こんにちは、季節の恵みを味わう保存食料理家・管理栄養士のきくち りつです。このところ食べチョクで何度もリピートして注文しているのが、山口養魚さんの真鯛です。
今まで食べたことがないほどの旨味と鮮度で、知人や親戚に贈り物として送ると、みんなリピートして注文するという逸品です。
このおいしさを最大限に無駄なく味わえる、香ばしい鯛めしの作り方をご紹介します。
おいしさの秘密は「活き締め」「神経ぬき」
魚は死後、時間の経過とともに旨味のもとであるATPが減少していきます。
「活き締め」で魚にストレスをかけずに即死させて血抜きすることで、身に残る血を減らして臭みのない、旨味のもとであるATPを多く残すことができます。
また「神経ぬき」することでATPの減少を遅らせ、魚の死後硬直を遅らせることができます。死後硬直の後、ATPが分解されて旨味成分IMPに変わっていくことを「熟成」といいます。
そうして届くころにはちょうどよく熟成された状態で鯛が届くというわけです。
鯛のあらのさばき方
魚のあらを使った料理は、レストランに勤めていたころよくまかないで作っていました。
入荷した魚をさばいて、あらと野菜の端切れとともに美味しい料理に大変身。カレーに酒蒸し、パスタなど変幻自在です。スタッフみんなで食べる時間は何よりも楽しみでした。
鯛のあらは三枚におろした時に残った頭と骨の部分。顔のところには食べられる身が多いし、目の周りはとても美味しい部分です。では、さっそくさばき方をお伝えします。
1.まずは頭の部分に残っている鱗を丁寧に鱗とりで取り除きます。
2.頭を立てて置き、口を開いて歯の真ん中のところに包丁を入れます。少し力は要りますが、ちゃんと真ん中に入っていればすうっと刃が入るポイントがあります。
半分に割ることで火の通りが良くなります。
3.背骨の白く出っ張っているところが骨の継ぎ目です。その間に刃を入れます。
あとで鍋に入れるために切っておきます。尾は落とします。
鯛めしの作り方
骨付きのあらをつかうと骨からも出汁が出るので旨味たっぷりの鯛めしが出来上がります。骨を取り除く手間はかかりますが、その分格別なおいしさを味わえます。
材料
米 3合
水 650ml
昆布 3㎝
鯛のあら 1尾分
塩 大さじ1
かぼす 適量
三つ葉 適量
白煎りごま 適量
作り方
1.鯛のあらに塩をふり、しばらくおいて水気をキッチンペーパーでふき取り、魚焼きで焼く。軽く焼き色が付くまで焼いたら火を止めます。
2.三合お米を研いで分量の水を入れて昆布と1の焼いた鯛を入れて火にかけます。炊飯器の場合は炊飯のスイッチを押します。
3.炊きあがったら昆布と鯛を取り出し、丁寧に骨を取り除き身をほぐす。
4.ほぐした身をご飯に混ぜ合わせ、器に盛付ける。上に白煎りごま、三つ葉を乗せて、お好みでかぼすをぎゅっと絞ったら出来上がり。
ワンポイントアドバイス
・鯛を焼かずに作る方法もありますが、焼くと香ばしい香りがついて旨味が凝縮されます。
・鯛の骨は固く噛み切れないので、小さい骨も丁寧に取り除きましょう。
新鮮な真鯛のあらで、絶品の鯛めしを楽しむ
鯛のあらはじょうずに調理すれば手ごろな値段で手に入るし、とても美味しい料理ができます。あらのさばき方を覚えておいしい鯛を無駄なくぜひ活用しましょう。
食べチョクでは山口養魚さんの新鮮な真鯛が丸々1頭手に入ります。ぜひお取り寄せして、おうちでさばいて味わってみて下さいね。
・近畿大学農学部水産学科水産利用研究室 http://suisanriyouken.sakura.ne.jp/riyo/howto/sashimi.htm ・日本調理科学会 会報誌 「魚のしめ方がその品質に与える影響について」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/36/2/36_184/_pdf/-char/ja ・横山芳博・ 坂口守彦論文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika1990/15/3/15_3_193/_pdf/-char/ja ・日本養豚学会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/youton/50/1/50_8/_pdf/-char/ja
管理栄養士 保存食料理家 食育教室 自家製天然酵母パン教室講師病院、保育園、産科クリニック、オーガニックレストラン、有名ブランジェリーでの勤務と食物アレルギー児の子育て経験から、月齢に応じた離乳食作り、子供と一緒に楽しむ食育、食物アレルギー対応、妊産婦食などライフステージ栄養学に根差したレシピが得意。季節の旬の恵みを長く楽しむための発酵食・保存食作りがライフワーク。