さやいんげん、いんげん豆、さやえんどうの違い
「さやいんげん」は、マメ科インゲンマメ属に分類される植物。いんげん豆がまだ若いうちに収穫して、さやごと食べるのでこのように呼ばれています。
旬は初夏。種まきから収穫までが早いのが特徴です。
1年で3回収穫できるため、関西地方では「三度豆」とも呼ばれます。
千葉県や北海道、福島県、鹿児島県など日本各地で栽培されています。冬場は温暖な沖縄でも栽培されるため、比較的1年中出回っている食材です。
「いんげん豆」は、さやいんげんが成熟した中身の豆のこと。
代表的な品種は、金時豆や大福豆、虎豆、うずら豆、手亡などです。
国内ではほとんどが北海道で生産され、多くが煮物や甘納豆、和菓子のあんとして加工されています。
最後に「さやえんどう」は、マメ科エンドウ属に分類される植物。えんどう豆が若いうちに収穫して、さやごと食べるのでこのように呼ばれます。「絹さや」とも言います。
そして、中の豆が未成熟の状態で収穫したものが「グリーンピース」、完全に熟した状態で収穫したものが「えんどう豆」です。
さやいんげんの選び方・保存方法
さやいんげんは、緑が濃く、みずみずしいものを選びましょう。
先端の細い部分がピンとしているのが鮮度のよい証拠。全体が細く、中の豆が大きくないものを選んでください。
そして、さやいんげんはしなびやすいので、ラップかビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。2〜3日で食べ切るようにしてください。
冷凍庫で保存する場合は、固めに塩茹でして冷凍用保存袋に入れましょう。
さやいんげんの筋のとり方
最近は品種改良が進んで筋がないものも増えています。
しかし、筋ありの場合は、口に残ることがあるため筋を調理前にとるのがおすすめです。
1.さやいんげんのヘタを軽く折る。ヘタを完全に折ってしまうのではなく、側面の筋とつなげるようにすることがポイント。
2.そのまま先端までゆっくりと引っ張り、筋をとる。
3.上下を反対にして、同じように先端を折って筋をとる。
筋がない場合は、さやいんげんのヘタを5mm程度切り落としてから調理に使います。
おすすめレシピ3選
さやいんげんのニース風サラダ
さやいんげんの歯ごたえを生かすには、ゆで時間を短くしましょう。ツナ缶を使って手軽にドレッシングを作ります。
【材料(2人分)】
・いんげん…50g
・じゃがいも…1個
・トマト…1個
・ゆで卵…1個
・黒オリーブ(種なし)…10個
・ツナ…50g
<A>
・すりおろしにんにく…1片分
・オリーブオイル…大さじ2
・酢…大さじ2
・塩、こしょう…少々
【作り方】
1.じゃがいもは皮をむいて芽をとり、1口大に切る。鍋にじゃがいもがつかるくらいの水を入れ中火にかける。柔らかくなるまで約15分ゆで、ざるにあげて湯を切る。
2.いんげんは筋をとる。沸騰したお湯で1〜2分ゆで、冷水に通して色止めをしてから、ざるにあげる。
3.トマトは1口大に切る。ゆで卵はくし切りの6等分に切る。
4.小さめのボウルに、ツナの缶汁を切って入れ、Aをすべて加えてよく混ぜる。
5.器に、いんげん、じゃがいも、トマト、ゆで卵、黒オリーブを盛り、ツナドレッシングをかける。
さやいんげんの混ぜご飯
炒めた具材をご飯に混ぜるだけの簡単レシピです。さやいんげんのシャキシャキとした食感がアクセント。
【材料(2人分)】
・いんげん…50g
・鶏ひき肉(もも)…80g
・ごま油…大さじ1
・炊き立てご飯…1合
<A>
・すりおろし生姜…1片分
・醤油…大さじ1
・みりん…大さじ1
・酒…大さじ1
【作り方】
1.いんげんは筋をとり、1cm幅に切る。
2.フライパンにごま油をひき、いんげんと鶏ひき肉を入れて中火で炒める。
3.ひき肉の色が変わったら、Aを加えて煮汁がなくなるまで炒める。
4.ボウルに温かいご飯を入れ、いんげんと鶏ひき肉を加えて混ぜ合わせる。
さやいんげんのポタージュスープ
さやいんげんをたっぷり使ったスープ。さやいんげんが苦手なお子様にもおすすめです。
【材料(2人分)】
・いんげん…100g
・玉ねぎ…1/4個
・じゃがいも…小1/2個
・バター…10g
・コンソメ…1/2個
・水…100cc
・牛乳…200cc
・塩、こしょう…少々
【作り方】
1.いんげんは筋をとって、2cm幅に切る。
2.じゃがいもは皮をむいて芽をとる。じゃがいもと玉ねぎを薄くスライスする。
3.鍋にバターを入れて、玉ねぎを中火で炒める。玉ねぎがしんなりしたら、いんげんとじゃがいもを加えてバターが全体に回るまで炒める。
4.コンソメと水を加えて、じゃがいもが柔らかくなるまで約15分煮る。
5.火をとめて粗熱をとってから、ミキサーに入れて滑らかになるまで攪拌する。
6.再び鍋に戻し、牛乳を加えて沸騰しない程度に温めて、塩とこしょうで味を整える。
まとめ
さやいんげんは調理のレパートリーが多く、普段の料理やお弁当に使いやすい食材の1つです。
また、緑色がきれいなので料理に彩りも添えてくれます。ご紹介したレシピをぜひ参考にしてみてください。
他にも、旬の豆を楽しみたい方は、そら豆のアレンジレシピをまとめた記事もご覧ください。
参考文献
サカタのタネ https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/vegetable/post_12.html
JAおきなわ https://www.ja-okinawa.or.jp/agriculture/detail.php?id=15
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2102/spe1_01.html
JA会津よつば https://aizuyotuba.jp/products/ingen/
JAグループ https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=32