ちぢみほうれんそうとの出会い
ご紹介しますという立場ではありますが、私もちぢみほうれんそうの存在を知ったのは今年に入ってからのことです。農家のお手伝いをしている友人に「これ驚くほど甘いから食べてみて」と勧められて食べたのがちぢみほうれんそうとの出会いになります。食べたときの衝撃と言ったら…! 「甘いと言っても野菜は野菜でしょ」という予想をはるかに上回る甘さでした。
そして今回、この野菜をさらにおいしく食べるにはどう調理すればいいのかを模索した結果を記事にしたいと思います。
含まれる栄養素とうれしい効能
ちぢみほうれんそうと普通のほうれんそうを比べてみると、①葉が横に広がっている。②葉が寒さで縮んで肉厚。③甘くてアクがない。の3点が広く知られた相違点だと思います。
特に③の甘くなる理由は、生育中に低温にさらされることで、葉自身が凍るのを防ぐために体内養分を濃縮して縮み、それに伴ってでんぷんなどの糖質化がすすむから。この寒さによる濃縮によって、栄養もギュッと濃縮されるといわれています。
もともとほうれんそうには貧血を改善する鉄分、がん予防に効果的なβカロチン、動脈硬化予防に効果的なビタミンC、Eが豊富に含まれています。それに加えて、ちぢみほうれんそうの体内では寒さに対するストレスによって酸化現象が起こるため、より多くのビタミンCやE、カロチンが生成されます。
JA筑前あさくら(http://www.asakura-fk-ja.or.jp/product/vegetable/horenso/post_8.php)
キューピー(https://www.kewpie.co.jp/yasai/spinach/index.html)
レシピをご紹介!
▼基本の「き」 ちぢみほうれんそうの下茹で方法
【材料】
・ちぢみほうれんそう
・水
①全体を流水で洗い流し、その間に鍋にお湯を沸かします。
注)ちぢみほうれんそうは他のほうれんそうに比べて、土に近いところで育っているので、念入りに洗い流しましょう。
②ボウルに水を張り、そこに好みのサイズにカットしたちぢみほうれんそうを入れる。
③軽く押し気味に混ぜて、そのまま5分間浸す。
④掴める分ごとに流水に潜らせザルに移動させたのちもう一度綺麗な水を張り、ほうれんそうを入れ軽く押し全体を浸す。
⑤④と同じようにほうれん草をザルに移動し、沸騰した湯に入れる。
⑥菜箸で軽く混ぜながら、20数えたらザルにあげ流水にさらす。
注)茹ですぎると栄養が逃げ出してしまったり、食感が損なわれたりするので気を付けましょう!
⑦ほうれん草が冷めたあと、ギュッと絞ったら完成。
▼ちぢみほうれんそうのポパイサラダ
【材料】
・ちぢみほうれんそう 120g
・キャベツ 大きめの葉1枚
・ニンジン 小さめ2分の1
・プロセスチーズ 32g
・醤油 小さじ3分の1
・マヨネーズ 大さじ2と2分の1
・白いりごま 小さじ1
①ほうれん草は5cmの長さ、キャベツは短冊、人参は千切りにして下茹でする。
②チーズを3~5mm角に切る。
③水気をしぼって、チーズと各種調味料を入れしっかり合える。
④最後にゴマをあえて完成。
作り方がシンプルな分、素材のおいしさがよくわかる一品です。材料のニンジンとちぢみほうれんそうは有機栽培のものを使ったので、とてもおいしいサラダになりました。また白いりごまとチーズが程よいアクセントとなっていて、たくさんあってもぺろりと平らげてしまいそうです。
▼ちぢみほうれん草としめじのバター醤油炒め
【材料】
・ちぢみほうれんそう 5束
・しめじ 200g
・醤油 大さじ1
・バター 大さじ1
・サラダ油 少々
①フライパンにサラダ油をしいたあと、しめじを炒める。
②ほうれんそうにも軽く火を通した後、バターと醤油をよく絡ませたら完成。
注)ちぢみほうれんそうは味がしっかりしているので、調味料を入れすぎない方がおすすめ
です。
しめじとちぢみほうれんそう、それぞれの食感の違いが楽しめる一品となっています。薄味に仕上げた分、よりちぢみほうれんそうの甘味が際立って、そのあまじょっぱさがやみつきになります!
参照元:https://cookpad.com/recipe/4900793
▼ちぢみほうれん草のオープンオムレツ
【材料(2人分)】
・ちぢみほうれんそう 150g
・タマネギ 4分の1個
・シイタケ 1個
・ミニトマト 4~6個
・サラダ油 小さじ1
・バター 10g
・ケチャップ、マヨネーズ、粉チーズ 適量
・塩、コショウ 少々
・卵 2個
・牛乳 大さじ1
①たまねぎは繊維に沿って薄切り、しいたけは石づきを落として薄切り、ミニトマトは半分にカットし、ちぢみほうれんそうは前述のように下茹でする。
②卵、牛乳、塩、コショウを混ぜ合わせて、ちぢみほうれんそうを加えてあえておく。
③フライパンにサラダ油をしいて、中火でタマネギとシイタケを炒める。塩とコショウを加えてしんなりしたら取り出す。
④フライパンにバターを中火で溶かし、ちぢみほうれん草を加えた卵液を一気に流し入れる。ざっと混ぜて、弱火にする。
⑤炒めたたまねぎとしいたけ、ミニトマトをのせる。粉チーズを振りかけて蓋をする。
⑥半熟状に火を通してフライパンからずらすようにして皿に盛る。ケチャップとマヨネーズをかける。
まとめ
今回ご紹介したちぢみほうれんそうはまさに冬の味覚で、流通量もほうれんそうに比べると圧倒的に少ないので、お早めに探しに行った方がいいでしょう。
甘くて栄養が豊富なうえに、調理も簡単となれば、食べない理由が見つかりませんよね。また「ほうれん草が苦手」という方も中にはいらっしゃるとは思いますが、ちぢみほうれんそうはほうれんそうをはるかに超えるおいしさなので、一度は試しに食べてみることをお勧めします!
食べることが大好きな大学二年生。料理、農業、フードロス、地方グルメ旅、子ども食堂、海外への炊き出し…「食」に関することなら何でも知りたくなって飛び込んでしまいます。ライターは初挑戦ですが、これを機にもっと食について勉強できればと思います。