リーフチコリーとは?
「チコリーとリーフチコリーって別物なの? どう違うの?」と感じる方もいらっしゃると思います。
チコリーとリーフチコリーは、キク科キクニガ属の同属野菜です。
これら2つの違いは、栽培方法と見た目、食べ方にあります。
葉を食べるのがリーフチコリー、栽培の過程で軟白された新芽を食べるのがチコリーと呼ばれます。またチコリーは、「軟白チコリー」と呼ばれることも。
軟白チコリーは10cm程度の砲弾型で、小さな白菜のような形をしています。
似ているけれど別物の野菜
エンダイブ
見た目がそっくりで間違えやすいのが「エンダイブ」。混同されることがありますが、エンダイブとリーフチコリーは別物です。
紫キャベツ
(向かって右側が紫キャベツ、左側がリーフチコリー)
色味が似ていて一見すると間違えやすいのが「紫キャベツ」。ですが、実際はまったくの別物です。
紫キャベツはリーフチコリーに比べて芯が大きく、葉が固いのが特徴です。また、リーフチコリーのような苦味がなく食べやすいという点も挙げられます。
チコリーは家庭栽培できる?
軟白チコリーは栽培方法が特殊で難しいため、上級者向けの栽培野菜です。
リーフチコリーは比較的育てやすいので、チャレンジするならこちらがおすすめでしょう。
チコリーはギリシャ時代の書物に記載されている歴史ある野菜で、一説によると古代エジプトで栽培され、1820年にはヨーロッパで珈琲豆の代用として使われていたとか。
日本に導入されたのは1980年代と、比較的新しい野菜の部類に入ります。
軟白チコリーの栽培は、19世紀にベルギーのブリュッセルで開発されました。
なお、イギリスでは「チコリ」、フランスでは「アンディーブ」と呼ばれています。
リーフチコリーの種類と特徴
軟白しない葉を食べるリーフチコリーは相当数の種類があります。
結球する(レタスやハクサイ、キャベツのように球になる)タイプのリーフチコリー、結球しないリーフチコリー、赤、紫、緑、班入りなど、とにかく種類が豊富です。
(画像はトレビス。「赤チコリー」とも呼ばれる。)
薄い黄緑色の葉に赤い斑入りで結球する「ルシア」。
同じく赤い斑入りで、外側の葉が大きく育つ、結球しないタイプの「カステルフランコ」。
結球するタイプで、紫キャベツによく似た「ニューファインハート」。
砲弾型に結球する、細長いタイプの赤チコリー「トレビーゾ・ビビアン」。
赤紫の葉に白い葉脈の結球タイプはまとめて「トレビス」と呼ばれることが多いです。
さらに細かく分類すれば、「ヴェネチア」、「キオッジャ」、面長タイプの「ベローナ」、「プレコーチェ」、不結球で葉が細い「タルディーボ」などと分けることができます。
その他にも、ラディッキオ、チコン、ベルギーチコリ、ヴィットルーフ、シュガーローフチコリ、パラロッサ・パゴダ、イタリコ、カタローニャ、アンディーブ、トレビーゾ・プレコーチェ、トレビーゾ・タルディーボ、トレビーゾ・キオッジャ、トレビーズ、レッドチコリ、赤芽チコリなどの呼び名も。
日本市場では、これらのリーフチコリーをまとめて「トレビス」「赤チコリー」と呼ぶことが多いようです。
リーフチコリーの食べ方とレシピ
ほろ苦い味わいで知られるリーフチコリーは、熱を加えることで苦味が増します。
歯ごたえと鮮やかな色合いを活かすために、生で食べられることが多いため、「サラダチコリー」と呼ばれることも。
葉の食感、歯ごたえはキャベツとレタスの中間くらいで、海外では肉や魚のつけ合わせ、スープやグラタンに使われることも多くあります。
今回は、リーフチコリー「トレビス」の食べ方を紹介します。
苦味と合う食材からレシピをつくる
リーフチコリーは苦味があるため、好みが分かれる野菜ですが、マスカルポーネなどのクリームチーズやアボカドなどと合わせると少し苦味がやわらぎます。
また、ハム系の塩味ともよく合います。生ハムの代わりにハム、スモークサーモンを乗せても美味しいです。
リーフチコリーのマスカルポーネ&生ハムのせ
【材料】
・リーフチコリーの葉:数枚
・マスカルポーネなどのクリームチーズ:適量
・生ハム(ハム、スモークサーモン):数枚
・アボカド(スライス、ダイス、ペースト):お好みで
さらに、ブロッコリースプラウトやミニトマトで彩りを加えてもOK!
それぞれの食材をリーフチコリーに乗せるだけです。
リーフチコリー、スモークサーモン、マスカルポーネ、アボカド入りの全粒粉バゲット
リーフチコリー、生ハム、マスカルポーネ、アボカド入りの全粒粉バゲット
【材料】(一人前)
・全粒粉バケット(フランスパンなどでもOK):半分程度
・リーフチコリーの葉:1~2枚
・マスカルポーネなどのクリームチーズ:大さじ1~2杯程度
・生ハム(ハム、スモークサーモン):1~2枚程度
・アボカド(スライス、ダイス、ペースト):お好みで
お好みで味付けをしてみてください。
シーザードレッシング、マヨネーズソース、バジルソースなどもよく合います。
まとめ
リーフチコリーは品種と呼び名が多いため、混乱するかもしれません。
基本的には、軟白した新芽(砲弾型/小さな白菜のようなかたち)はチコリー、それ以外はリーフチコリーと呼ばれることだけでも憶えておくと便利です。
見た目も色鮮やかで、華やかなリーフチコリーのほろ苦い大人の味わいを楽しんでください。
・からだにやさしい旬の食材 野菜の本(講談社)
・ボタニカルイラストで見る野菜の歴史百科 (原書房)
家庭菜園士・ベランダ菜園士。
家庭菜園系のコラム連載、花と植物のスマホアプリ『GreenSnap』の一部菜園記事の監
修なども行う。野草・薬草・野菜の栄養・土・肥料などについても探求中。農業をリスペクトし
ています。