ケールが祖先! 黒キャベツという呼び名も
カーボロネロは、イタリアのトスカーナが原産の野菜。
日本では“黒キャベツ”という名称で呼ばれることもありますが、キャベツの祖先というべきケールの仲間です。
ビタミンやミネラル、カリウムが豊富で、緑黄色野菜の中でもかなり上位にランクインする栄養価の高い野菜なんですよ。
日本で育てている方はまだまだ少ないのですが、カーボロネロを生産者さんから直接お取り寄せすることもできます。
聞いてみると、植えつけは夏に行い、11月くらいから冬いっぱい収穫できるといいます。大きくなったら、外側の葉から摘み取っていくのだそう。
比較的育てやすいので、家庭菜園にも向いている品種とのこと! キャベツのように一度に収穫せずに済むから、少しずつ食べながら育てられるのはいいですよね。
しっかりした葉は煮込み料理向き
葉を見てみると、縮れていてゴワゴワとした感触をしています。
芯を中心にして内側に巻きつくように生えていて、触るだけで生食が難しいことがわかる容姿。
全体的に硬く、残念ながら芯の部分は煮込んでも柔らかくならないので食べられません。
食べ方は、この裏側の芯から葉だけを取り除き、煮込んだり炒めたりしていただきます。
ケールのように苦味があるのかと思ったら、実はクセがまったくなく、とても食べやすい味。どんな料理にしてもおいしくいただけます。
オススメは、刻んでスープに入れたり、炒めてパスタと和えたり、ほうれん草のようにベーコンやたまごと和えて炒めてもおいしいですよ。
ロールキャベツのようにお肉をくるっと巻いて
我が家にはちょうど大根の葉と挽肉があったので、大根葉を刻んで肉種を作り(餃子の種やハンバーグの種などでも!)、それをカーボロネロで巻いてコンソメスープ仕立てにしてみました。
縦には長いけど幅がないので、ロールキャベツのように全体を巻くのは大変なのですが、葉がしっかりしていて煮崩れしにくいので、海苔巻きのようにくるくるっと巻くだけでも形崩れしません。
ゴワゴワしている葉が柔らかくなるまで時間がかかるのでは……という心配も無用! キャベツと同じ時間であっという間に柔らかくなり、縮れた葉の隙間にスープが入り込んでくれるので、食べたとき、じゅわっとスープが口の中に広がっていきます。
まとめ
食べたことのない食材にチャレンジするのは勇気がいりますが、一度知っておくと、料理のレパートリーも広がり、食卓のマンネリ化も防ぐことができます。
また、スーパーには必ずそれぞれの売り場に仕入れ担当の方がいますから、食べ方を聞いてみるのもオススメです。
話しかけてみると、それをなぜ仕入れたのか、今日のおいしい野菜は何かなど、おもしろい情報を教えてもらえることもありますよ。
対面でのコミュニケーションをとるのが難しいご時世ですが、対話することも大切にしていきたいものですね。
<参考>
・トキタ種苗
http://www.tokitaseed.co.jp/bai.php?varietycode=130041
食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。