管理栄養士、お野菜レシピ考案家のいまむらゆいです。
免疫力を維持しておきたい冬から春にかけての季節。そんな時期に旬を迎えるのが、今回ご紹介する「葉玉ねぎ」です。
葉玉ねぎと聞いて、玉ねぎとの違いがいまいち分からないという場合もあるかと思います。
今回は玉ねぎとは一味違った葉玉ねぎの魅力と、葉玉ねぎをより美味しく味わえるレシピをご紹介します。
葉玉ねぎとは?
葉玉ねぎは、玉ねぎ部分が大きく膨らむ前に葉つきのまま収穫した玉ねぎです。
早採りのため、緑の葉部分まで柔らかく、料理に使えることが魅力です。
普段よく目にする玉ねぎは、緑の葉部分が枯れて、白い玉ねぎ部分に栄養が集まり、大きくなってから収穫時期を迎えます。
葉玉ねぎは、種を蒔いてから収穫までの期間は、玉ねぎの半分程度の期間で、約4ヶ月半ほどで収穫することが可能です。
生産量は千葉県が最も多く、1月から3月にかけてに旬を迎える野菜となっています。
みずみずしさたっぷりの葉玉ねぎは、寒い冬から春を迎える時期の限定された期間にだけ味わうことができます。
旬野菜で食事をより楽しむためにも、この時期には1度は食べたい食材です。
玉ねぎと葉玉ねぎ、味や栄養はどう違う?
葉玉ねぎは玉ねぎよりも水分量が多く、みずみずしさがあるのが特徴です。
緑の葉部分も水分量が多いことから、肉厚で柔らかな食感となっています。
辛味は玉ねぎよりも穏やかで、食べやすいのも特徴の一つです。
栄養面でみると、収穫時期の違いだけで元々同じ品種から育つ玉ねぎと葉玉ねぎでは、白い玉ねぎ部分の栄養価に大きな違いはありません。
ですが葉玉ねぎの色の濃い緑の葉部分には、カルシウム、β-カロテン、ビタミンC、葉酸などが豊富に含まれています。
葉まで食べられる葉玉ねぎは、玉ねぎよりもビタミン、ミネラルを多く含む食材と言えます。
旬を迎える冬から春にかけては、季節の変わり目で体調を崩しやすい季節。そんな季節に栄養豊富な葉玉ねぎを食事に取り入れることで、体を丈夫に保つことが期待できます。
さらに、緑と白のコントラストが美しい葉玉ねぎは、料理に使う際にも優秀な食材です。
料理に緑色が入ることで、見た目も鮮やかになります。そして、肉や魚と合わせても味の絡みが良く、肉や魚の旨みを引き立てつつ、葉玉ねぎの美味しさを味わうことができます。
食感の違う「葉部分」と「玉ねぎ部分」が組み合わさった葉玉ねぎは、料理をワンランクアップさせてくれること間違いなしです。
葉玉ねぎおすすめレシピ
葉玉ねぎの定番料理といえば、酢味噌で和える「ぬた」。葉玉ねぎの甘みと酢味噌の酸味が合わさって、おつまみにも最適な一品です。
しかし今回は、そんな葉玉ねぎをさらに楽しめるように、ぬた以外の料理で葉玉ねぎを美味しく食べられるレシピをご紹介します。
レシピ① 葉玉ねぎのじっくり焼き
葉玉ねぎの甘みと旨みを引き出す調理方法は、「じっくり焼き」。焦がさない程度の火加減で、ゆっくりと火を通すことで、葉玉ねぎが持つ美味しさが最大限に引き出されます。
■材料(一皿分)調理時間:20分
・葉玉ねぎ…大1個(150g)
・にんにく…1かけ
・油…大さじ1
・塩…ひとつまみ〜
■作り方
1.葉玉ねぎは玉ねぎ部分と葉の部分に切りわけ、玉ねぎ部分は縦半分に切る。にんにくは輪切りにする。
2.フライパンに油を中火で熱し、にんにく、葉玉ねぎを切った断面を下にしていれる。その上に葉部分を乗せる。
3.ジューっと音がたってきたら、弱火に落とし、フタをして10分加熱し、もう片面もさらに5分加熱する。
4.皿に盛り付け、塩を振る。
■ポイント
塩の代わりに、お好みのソースをかけてオシャレに盛り付けると、より華やかな一品になりますよ。
レシピ② 葉玉ねぎと鮭の和風パスタ
葉玉ねぎと相性が良いのが意外にもパスタ。玉ねぎよりもパスタとの絡みがよく、葉玉ねぎの緑もよく映えます。
■材料(2人分)調理時間:15分
・葉玉ねぎ…大1個(150g)
・生鮭…2切れ
・パスタ…160g(乾麺)
・にんにく…1かけ
・オリーブオイル…大さじ1
・塩…ひとつまみ
・酒…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1/2
・味噌…大さじ1
■作り方
1.葉玉ねぎは玉ねぎ部分は芯をつけたまま、くし形切りで6等分、葉の部分は斜め輪切りにする。
鮭は1切れ3等分に切る。にんにくは輪切りにする。パスタの茹で湯を準備しておく。
2.フライパンにオリーブ油、にんにく、葉玉ねぎの玉ねぎ部分、鮭を入れ、塩をふり、中火で熱する。
鮭と葉玉ねぎの片面に焼き色が付いたら返し、その上に切った葉部分をのせて、フタをして弱火で3分加熱する。この間にパスタを茹で始める。
3.フタを取り中火にし、酒、醤油、味噌を加えてふつふつとしたら茹でたパスタを加えて具材と絡ませる。
■ポイント
鮭の代わりに、他の魚や豚肉を使うのもおすすめです。
葉玉ねぎが大きければ、切るサイズを調整してみてください。芯を付けたまま切ることで、バラバラにならず食べやすくなり、さらに見た目も良くなります。
まとめ
葉玉ねぎは、栄養豊富な葉部分まで美味しく食べられることがなにより魅力の食材です。
「じっくり焼くだけ」といったシンプルな調理方法で美味しさをより引き出すことができます。
免疫力をつけておきたい冬の時期には、美味しく栄養がとれる葉玉ねぎをぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。
<参考>
・千葉県HP
https://www.pref.chiba.lg.jp/ryuhan/pbmgm/zukan/yasai/hatamanegi.html
・食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=10113
管理栄養士、お野菜レシピ考案家。レシピ提供、フードスタイリング、コラム執筆、料理教室など野菜に関する分野を中心に活動。Instagram【 #ぽんレシピ 】で100レシピ以上公開中。