さやごと食べられる豆……何が違う?!
さやごと食べられる代表的な豆は、絹さやとスナップエンドウですよね。どちらも甘みがあって香りのいい野菜ですが、違う種類の豆です。
「グリーンピース」と呼ばれるものはさやが硬く、豆だけをいただくものですが、これは実は絹さやと同じもの。収穫段階が違うことで呼び名が変わり、いただき方も変わるのです。
上の方にある絹さやはよく見かける形ですよね。中央にあるのは少しさやが硬くなってきているのが見えますか? そしてその下にある大きなものは、グリーンピースになっているものです。
余談ですが、絹さやってこんなふうにかわいいお花が咲くんですよ。蔓で伸びていく、比較的家庭菜園でも育てやすいお野菜です。
下処理の仕方
絹さやの下処理はそう難しくありませんが、ひとつひとつしなくてはならないのがちょっと手間。でもがんばって!
まず、さやの上にあるヘタを折り、筋を取ります。このとき、曲線になっている方の筋は柔らかいので、無理して取らなくても構いません。直線の方が硬いのでこちらをしっかり取りましょう。
筋がついたままだと食べたときに口に残るので、面倒ですがきちんとすることでおいしくなりますよ!
こんなふうに全てのヘタと筋を取ったら、お湯を沸かします。
ちなみにこの尻尾のようにピョコンとついているものはヒゲや芽と呼ばれています。これが白くてしっかりしているものは鮮度がよくておいしいので、取らずに調理しましょう。
お湯が沸いたら、塩を少し入れて30秒ほど湯がきましょう。
炒め物などに使うときは下茹でしなくて構いませんが直接料理に入れて加熱してしまうと、火が入りすぎてしまうことがあります。できたら下茹でをしたものを最後に和えるだけにする方が、絹さやのシャキシャキとした歯応えと緑の香りがおいしくいただけます。
茹であがったらすぐに水に取り、水がぬるくなったら取り替えて、冷たい水に浸けておきましょう。こうすることで歯応えや香りはもちろん、色鮮やかな緑色がくすまず、きれいな色で使うことができます。
レシピ 絹さやのお浸し
それでは絹さやを使って、お浸しを作っていきましょう。筋を取るのと千切りにするのが大変なのですが、丁寧に作ると本当においしくて歯応えが楽しくたくさん食べたくなる一品です。作り置きもできるので、緑が足りないときのおかずにぜひ作ってみてください。
材料
・絹さや……1袋
・だし……大さじ4
・みりん(煮切ったもの)……大さじ1
・酒(煮切ったもの)……大さじ1/2
・うすくちしょう油……大さじ1と1/2
つくりかた
1.下処理(筋を取り、湯がいておく)をする。
2.縦に千切りにする。
千切りは細ければ細いほどおいしいので、がんばってください! 豆が出てきてしまいますが、気にせずどんどん切りましょう。
切ったものは水に漬けておき、調味料の準備ができたらざるにあげて水気を切りましょう。
3.だしを沸かして調味料を入れ、手で触れるくらいまで冷めたら絹さやを10分以上浸す。
絹さやを入れるのは調味料がある程度まで冷めてからにしましょう。熱々のところに入れてしまうと、絹さやに熱が入ってしまい、煮たようにくたくたになってしまいます。
まとめ
いつもいつもは丁寧にできないけれど、ちょっと時間があるときにはひとつの野菜に向き合い、丁寧に切って、その野菜の味を楽しむというのも、じゅうぶん贅沢なご馳走になります。あまり意識してこなかった絹さやのおいしさを、ぜひ味わってみてくださいね。
食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。