管理栄養士・お野菜レシピ考案家のみやかわゆいです。
料理をする機会が多い方ほど、キッチンある調味料の種類が増えているのではないでしょうか。様々な調味料を使いこなしたいけど、気がついたらいつもの味付けパターン…なんてこともありますよね。
野菜を美味しく食べるには、調味料との組み合わせがとても大切なポイントです。今回は、野菜をもっと美味しくシンプルに食べたいという方のために、野菜のうまみを引立てる基本調味料をいくつかご紹介します。
使い方次第で活用方法無限大!《塩》
基本の調味料の塩。味付けとしてだけではなく、他にも多くの役割を担ってくれます。
たとえば、
・炒める時に水気を引き出し火の通りを早める
・塩もみをして食感を変える
・塩漬けにして保存食にする
・仕上げに振りかけて野菜の甘味を引き立てる…など。
今回は仕上げに塩をふって、たまねぎの甘味をより引き立てるレシピをご紹介します。
レシピ:葉玉ねぎのじっくり焼き
■材料■(一皿分)
葉玉ねぎ・・・・・・大1個(150g)
にんにく・・・・・・・・・・1片
油・・・・・・・・・・・大さじ1
塩・・・・・・・・・ひとつまみ〜
■作り方■(調理時間:20分)
①葉玉ねぎは玉ねぎ部分と葉の部分に切りわけ、玉ねぎ部分は縦半分に切る。にんにくは輪切りにする
②フライパンに油を中火で熱し、にんにくと葉玉ねぎを切った断面を下にして入れる。
③ジューっと音がたってきたら、弱火に落としてフタをして10分加熱する。もう片面もさらに5分加熱する
④皿に盛り付け、塩をパラパラと振る
◯ポイント◯
弱火でゆっくり火を通すことで、玉ねぎの旨味が倍増します。仕上げの塩は、少し粒の大きいものだと玉ねぎとの味のメリハリがつきます。新玉ねぎや玉ねぎで作っても美味しいです。
ほのかな甘みが野菜にマッチ。《麹調味料》
最近、話題の麹調味料。塩麹や醤油麹はスーパーでも販売されていることがあります。他にも玉ねぎ麹やトマト麹など野菜を使って発酵させる調味料もあります。
麹調味料の特徴は、程よい麹甘味で塩気がツンと来ないこと。どんな野菜にも馴染みやすいのが大きなメリットです。
今回は塩麹を個性的な野菜に合わせたレシピをご紹介します。
レシピ:ラディッシュとアボカドの塩麹レモンサラダ
■材料■(2人分)
ラディッシュ・・・・・5個(50g)
アボカド・・・・・・・・・1/2個
オリーブオイル・・・・・小さじ1
塩・・・・・・・・・・ひとつまみ
レモン汁・・・・・・・小さじ1/4
塩麹・・・・・・・・・・小さじ1
フェンネル・・・・・・・お好み
■作り方■(調理時間:10分)
①ラディッシュとアボカドを角切りにする。
②ボウルに切ったラディッシュとオリーブオイル、塩を入れて和える。
③アボカド、レモン汁、塩麹を加えてアボカドが崩れないように軽く和える。皿に盛りつけてお好みでフェンネルを添える
◯ポイント◯
ラデッシュの辛味とアボカドのまろやかさがマッチしたレシピです。レモン汁が入ることで、アボカドが時間が経っても変色しにくくなりますよ。塩麹のまろやかな甘みが、野菜によく合い味を引き立てます。
野菜の色を活かすにはこれ!《白だし》
白だしの大きなポイントは、野菜の鮮やかな色を消さないということ。醤油などの色の濃い調味料を多く使うと、料理が全体的に茶色くなってしまいますよね。
また、白だしのだしの旨味と含まれる塩分は、野菜の旨みをぐっと持ち上げてくれます。白だしを使うには、野菜を一晩ほど漬けておくレシピがおすすめです。
レシピ:ミニトマトの白だし漬け
■材料■(2人分)
ミニトマト・・・1〜2pc(15〜30個)
《白だし》
出汁・・・・・・・・1カップ(200ml)
酒・・・・・・・・・・・・・大さじ3
