有毒成分を含む外皮には注意が必要!
ざくろの果実は、りんごのような丸い形をしています。日本でもちいさな果実をつけた木をときどき見かけることもありますが、スーパーで売られている大きなものはほとんどが海外産。多くはアメリカやイランから輸入されています。
中に入っている真っ赤な粒状の果肉を取り出していただきますが、実はこの残った外皮の部分には有毒成分が含まれています。
食べてしまうと嘔吐やめまいなどを引き起こす危険がありますから、果肉だけを食べるようにしましょう。
ざくろの割り方・赤くてピカピカしたざくろの果肉を取り出す
それでは果肉を取り出していきましょう。まずはお尻の部分を薄くスライスします。ルビー色の果肉が見えたら、果肉を傷つけないよう、白いワタの部分に切れ目を入れましょう。
このように、上から下までしっかり切れ込みを入れて。
その切れ目に沿って手で割ると、中の果肉を取り出しやすくなります。この状態で逆さまに持ち、外皮をそらせながら果肉だけをボウルなどに落としていきます。
取り出した果肉はよく洗い、付着しているワタを取り除きましょう。
このままいただくときは、サラダやヨーグルトに混ぜたりするのと、彩りが鮮やかです。
香りの印象よりも甘すぎず、酸味があるので、カルパッチョにかけたり、塊肉と一緒に煮込んだりしても、カリカリとしたタネの食感を楽しみながらおいしくいただけますよ。
+砂糖でグレナデンシロップ作り
グレナデンシロップの作り方は簡単。取り出した果実と同量程度の砂糖をまぶしたら、消毒した瓶に入れて、水分があがってくるのを待ちます。
ちなみに砂糖の量はお好みで。
砂糖にざくろの色がうつってとってもきれい。砂糖が早く溶けるよう、一日に数回は瓶を逆さにしたり振ったりしてみてください。
これが翌日のようす。すでにしっかり砂糖が溶けてシロップになっています。
一週間くらいから使えるようになりますが、ざくろの香りと味がよく溶け込むよう、一ヶ月くらいは置いておくのがおすすめです。
このままの状態で暖かい場所に置いておくと発酵してしまうので、ときどき蓋を開けてかき混ぜます。
シロップがあるだけで色鮮やかなノンアルカクテルに
グレナデンシロップを使ったカクテルはたくさんありますが、なかでも有名なのがむかし映画のタイトルにもなっていた「テキーラ・サンライズ」。
オレンジジュースとテキーラをステアし、グラスの淵からグレナデンシロップを注ぐと、底に沈んだシロップが太陽のように見えるという、グラデーションが美しいカクテルです。
でもこちらはノンアルコールで。ただオレンジジュースにグレナデンシロップを注いだだけなのですが、うっとり見とれてしまう色合いになりますよ。
グレナデンシロップを炭酸水で割るのもおすすめ。ほかにも、かき氷のシロップとして使ったりゼリーをつくったり、いろいろな使い方ができるので、試してみてくださいね。
食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。