食べチョクの生産者を取材し、紹介する記事第一弾!
今回の取材班は、筑波大学生物資源学類に所属する、つくばファームクラブ。
今回は取材とともに、「ベジLIFE‼︎」さんが掲げる「農業を子どものなりたい職業ランキングトップ10にするために」について、取材班も考えてみました!
香取さんのこだわりを聞いてみた
ベジLIFE!! 紹介
香取 岳彦(かとり たけひこ)
1982年8月19日生まれ
<経歴>
2001筑波大学 情報学類
2008貿易商社
2015農業研修
2016農業独立&主夫
2022食品加工/飲食 予定
2029海外進出 予定
こだわり
「有機農法、無農薬だから自信をもってやっています。例えば、かぶの葉は小松菜同様の扱いができるんですよ。
肥料も馬糞、もみ殻、米ぬか、EM菌を含んだものを使用しているので微生物が少なくなりがちなハウスでもしっかり育ちます。
しかしやはり一番は農業を子供のなりたい職業トップ10に入れることなので食育の場を設けることも大事にしていますね。」
私たちが実際に香取さんの畑に出向き、一緒に作業した際にも、それが垣間見えました。
例えば、小さな苗の段階では科ごとに並べて、顔が似ていることを教えてくれたり、近隣の保育園の子たちに農業体験の機会を作るなどをされていました。
他にも、畑で野菜ソムリエの方を呼んでパスタづくりの食品ロスをテーマとした料理教室を開催したり、援農ボランティアを募集して野菜づくりの楽しさや厳しさを子供だけでなく大人にも教えたりしています。
ベッドタウンだからこその困難
しかしその中には、近隣の方とのトラブルや困難も発生しているようでした。
「僕は消費者に近いからこそ農業をより身近に感じてもらえて為になるかと思ってたけど実際はそんなに簡単じゃなかったね。
傾斜の雑草にクレームが入ったから何とかしようと思って防草シートを設置したのに風で飛ばされたり、ゴールデンウィークに農業体験を開催した時も参加者が多すぎて収集つかなくなったりもした。
僕の場合は、大面積で大量生産をする農業に比べて住宅地の兼ね合いを考えると都市部の耕作放棄地を使うのはおすすめしない。畑の土が近所迷惑にもなるからね。」
住宅地で農業をやる以上、近隣に迷惑はかけられません。
このような困難のある我孫子という都市部で農業を営むのは簡単なことではありません。
そこで香取さんがどんな農業を目指しているのか聞いてみました。
香取さんが目指す農業とは?
「僕は次世代に農業の実態を伝える事を優先しています。また、野菜を買ってください!とお願いはせず、畑に来てくれたお客様を大事にしています。そうじゃないと続いていかないと思うからね。サステナビリティを大事にしたいね。」
香取さんの野菜は都内のフレンチなどの飲食店、食べチョクで野菜セットとして卸されています。
それだけではなく、自分の手で売りたいとマルシェにも参加しています。
ここまで食育を大切にしている香取さんですが、残念ながら農業体験の問い合わせがあったものの受け入れてあげられなかったことがあるといいます。それは都内の幼稚園からの依頼でした。
なぜ近隣の保育施設などとの交流ができているのに受け入れ不可能だったのでしょう。
それは施設の不備にありました。「仮設トイレと手洗い場が必要だ」と言われたのです。
たくさんの園児が農家さんの家にお邪魔してそれらを使用するのは幼稚園側が避けたかったのでしょう。
香取さんはせっかく都内の子供が農業に触れる良い機会であったのに実現できなかったことを悔やんでいました。
そういったことを踏まえ、現在はクラウドファンディングなどを利用して必要な施設を設置するという案を考えていました。
また同じように子供の経験機会を逃さないために。
そして、もっと多くの子供が来てくれるように。
農業を子供のなりたい職業にするには小さいころから身近に感じて、面白いとプラスのイメージを持ってもらうことは必須であるに違いないでしょう。
※ちなみに仮設トイレですが、2019年11月に無事クラウドファウンディングを達成し、設置できたそうです!(写真はその時の様子)
農業を子どものなりたい職業ランキングトップ10にするためには?
取材後、筑波大学生物資源学類である自分たちでDiscussionしてみました!