みりん・・・・・・・・・・大さじ1.5
醤油・・・・・・・・・・・小さじ1/2
塩・・・・・・・・・・・・・小さじ1
■作り方■(調理時間:10分)
①ミニトマトはヘタをとり、洗っておく
②小鍋に出汁、酒、みりんを加えて中火にかけ沸騰したら弱火に落として2分加熱する。醤油、塩を加えて一煮立ちさせたら火を止める
③容器にミニトマトと②を入れて、冷蔵庫で冷やす
◯ポイント◯
トマトの旨味は出汁の味と良く合います。白だしの味をしっかりと染み込ませたい場合には、ミニトマトを半分に切って漬けてください。
簡単に作りたい方は、市販の白だしを使用しても美味しいです。漬けてすぐに食べても美味しいですが、冷やしてから食べるとより美味しくなります。おつまみにも最適です。
野菜の味に輪郭とメリハリを。《粗挽き黒胡椒》
粗挽き黒胡椒の役割は、野菜の味に輪郭をつけることです。ピリッとした刺激のある胡椒は、ほくほく系の芋やカボチャ、そして豆類など甘味のある野菜によく合います。
粗挽きというのが重要で、ときどき辛味が鼻を抜ける程度になり、野菜の味を邪魔しすぎることがありません。
今回は、採れたての甘い絹さやと黒胡椒を組み合わせたレシピをご紹介します。
レシピ:絹さやえんどうのツナペッパー和え
■材料■(2人分)調理時間:10分
絹さやえんどう・・・・・・120g
ツナ缶(オイル漬け)・・・・1缶
粗挽き黒胡椒・・・・・・・・適量
塩・・・・・・・・・・ひとつまみ
■作り方■(調理時間:10分)
①絹さやは筋を取り、塩水で1分茹で大きいものは斜め半分に切る
②ボウルに全ての材料を入れてよく和える
◯ポイント◯
このレシピでは、粗挽き黒胡椒をたっぷりと加えることが大きなポイントです。 絹さやの甘みをほどよく引き立て、ピリッとした味があることで、塩をあまり加えなくても味がしっかりと感じられるので減塩にも繋がります。ツナ缶の油はよく切って使ってください。ノンオイルのものでも大丈夫です。
臭み消しだけじゃない万能調味料。《酒》
日本酒やワインなどの酒類は料理の中で、臭み消しとしてだけでなく、旨味をつけたり、食材の旨みを引き出したりする名脇役な調味料です。
料理酒は、食塩が添加されていることが多いため、旨みだけを付けたい場合は、日本酒か料理向けに作られた清酒を使うのがおすすめです。
今回はキャベツを使った酒蒸しをご紹介します。
レシピ:春キャベツとあさりの酒蒸し
■材料■(2人分)調理時間:15分
春キャベツ・・・・・・・・・1/4個
あさり・・・・・・・・・・・180g
ミニトマト・・・・・・・・5〜10個
酒・・・・・・・・・・・・大さじ2
塩・・・・・・・・・・・ひとつまみ
■作り方■(調理時間:15分)
①あさりは塩抜きしておく。春キャベツは3〜4cmのざく切りにする。
②フライパンにキャベツ、あさり、ミニトマト、酒の順に加え、中火にかけてあさりが開くまで加熱する。
③皿に盛り付け、塩を振りかける
◯ポイント◯
食材の旨味が詰まった一品です。加熱した後に少し蒸らすと、キャベツもしっかりと柔らかくなり食べやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?野菜はそのままの味はもちろん、調味料と組み合わせることでその美味しさは何通りにもなります。“味付け“としての調味料ではなく、野菜の旨味を“引き立てる”という役割で使うことが重要です。
野菜の味が調味料の味にすり替わらないように料理をすることで、より野菜の味を楽しむことができますよ。
管理栄養士、お野菜レシピ考案家。レシピ提供、フードスタイリング、コラム執筆、料理教室など野菜に関する分野を中心に活動。Instagram【 #ぽんレシピ 】で100レシピ以上公開中。