博多雑煮に欠かせない地野菜「かつお菜」
@lafelice212さんのInstagram
かつお菜は、主に福岡で食べられる葉野菜です。
漢字で「勝男菜」と書くので縁起がよいとされ、博多のお雑煮には欠かせない具材のひとつでもあります。
他県の方は、きっと「かつお菜」という名を知らない方も多いと思います。でも、福岡出身の筆者にとっては、地元で冬になると楽しみに食べていたなつかしい野菜です。
かつお菜は、小松菜のような鮮やかなグリーンで、葉が白菜のように縮まっています。食感は、他の葉野菜に比べるとしっかりしているのが特徴です。
お雑煮の他にも、炒め物、お浸しなど、ほうれん草や小松菜と同じ感覚で、様々な料理に使うことができます。
今回は、福岡で愛される地野菜「かつお菜」の栄養や下ごしらえ、おすすめの食べ方をご紹介します。
【カルシウム豊富で抗酸化作用も】かつお菜の栄養価
かつお菜はアブラナ科で、高菜の近縁種とされています。でも、全く辛みはなく、煮るとほんのり甘味を感じます。
「かつお節がいらないくらいうま味がある」ためにかつお菜と呼ばれるほど、うま味成分が豊富でグルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸を多く含みます。
また、葉野菜の中でもカルシウムをたくさん含み、抗酸化作用があるのも特徴です。
かつお菜の下ごしらえ
お雑煮に添えたりお浸しにする時、かつお菜は茹でて下ごしらえをします。ここでは、福岡で筆者の祖母がしていた下茹での方法をご紹介します。
下茹でのポイントは、少量の塩を入れること。茹で色が鮮やかになり、アク抜きの効果もあります。
かつお菜の下茹での方法
1.かつお菜根元の部分をカットし洗う
2.鍋にたっぷりのお湯を沸かし、大さじ2/3位の塩を入れる
3.固い茎から火を通す。茎の部分をお湯につけ、葉の部分をもって3分茎だけ茹でる
4.3分経ったら、葉全体をお湯につけ1分程茹でる
5.冷水に取り、軽くしぼる
今回は、しっかり目に茎を茹でたので3.で3分茹でました。
もし、シャキッとした食感が残る方がよければ、1分位まで短縮も可能です。お好みでご調整ください。
また、茎の部分を持っているのが面倒な方は、真ん中辺りでカットし、茎が多い部分と葉部分に分けてしまってもOKです。
おすすめの調理法3選は、味噌汁、煮浸し、豚肉炒め
@cheshirecatmiruさんのInstagram
使ったことのない野菜の調理は、不安が伴うものです。そこで、はじめてかつお菜を調理する方に向け、筆者おすすめの調理法を3つご紹介します。
ほっこりあたたまる味噌汁
まずご紹介したいのが、味噌汁です。
かつお菜をざくざくとと一口大にカットし、沸騰しただし汁に投入します。他の葉野菜を味噌汁にする時と、調理手順は全く同じです。
相性がよい具材は、わかめ、油揚げ、豆腐など。かつお菜のうま味がぎゅっと詰まり、懐かしい味のお味噌汁が完成します。
お雑煮に使うときは、ご紹介したように下茹でをしますが、普段は下ごしらえなく使ってもおいしくいただけます。
厚揚げや油揚げで煮浸し
油揚げや厚揚げと一緒に煮浸しにすると、うま味の相乗効果でついたくさん食べてしまう、大好きなメニューの完成です。
福岡の実家では、お出汁に加え、砂糖と醤油で少し甘めの味付けの煮浸しが定番でした。
煮浸しのお出汁をたっぷり含んだ、葉が分厚いかつお菜はジューシーで食べ応えもあるので、ぜひお試しください。
シンプルな味付けでOK、炒め物
ツナ、豚肉、ベーコンなどうま味の強い具材と合わせ、ニンニク、塩こしょうで炒めると、シンプルな味付けでも十分においしく仕上がります。
食べ応えがあってごはんがすすむので、父も大好きなおかずのひとつでした。また、和風の味付けで、白出しやめんつゆで味付けしてもおいしいですよ。
おわりに
東京に住んでいる筆者ですが、お雑煮といえば博多風雑煮です。毎年、お正月には、あごだしにブリを添えたお雑煮を作るのですが、東京ではどうしてもかつお菜が手に入りません。
お取り寄せしようかな…と思っていたら、駅前のスーパーでかつお菜を発見。福岡で買うよりはお高めでしたが、久々にかつお菜のおいしさを噛み締めながらお正月を迎えました。
かつお菜は、独特のうま味があり食感がジューシーな葉野菜 です。興味がある方は、ぜひ一度食べる機会を作ってみてください。
<参考>
・JAグループ福岡
http://www.ja-gp-fukuoka.jp/eat/sommelier/sommelier1612_02.php
元化粧品会社のブランドディレクターで美容好き。「おいしく食べてきれいになる」を日々追求しています。短大の食物栄養学科卒/野菜ソムリエ/日本化粧品検定1級