このような学部にいるということもあり、私たちのなりたい職業における農家、そして農業関連の仕事の位置はおそらく一般的にみてとても高かったです。
そこで、世間的に偏ってしまった自分たちなりに、どうすれば農業人気が上がるのか考えました。
思った以上に白熱してしまい、一時間をゆうに超えた議論をまとめてみたいと思います!
まずそもそもなりたい職業として自分の中では何位??
3位、1位、5位、2位、3位。
とても高いがこれはこのような学部に入っていることに加え、大学に入って様々な農家さんに触れていることも原因としてあるのだろう。
なぜ農業が自分の中で高い順位に?
全くの偶然で本を読み、農業の印象がガラッと変わった、自然が好きでその中で仕事ができるということが幸せだと感じた、大学に入って農家さんを見てかっこいいと思った、など理由は様々。
でもどの人も農業または農家さんの持つ魅力にひかれてだ。
なんで農業が魅力的?
思い通りにならない自然とやっていくところ。気候、土壌、植物、肥料、物理性、化学性などなど多くのことを複合して考えていく頭の良さ。泥臭さがむしろ!
これを見ると農家ってかっこいいなあとしみじみ…。これを伝えるのがまた簡単なことではないんですよね。
なぜ子供に人気がない??
3K(汚い、きつい、危険)に代表されるようにかっこいいイメージがない。
そもそも農家という職業に触れることが少なく、農家というものが未知であること。
「農家」という仕事ではなく、「作物を育てる」という行為にスポットライトが当たりがち。
周りがそもそも選択肢として与えない。などなど農家にプラスのイメージを持っている私たちでさえ、数えきれないほどの問題点が…。
では、どうしたら人気が出るのか?
触れる機会のあまりない農家というものを知るために一度で様々な工程ができる農業体験を!
子供の人数の多い都会(東京)に近い位置での農業体験。かっこいい、特別だと感じる資格などの評価基準を。
レストランなど様々なところで生産者のこだわりの伝わる工夫。習い事のようにすれば子供も触れやすく、習慣的にできる??
あげ始めるときりがありませんが、習い事にするの…いい案だと思いませんか??
人が来る農場、見せる農業、魅せる農家へ
農業を「なりたい職業TOP10」にするには一体なにが必要なのでしょうか?
なぜ農業に魅力を感じない? なにが障壁となっている?
香取さんの中では祖父から言われた「農業だけはやめておけ。」この言葉にショックを受けているそうです。
自分の人生をかけてやってきたことをそんなに簡単に否定していいのか?
これでは次世代に繋いでいく農業はできないだろう。これでは日本の農業はいけない。
その思いから「なりたい職業TOP10」を目指す農家になりました。
大人たちからの農業の否定。 作り上げられたネガティブなイメージ。 このような偏ったイメージがこの日本にあるのではないでしょうか?
一方で、農業にはスローライフなイメージもあり、そこに魅力を感じることもあります。
都市生活からの回避としての農業の憧れというのも浮かび上がってきました。
このような話し合いの中で浮かび上がってきた、”見えない農業”。
農業体験はしたことがあるが、結局、農家さんが普段から何をしているのかわからない。農家さんの生活が見えてこない。
その結果、農業がどうしてもイメージの中だけになってしまっていませんか?
結局、体験したものは農業ではなく、収穫とか植え付けの作業だけなのでしょう。
農業体験は基本的に植え付けや収穫だけではないでしょうか?
でも、農業はそれだけではないですよね。除草、芽かき、誘引、片付け。いっぱい仕事はあります。
その一部だけ体験したのでは、全部は見えてきませんよね。
農家さんの格好いいところは、多くの場面に散りばめられていると思います。
農業がもっと身近なものに、その多くの場面が見られるようになれば、
農業のイメージも大きく変わっていくのではないでしょうか。
「農業体験をきっかけとして魅力ある農家の姿を見せること」
このことが私たちの答えの一つです。
ベジLIFE!!は千葉県我孫子市の農場でしかできない新しい農業を生み出していました。
人が来る農場で、ありのままの農家の姿を見せていく。それが香取さんの農業でした。
人が来る農場、見せる農業、魅せる農家へ。
香取さんという一人の農家を通して、新しい農業の波が生まれていました。
<今回の取材班>
つくばファームクラブ
筑波大学 生物資源 所属の7名。
茨城県つくばから農業に関心のあるメンバーで参戦しました!
今回取材させていただいた「ベジLIFE‼︎」さんの商品はこちら!
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