えてからしっかりと揉み込み、最後に密閉容器を振ること。花わさびは繊維を壊すことで、辛味成分が引き出されます。
このように花わさびに刺激を与えることを「怒らせる」と言います。
2〜3時間放置したあと、ツーンと鼻に抜ける刺激的な香りを楽しんでみて下さい。
おすすめレシピ3選
花わさびの醤油漬け
白ご飯や豆腐と一緒に食べるのがおすすめです。
〈材料〉2人分
花わさび…100g
A醤油…大さじ2
A酒…大さじ1
Aみりん…大さじ1
A砂糖…小さじ4分の1
〈作り方〉
①花わさびの下ごしらえをして、密封容器に入れて2〜3時間放置しておく。
②Aを鍋に入れてアルコール分を飛ばし、冷ましておく。
③花わさびが入った容器にAの調味料を加えて、箸で軽く混ぜる。冷蔵庫で1日寝かせたら完成。
花わさびの稲荷寿司
酢飯が見えるように盛り付けると、花わさびの緑色が映えます。
〈材料〉2人分
花わさび(下ごしらえ済みのもの)…30g
味付け稲荷揚げ(市販)…8枚
ご飯…270g
A酢…大さじ1
A砂糖…小さじ2
A塩…ひとつまみ
〈作り方〉
①花わさびを細かく刻む。
②温かいご飯にAを入れて混ぜ合わせる。
③ご飯が少し冷めたら、花わさびを加えてまんべんなく混ぜる。
④ご飯を8等分にし、稲荷揚げに詰めたら完成。
花わさびの天ぷら
下ごしらえをしていないため辛味はありませんが、ほどよい苦味がクセになります。少し塩をつけて食べるのもおすすめです。
〈材料〉4人分
花わさび…100g
薄力粉…100g
卵…1個
冷水…150ml
塩…ひとつまみ
〈作り方〉
①花わさびを水で洗う。水気を切ってから半分の長さに切る。
②ボウルに卵を割り入れて混ぜ、冷水と塩を加えてよく混ぜ合わせる。薄力粉を加えて、ダマが残る程度に菜箸でさっくりと混ぜる。
③油を170℃に熱し、花わさびに衣をつけて両面をさっと揚げる。
④揚げ終わったら、油を切って皿に盛り付ける。
まとめ
花わさびは出回る期間が限られている春の食材です。スーパーで見かけたらぜひ購入して、調理してみてください。普段食べるわさびとは一味違う美味しさと歯ごたえを楽しむことができますよ。