管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
カロリーは低いのに“甘み”を感じる商品が多数存在していますよね。
一体何から“甘み”を出しているのか疑問に思われたことがあるのではないでしょうか。
また原材料表示を見ても知らない言葉だとわかりづらいことも多いですよね。糖類だけでなく糖質と記載のあるものもあります。
今日は食品に表示されている“甘み”についてお話したいと思います。
微糖、低糖、無糖のコーヒー。微、低、無の違いっていったい何??
「微糖、低糖は砂糖が少なめなのかな?」「無糖は砂糖がまったく含まれていないということ?」と思いがちですが、実はそうではありません。
「無糖」とは糖類(砂糖)0.5g未満のことです。
ですから商品によっては全く入っていないというわけではありません。
では、微糖や低糖はというと100ml中に糖類2.5g未満のものをいいます。
200mlの缶コーヒーであれば糖類が5g未満であれば良いのです。
糖類5gを砂糖で比べると3gのスティックシュガーがおよそ1.7本分です。砂糖入りの飲料を好まない方には、ちょっと多いと感じるかもしれません。
糖類ゼロはどういう意味??
コーヒーやビールなどに「糖類ゼロ」と表示があるものがありますよね。
もう一つ、「糖質」と呼ぶものもあります。
「糖質」と「糖類」って一体何が違うんでしょう。
「糖質」とは多糖類(お米に含まれるデンプンなど)や糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)、人工甘味料、二糖類(砂糖など)、単糖類(ブドウ糖、果糖など)です。
一方、「糖類」とは、砂糖やブドウ糖、果糖などである二糖類と単糖類を指します。
つまり、「糖質」の中に「糖類」が含まれます。
「糖類ゼロ」と書かれた甘味を感じる商品には、二糖類と単糖類は入っていないけど多糖類、糖アルコール、人工甘味料が使われているということです。砂糖を取りたくない人にはお勧めです。
人工甘味料が体に悪いわけではないけれど・・
最近では人工甘味料が飲料水に含まれることが多くなりました。
私は人工甘味料の味があまり得意ではないので、たまにジュースが飲みたくなった時に人工甘味料の入っていない飲み物を探すのですが、それがなかなか見つからないことが多々あります。
人工甘味料とはその名の通り人工的に作られた甘味のある物質で、合成甘味料と糖アルコールに分けられます。
合成甘味料は化学合成された甘味のある甘味料で、砂糖よりも低カロリー、低価格という特徴があります。
アスパルテームやスクラロース、アセルスファムカリウムなどは砂糖の200倍~600倍の甘味を持つため、少量で砂糖と同じくらいの甘味がさせるという、コスト的にもカロリー的にも抑えられます。
糖アルコールは何かというとキシリトールやソルビトール、エリスリトールなどがその部類になります。
糖類に水素を添加して作られ、消化管で吸収されにくく、低カロリーなのが特徴です。
りんごなどの食材に含まれ、天然に存在しているものもあります。キシリトールは虫歯の予防などにも使われていますよね。
日本では人工甘味料は安全性と有効性が確認された厚生労働大臣が指定したもののみが流通しています。
だだし甘い飲料水を毎日飲み続けたり、必要以上取っている方は健康を考えると少々心配に思います。甘い飲料水を飲みたくなる時は体が糖を欲しているときです。
もしかしたら食事がきちんととれていないとか、ごはんやパン、麺などの炭水化物が不足している可能性があります。体は必要なものを欲しますから、甘い飲料水で補うのではなく食事で補うことが体にとって良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。ぜひ原材料表示を確認して何から感じる甘味なのかを確認してみると、自分が欲している甘味の種類がわかるかもしれませんよ。
<参考文献>
・一般社団法人全国清涼飲料連合会
http://www.j-sda.or.jp/sp/qa_view.php?id=55&cat=1
・独立行政法人農畜産業振興機構
人工甘味料について
砂糖
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000878.html
・食べ物と健康Ⅰ 食品学総論(中山書店)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。