バターチキンカレー。グリーンカレー。スープカレー…。
「カレー」と一言で言い表しても、その具材・ベースによって種類は多種様々。
そんなカレーの面白さに気づき、滋賀から大阪に来てからは、毎週のようにカレー屋さん巡りを楽しんでいたのが、この筆者・麻友美です。
「本格的なカレーを家でも作ってみたい」カレー好きの方は一度は夢見ることではないですか?
スパイス=難易度が高い…と思われるかもしれませんが、スパイスを入れるタイミングさえ覚えてしまえば簡単!是非そのきっかけにしてみてください。
スパイスやハーブってどんなもの?
そもそもスパイスやハーブは、「香り・辛味・色」を料理に付け加える働きをする食材のこと。
植物の種や果実、葉や蕾など様々な部位が活用されます。その使用方法は大きく2つあり、手を加えずそのまま生(フレッシュ)で使用する場合と、乾燥(ドライ)させて使用するものがります。
フレッシュタイプは、バジルやパクチーなど新鮮な香りや色合いを活かし、料理の彩りとしても活用されます。
ドライタイプのものは長期保存が可能であり、用途により原型、もしくは細かくして使用されています。
【ドライタイプのスパイス】
・ホールスパイス 果実や蕾、葉の形をそのままの状態で乾燥させたもの。粒が大きい為、香りが飛びにくい特性があります。その特性を活かし、炒め油に香りを移すことや、食材と共に煮込むなど調理の初めや途中で使用されることが多いスパイスです。
・パウダースパイス ホールスパイスを細かく粉砕したもの。粒が細かく香りが飛びやすい特性があります。下準備の段階で、素材にしっかりとまぶして色味付けや臭み取りに使用する時や、調理の最後の香りを整える時に使用されるスパイスです。
また、複数のスパイスやハーブが混ぜられた、ミックススパイスも存在します。予めミックスされていることで、味に深みや厚みが生まれ、丸みのあるふくよかな香りとなります。
代表的なものでは、カレー粉やガラムマサラ、チリパウダーなどがあります。1つ常備しておくと、簡単に味を調えることができる、万能スパイスです。
実際に作ってみよう!~帆立とブロッコリーのココナッツカレー~
代表的なカレー粉+基本的なスパイス3種類を用い、本格的なスパイスカレーを作ってみましょう。
この記事での主役は、ずばりココナッツミルク。甘く濃厚な香りは、南国を連想させますね。
ココナッツミルクを用いると、甘く濃厚な香りがスパイスの辛味と合わさり、コクのあるカレーに早変わり。煮込み時間も比較的短く、辛さが苦手なお子様でも楽しめます。
使用するスパイス
▲左から順に、カレー粉・コリアンダー・カルダモン(ホール)・クミン(ホール)
・カレー粉…カレー色の黄色を引き出すターメリックをはじめ、様々なスパイスが混ざったもの。炒め物や煮込み料理など、普段の料理でも手軽に使うことができる万能ミックススパイス。
・コリアンダー…香葉(パクチー)の種を乾燥させたもの。甘く爽やかでありながら、ほのかにスパイシーな香りが特徴的であり、全体の香りをまとめる役割を持つ。
・カルダモン…「香りの王様」とも呼ばれ、カレー作りに欠かせないスパイス。爽やかな香りとほのかな柑橘系の香りが特徴的。
・クミン…香ばしい風味でカレーらしい味わいを出してくれるスパイス。一気にエスニックな風味に早変わりします。
材料(2~3人分)
○クミンシード 小さじ1/2
○カルダモンホール 4粒
●カレーパウダー 大さじ1~1.5
●コリアンダーパウダー 小さじ2
・玉ねぎ 1/2個
・ブロッコリー 1/4株
・ボイル帆立 300g
・コンソメ 小さじ1
・塩 少々
・水 100ml
・ココナッツミルク 300ml
作り方
①玉ねぎはみじん切り、ブロッコリーは食べやすい大きさに房を切り分けておく。ボイル帆立はペーパーなどで軽く水気をふき取っておく。
②熱したフライパンに油を入れ、〇のスパイスを入れる。
▲ホールスパイスを炒める前
カルダモンがぷっくり膨らみ、クミンがきつね色になるまで炒めたらOKです。スパイシーな香りがしてきます。
▲ホールスパイスを炒めた後
③みじん切りした玉ねぎを入れ、中火でしんなり透き通るまで炒める(食べる際にホールスパイスが気になる場合は、このタイミングでカルダモンを取り出しておいてください)。
④ブロッコリー・ホタテも加えて炒めたら、●のスパイスを入れて全体になじませる。
⑤水・ココナッツミルク・コンソメを加え、アクを取り除きながら5分程度煮込む。
⑥全体にとろみがついたら、塩で味を調えて完成。
▲ココナッツの濃厚なコクが引き立つカレーの完成!
今回は帆立を使用しましたが、鶏肉やエビなどの具材でも美味しく作ることができます。お好みに合わせてアレンジしてみてください。
余ったココナッツミルクは、ベトナムの名物デザート「チェー」に!
ココナッツミルク缶は、1度開封すると日持ちしません。
保管に向かないため、余ったココナッツミルクは3日以内に使い切るようにしてください。また、こちらで紹介するチェーをカレーと合わせて作ることもおすすめです。
チェーとは、寒天や果物・白玉などの具材にココナッツミルクをかけて食べる、ベトナムのローカルスイーツです。
作り方は、具材にココナッツミルクベースをかけるだけ!お好みでクラッシュアイスを加え、かき氷のようにして食べるのも◎。夏のひんやりデザートにぴったりです。
材料(2人分)
・ココナッツミルク 100ml
・牛乳 100ml
・フルーツ缶(果実) お好みの量
・フルーツ缶(シロップ) 小さじ2~
・その他具材(タピオカ・白玉・小豆・寒天など) お好みの量
作り方
①グラスを2つ用意し、各グラスにフルーツ・お好みの具材を入れる。今回は、パイン・黄桃・タピオカで作りました。
②ココナッツミルク・牛乳・フルーツ缶のシロップを混ぜ、2等分して各グラスに注ぎ、完成。
まとめ
いかがだったでしょうか。
スパイスは香りや辛味等を出してくれるだけでなく、食欲増進効果や胃・腸を整えるなどの一面も。まずは、スパイスを炒め、その香りを嗅いでみてください。本格的な風味にわくわくしてきますよ。
慣れてきたら何種類かカレーを作り、是非あいがけで味・香りの違いを楽しんでみてくださいね。
滋賀県出身。管理栄養士・フードコーディネーター。「頑張る人たちを食で支えたい。毎日の小さな幸せを届けたい。」の思いを形にするべく、働きながらレシピ作成やライターとしても活動中。食と旅行が大好きな人。