枝豆とは
「枝豆」とは大豆の未成熟豆のことを指します。つまり、枝豆が完熟すると大豆になるということ。
大豆そのものは弥生時代に朝鮮半島を経由して日本に伝えられたとされていますが、枝豆が食べられるようになった時期については明らかになっていません。
しかし、江戸時代中期の文献には枝豆に関する記載があり、その頃には食べられていたと考えられています。
「枝豆」と呼ばれるようになったのは、名前のとおり枝付きの豆をゆでて食べていたためです。
毎年5月頃から出荷が始まり、夏に収穫の最盛期をむかえます。おつまみとして人気が高く一年中需要があるため、最近は冷凍ものも広く流通しています。
枝豆の種類
以前は大豆として収穫する品種を栽培して未成熟の状態の豆を食べることが主流でした。しかし近年は、枝豆専用の品種がつくられており、その数は400種以上にのぼるとされています。
枝豆の種類は「青豆(白毛系)」「茶豆」「黒豆」の3つに分けることができます。
青豆(白毛系)
日本で一般的に流通し、いわゆる「枝豆」として食べられているのがこれ。クセの少ない万人受けする味です。さやは鮮やかな緑色で白色のうぶ毛が生えており、ひとさやに2〜3粒の豆が入っています。
「サッポロミドリ」「錦秋」「おつな姫」「ゆあがり娘」など品種はさまざまあり、関東地方で多く生産されています。
茶豆
さや自体は普通の枝豆と同じように緑色をしていますが、なかの豆は茶色の薄皮で覆われています。ひとさや2粒入りであることが多く、甘みが強いのが特徴です。
主に東北地方で栽培され、収穫時期は少し遅めの8月中旬〜9月中旬。代表的な品種が、山形県鶴岡地方生まれの「だだちゃ豆」です。
黒豆
正月の煮物に使われる黒豆を、さやが若い時期に収穫したもの。豆が黒くなる前に収穫されるため、薄皮がうっすらと黒みを帯びています。豆の粒が大きく、深い甘みとコクのある味が特徴。
丹波の黒豆は広く知られており、主に関西地方で生産されています。9月下旬〜10月中旬に収穫されますが、生産量はあまり多くありません。
基本のゆで方
枝豆をおいしくゆでるには塩の量がポイント。塩もみ用も含めて、ゆでる水の量の4%が目安です。塩もみをすることで塩味が染み込み、うぶ毛も取れて口当たりがよくなります。
〈材料〉
・枝豆…250g
・塩…40g(塩もみ用:20g、塩ゆで用:20g)
・水…1L
〈手順〉
① 枝豆は枝から切り離し、両端3mmをハサミで切り落とす。流水でよく洗い、水気を切る。
② 枝豆をボウルに入れて塩20gをふりかけ、よくもみこむ。塩は洗い流さない。
③ 沸騰したお湯に残りの塩20gを入れて、中火で枝豆を3〜5分ゆでる。1つ食べてみてゆで具合を確認。余熱でやわらかくなるため、少し硬めの仕上がりでもよいでしょう。
④ ゆで上がったら、ザルに上げて冷ます。冷水にさらすと塩味も薄くなり水っぽく仕上がってしまいます。
枝豆を使ったアレンジレシピ3選
枝豆ガーリックオイル炒め
手が止まらないおいしさ。手軽に作れるお酒がすすむおつまみです。
〈材料〉2人分
・枝豆(さや付き)…150g
・にんにく…1片
・鷹の爪…1/2本
・オリーブオイル…大さじ1
・粗挽きブラックペッパー…適量
〈作り方〉
①枝豆は上記のとおり塩ゆでする。にんにくはみじん切りにする。鷹の爪は種を取り除いて輪切りにする。
②フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくと鷹の爪を加えて弱火にかける。香りが立ったら枝豆とブラックペッパーを入れて中火で炒める。味が全体に絡まったら火を止めて器に盛り付ける。
枝豆と塩昆布のポテトサラダ
枝豆を使っていつもとは違うポテトサラダを作ってみませんか。
〈材料〉2人分
・枝豆(さや付き)…80g
・じゃがいも…2個(300g)
・マヨネーズ…大さじ2
・塩昆布…大さじ½
・すりごま…小さじ1
※粒タイプの塩昆布を使用していますが、通常の塩昆布でも同様にお作りいただけます。
〈作り方〉
①枝豆は上記のとおり塩ゆでし、豆をさやから出して薄皮をむく。
② じゃがいもはよく洗い、芽を取る。鍋にじゃがいもがかぶる程度の水を入れ火にかける。沸騰したら皮つきのままじゃがいもを入れ、竹串が通るまで弱火で20分程度加熱する。火から下ろして熱いうちに皮をむき、フォークなどでつぶす。
③鍋にじゃがいも、かぶる程度の水を入れて中火で熱する。沸騰したら竹串を刺してすっと中まで通るまで、弱めの中火で20分加熱する。
④粗熱が取れたら、枝豆、マヨネーズ、塩昆布を加えて混ぜ合わせる。
枝豆とおかかチーズのおにぎり
おかずになるおにぎり。子供にも大人気の一品です!
〈材料〉2個分
・枝豆(さや付き)…60g
・温かい白ご飯…250g
・プロセスチーズ…30g
・かつお節…2g
・醤油…大さじ1/2
〈作り方〉
①枝豆は上記のとおり塩ゆでし、豆をさやから出して薄皮をむく。プロセスチーズは5mm角に切る。
②ボウルにご飯、枝豆、チーズ、かつお節、醤油を入れて混ぜ合わせる。
③ラップに②の半量をのせて三角形に握る。同様にもう1つ作る。
まとめ
枝豆と大豆は見た目がずいぶん異なりますが、実は同じ植物ということに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
枝豆は、塩ゆでして食べるのがおいしいのはもちろんですが、調理方法を変えるとまた別の味わいになりますよ。彩りもよいので料理のアクセントにもなります。ぜひ、さまざまな料理に枝豆を取り入れてみてください。
参考
独立行政法人農畜産業振興機構 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0507_yasai1.html
オリーブオイルをひとまわし https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/12/post-12669.html
アマノフーズ https://amanoshokudo.jp/season/786/