こんにちは、保存食料理家/管理栄養士のきくち りつです。皆さん「半夏生(はんげしょう)」はご存じですか?
関西では「半夏生にはたこを食べる」という風習があります。「半夏生」とは夏至から11日目の7月上旬の日のことで、農家にとってはその日までに田植えを終わらせるという大切な節目の日です。
田植えで疲れた身体を栄養豊富なたこで癒し、田植えをした苗や農作物がタコの吸盤のように大地に張りつき、しっかり根付くようにとの願いを込めた行事です。
またタコ漁が盛んな広島県三原市では、タコの足が8本あることにかけて、毎年8月8日を「タコの日」と定めています。
たこの栄養
たこは低脂質、高たんぱく質でビタミン、ミネラルをバランスよく含み、疲労回復にはたらくとされるアミノ酸の一種タウリンを多く含みます。
近年の研究では肝臓の向上作用と筋肉疲労の原因となる老廃物の除去を促進し、ダメージを軽減する効果が確認されています。
また旨味のもとになるアスパラギン酸、グルタミン酸を多く含むので特に関西では人気があり、おでんやたこ飯など一年中食べられます。
たこの産地と種類
たこは大きく分けてマダコ、水ダコ、イイダコの三種類があります。日本に流通しているものの多くはマダコの茹でダコで、近年高価なことから地中海のモーリタニア産のものが多く出回っています。
たこは半夏生に食べる夏のイメージですが、マダコは実は冬にも旬がある食材です。
夏には兵庫県の明石に代表される瀬戸内産のもの、冬は三陸産のものが水揚げされます。
今回はそんなたこを使ってスパイスとハーブを使ったインドのサラダと旨味たっぷりで実山椒の香りが爽やかなたこ飯を作ります。
たことフェンネルのカチュンバ
材料(4人分)
茹でだこ 120g
きゅうり 1本
フェンネル 1/4本
赤玉ねぎ 1/2個
トマト 1個
青唐辛子 1本
レモン 1個
塩 小さじ1/4
コリアンダーパウダー 小さじ1/4
クミンパウダー 小さじ1/4
作り方
1.野菜を切ります。きゅうり、フェンネル、赤玉ねぎ、トマトは1㎝の角切りにし、フェンネル、赤玉ねぎは水にさらします。青唐辛子は種を取り除き小口切りにします。
2.たこは一口大に切る。
3.ボウルに1と2の材料を入れて塩、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、レモンの果汁を入れて混ぜ合わせる。
4.器に盛り付けて上にフェンネルの葉を飾る。
ワンポイントアドバイス
今回はフェンネルを使いましたが、セロリでも美味しく出来上がります。
実山椒のたこ飯
材料(6人分)
お米 3合
茹でだこ 250g
酒 大さじ3と1/2
薄口しょうゆ 大さじ3と1/2
みりん 大さじ1
しょうが 50g
実山椒 大さじ1
水 約650ml
作り方 (調理時間:約1時間)
1.お米を洗って水気を切って30分浸水しておく。
2.たこを1口大にカットし生姜は千切りにし、実山椒は茎を取り除き塩ゆでしておく。
3.小鍋にたこ、しょうが、実山椒、酒、薄口しょうゆ、みりん、分量の中の水100mlを入れてひと煮立ちしたら火を止める。
4.炊飯器にお米を入れ、3を煮汁ごと入れて、残りの水を入れて3合の線に合うように加減しお米を炊く。
5.炊きあがったらしゃもじで混ぜ合わせる。
ワンポイントアドバイス
実山椒はまとめて塩茹でして冷凍してストックしておきましょう。ご飯鍋で炊いても美味しく出来ます。
まとめ
いかがでしたか?たこは煮ても焼いてもおいしい栄養たっぷりの優秀食材。夏バテ防止に、ダイエットに、ぜひご活用下さいね。
また、旬のたこは産直の新鮮なものを楽しみましょう。例えば食べチョクにも漁師さんこだわりのたこが出品されています。そちらもぜひご覧ください。
・横浜丸魚株式会社 https://www.yokohama-maruuo.co.jp/ ・“Painful muscle cramps in liver cirrhosis and effects of oral taurine administration.” Yamamoto S et. al. Nihon Shokakibyo Gakkai Zasshi. 1994;91(7):1205.
管理栄養士 保存食料理家 食育教室 自家製天然酵母パン教室講師病院、保育園、産科クリニック、オーガニックレストラン、有名ブランジェリーでの勤務と食物アレルギー児の子育て経験から、月齢に応じた離乳食作り、子供と一緒に楽しむ食育、食物アレルギー対応、妊産婦食などライフステージ栄養学に根差したレシピが得意。季節の旬の恵みを長く楽しむための発酵食・保存食作りがライフワーク。