里芋ってどんな野菜?
里芋はサトイモ科サトイモ属の植物です。
その起源や日本への伝来には諸説ありますが、原産地はインドからマレー半島にかけての東南アジアという説が有力。原始マレー民族の移動に伴って、アジア、ミクロネシア等に伝播したといわれています。
日本では、米が主食となる前の縄文時代から食べられていたそうです。
和名の「里芋」は、山地に自生していた山芋に対して里で栽培されることから名づけられたのだとか。
主な里芋の種類
サトイモは植え付けた親芋の上に子芋、孫芋ができます。親芋と子芋の成長の度合いによって、大きく3種類に分かれます。
親芋があまり大きくならず、子芋がたくさんできるのが子芋専用種。親芋が大きくなり、子芋が大きくならない親芋専用種は、親芋のみを食べます。
親芋も大きくなり、子芋専用種に比べると少なくはありますが、子芋もたくさんできる品種は親子兼用種と呼ばれます。
里芋の品種は国内だけでも約200種類以上。その中から今回は、主に流通している5種類の品種をご紹介します。
土垂(どだれ)
主に関東地方で栽培されている、子芋専用種。貯蔵性が高いので、1年を通じて市場に出回ります。
きめが細かく、粘りがあって煮崩れしにくいのが特徴です。
石川早生(いしかわわせ)
芋の形は小ぶりの丸型の、小芋専用種。皮が剥きやすく、粘りが強く柔らかで、味はやや淡泊です。
タケノコ芋
大きいものは全長50㎝にもなる親芋専用種で、タケノコのように芋が地上に出てくることからこの名がつきました。
きめ細かくしっとりした肉質で、煮ても煮崩れしにくいのが特徴です。
八つ頭
親子兼用種ですが、八ツ頭は子芋がほとんど分球せず、親芋と子芋が一体化した塊で収穫されます。
1つの芋から八方に子芋が広がってつく事から、「末広がりの八」と掛け、縁起物としておせち料理に使われます
肉質はしっかりしていて、まろやかな甘みとホクホクした食感で、ぬめりが少な目なのが特徴です。
セレベス
インドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)発祥と言われていて、芽の部分が赤いことから「赤目芋」とも呼ぶ親子兼用種。
ぬめりが少なくやや粉質のしっかりした肉質で、ほくほくした味わいが特徴です。
里芋の保存法
里芋を保存する時は、土の中にいる時と同じような環境に置くとよいです。
袋入りの里芋を買ったら、袋から出して土をつけたまま、新聞紙で包むか紙袋に入れて風通しの良い冷暗所に置いて下さい。
また、里芋は冷凍保存もできます。
洗って泥を落としてから水気をよく切り、ラップで包んでからチャック付き保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
解凍する時は、子芋種1個につき500ワットの電子レンジで1分半程、ラップで包んだ状態のまま加熱します。冷めないうちに皮を剥くと、ツルっと皮を剥くことができますよ。
生の里芋も、きれいに洗って水気を切って、ラップで包んで500ワットの電子レンジで1分程度加熱すると、同じように皮を剥くことができます。
まとめ
里芋というと煮物というイメージが強いですが、炊き込みご飯になど、他のイモ類と同じように楽しむと、また違った美味しさを感じられます。
種類が多いだけあり、旬は8月下旬から1月位までと、秋から冬の長い間、様々な種類が出回ります。ぜひ、お気に入りの里芋の品種を探してみて下さいね。
▼里芋の炊き込みご飯の記事はこちら
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/kids/crops/taro/column01.html
愛媛県 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.pref.ehime.jp/h35118/1707/siteas/11_chishiki/documents/11_satoimo1_298_1.pdf
静岡県立大学 https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/guide/outline/oike02/december/
みんなの趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-483/target_tab-3
カゴメ株式会社 https://www.kagome.co.jp/vegeday/store/202202/11995/
タキイネット https://shop.takii.co.jp/s/selection/taro1302.html
花の大和 https://www.hanano-yamato.co.jp/customer/howto/satoimo
株式会社ニチレイフーズ https://www.nichireifoods.co.jp/media/10364/
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。