タイ料理・シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
タイのスイーツには、かぼちゃの種とワタを取り出して中にプリン液を注いで蒸し上げる「丸ごとかぼちゃプリン」があります。
ハロウィンが近くなると、このかぼちゃの中身のくりぬき方についての問い合わせ等を多く頂きます。
という事で、今回は「蓋を閉じれば原状復帰」のかぼちゃの中身のくりぬき方をご紹介します。
かぼちゃの中身をくりぬく為の材料
今回は、手のひらに乗るサイズの坊ちゃんかぼちゃで解説させて頂きますが、コンテストに出品するような超特大サイズでなければ、大きさを問わず同じ道具を使ってくりぬく事が出来ます。
1. 刃の固いペティナイフ
刃がしなる種類のナイフは、間違いなく折れます。かつて私は、横着して刃の薄いカービングナイフでくり抜こうとして、刃を折った事があります。
2. 一片10㎝角以下の正方形の紙
最終的には捨てますので、読み終わった学校のプリントなどで十分です。厚みのある紙や、光沢のある紙を使った広告の紙は不向きです。
3. スプーン
中身を掻きだす為のスプーンです。開けたい穴の大きさに合わせたサイズのものをご準備下さい。
生のかぼちゃに穴を開けて、中身を掻きだす方法
生のカボチャは普通に切るだけでも固くて大変なので、カボチャをカップにしてグラタンなどを詰めるレシピでは「先にレンジで加熱して柔らかくしてから、横にスパっと切るべし」と説明されているものが多いです。
しかし今回は、ランタン作りにも役立てて頂きたく、生のかぼちゃで中身をくり抜く方法をご紹介します。
気を抜くとナイフで怪我をする可能性もあるので、集中してトライして下さい。
下準備
まず、穴を開ける「型」を作ります。
正方形の紙を三角に折り、さらに3つに折り合わせます。レトロな喫茶店の紙ナプキンの畳み方と言えば分かりやすいでしょうか?
さらに、この「喫茶店折り」の中心を谷折りにします。(折り紙の折り方に出てきますよね、山折りと谷折り)
紙飛行機でも出来そうな形になってきましたが、ここで折る作業はおしまいです。
まず、先端の部分はかぼちゃのヘタの半径分を切り落とし、太い方は穴を開けたい直径をイメージして切って下さい。
大き過ぎたら後で修正も可能ですが、切り落とす方向は間違えないようにしましょう。
切り終わったら紙を広げて、洗って濡らしたカボチャに張り付けます。
うまく貼りつかない場合は、紙ごと軽く濡らして下さい。
今回は、ヘタを蓋にしたいのでヘタ側をくり抜きますが、ジャック・オ・ランタンなど「まるでかぼちゃそのまんま」のビジュアルを求める場合は、お尻側にこの紙を貼りつけて下さい。
また、お尻の方が果肉が薄くて作業は楽でもあります。
ここまでは、下準備です。
いよいよ、くり抜き開始です。
穴を開ける方法
若干猟奇的な画像で恐縮ですが、型に沿ってほぼ直角にナイフをぶすりと差し込みます。
底まで貫通しなければ、深めに刺してしまっても大丈夫です。
これを型に沿って1周、ゆっくり深く刺していきます。
1周切り込みが入ったら型を外し、2周目からは1刺しずつ深くナイフを入れつつ、てこの原理で蓋を外すようにナイフでヘタを押し上げるようにします。
メリっとか、ブチっとか、不穏な音が聞こえるかもしれませんが、それは中のワタが切れて蓋が外れる過程の音なので、ナイフが折れない限りは気にしないで粛々と刺しては持ち上げてみてください。
何周目かに、蓋が外れます。
あとは、中の種とワタをスプーンで掻きだします。
ランタンを作る場合は、種とワタだけでなく実の方もなるべく多く掻き出して顔を作りやすいようにしてください。
この後調理をする場合は、実を掻き出し過ぎると加熱の過程で皮が割れるので、ご注意下さい。
お料理で使う場合、ヘタを蓋にして「何が入っているかお楽しみ」な見せ方も楽しいですよ。
丸ごとかぼちゃをスパっと切り分けてお出しすると、パーティで盛り上がる事間違いなしです。
まとめ
いかがでしょう?出来そうな気はしてきましたか?
生のカボチャをくり抜くのは多少の勇気と力は必要なものの、コツを覚えれば迷いなく出来るようになります。
今年のパーティは、本物のカボチャランタンと「丸ごとかぼちゃ料理」で盛り上がってみてください。
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。