タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
タイ料理はパクチーやガパオなど、様々なハーブを使うので、セリ科の野菜は大好きです。
しかし、同じセリ科でも「アシタバ」は今まで時々近所の農家さんの無人販売所で見かけるだけで、使った事がありませんでした。
今回、ご縁があり、アシタバをたくさん送って頂いたので、感じるままに色々調理をしてご紹介します。
アシタバ料理のレパートリーが増えるきっかけになれば幸いです。
アシタバがスーパーフードたる所以
まず、アシタバと対峙するにあたって、アシタバの事について調べてみました。
アシタバは、セリ科シシウド属の野菜で、主に大島、八丈島で特産野菜として栽培されています。若芽を摘んで食用とし、「今日摘んでも、明日になれば新芽が生えてくる」といわれる程、生命力が強いのがその名の由来です。
日本が原産とされていて、古くは江戸時代に貝原益軒による「大和本草」にも、八丈島で栽培されている滋養強壮によい薬草として紹介されています。
そのアシタバの何がスーパーかというと、「カルコン」類というポリフェノール系の成分が含まれている事です。
このカルコン類は、アシタバの茎や葉を切った時に出てくる黄色い液体で、アシタバ以外の植物にはほとんど含まれていません。
カルコン類は、抗菌、抗潰瘍、抗アレルギー作用があるといわれているだけでなく、血栓ができるのを抑えるなどの作用があるとも考えられているそうです。
アシタバを食べやすく調理してみた
今回使ったのは、神戸晴行さんのアシタバ。
まず、生でむしゃむしゃ食べてみました。同じセリ科のパクチーや三つ葉は生食出来るためです。
人生初の、アシタバのお味は。
1.葉っぱは、強い日差しに負けじと強く育った三つ葉みたいな味。
2.茎に特に苦味とえぐみがあって、生食には向かない。
生食がきつい事は、まず、分かりました。
次に、生食で感じた味から得たインスピレーションをもとに、茹でてからツナと合わせてみました。
アシタバをざく切りにして塩ゆでした後、お湯を切って絞り、ツナ缶のツナをオイルごと和えて、アクセントに胡椒を振りました。
結果。まだエグみが感じられました。茹でたては「固すぎる三つ葉の香り」がしたのですが、冷めるとクセが強くなるようです。
そこで、今度はしっかり油でコーティングしようと、フライパンでオイル漬けツナをオイルごとと、生のざく切りアシタバを炒め合わせました。
試食の結果、茹でてから和えるよりも、最初から一緒に炒めた方が食べやすかったです。
アシタバをタイ料理研究家がアレンジ調理してみた
アシタバは、茹でるよりも、油で炒めた方が食べやすいという結論に達したら、今度は香りに負けない味付けの調理法を探したくなりました。
そうして作ってみたのが、アシタバのオイスターソース炒めです。
みじん切りニンニクを香りが立つまで炒めてから、ざく切りの明日葉を加え、お醤油:オイスターソース:日本酒=だいたい1:1:1で炒めました。
試食の結果は。
私はそれなりに、三つ葉のような味がオイスターソースに負けず、ある程度は納得できました。
次には、油には馴染むからというのと、産地では天ぷらにするというのを聞いていたので、天ぷらにしてみました。
茎の部分が少ないのと、衣と油の香りで食べやすさは増した気はしますが。タイ料理からのインスピレーションをもとにもう一工夫。
アシタバの天ぷらの上に、茹でエビとピーナッツ、紫小たまねぎのスライスを散らし、ナンプラー、レモン汁、黒糖を3:3:2程度で合わせたドレッシングをかけました。
こちらは、ナンプラーや黒糖の強さとともに、アシタバの香りもしっかり堪能できました。
更に思いついたのは、「他の香りの強いハーブと合わせて、クセの強いアシタバをone of themにする事」でした。
そして出来たのが、グリーンカレー。
私個人的には、これが一番お勧めです。グリーンカレーに入れるべき、タイ・スイートバジルの代用にアシタバを加える食べ方です。
アシタバの香りが他のハーブと丸くまとまり、かつ、独特の粘りが程よいトロミとしてカレーに絡んでくれます。
今回は、市販のグリーンカレーペーストをベースにしていますが、研究家としては、アシタバはカレーペーストの材料にも使ってみたい食材と感じました。
アシタバで21品の料理を作った達人のお勧め調理法は?
アシタバをより美味しく食べたいと料理していくうちに、だんだん専門の料理に偏ってしまったので、次はもっと気軽に楽しめるお料理をご紹介します。
アシタバを使ったお料理を21種類考案してコンテストでも入賞し、SNSでも公開していた、なおみっちさん(namphrik.2516)に、「何のアシタバ料理が一番好き?」と聞いてみました。
すると即答で、「天ぷらにタイのサラダドレッシング!」とのことでした。
彼女も、しっかりした味付けの方がアシタバの香りが引き立つとの見解でした。
また、「三つ葉や芹の代用のイメージで親子丼、卵とじも気に入りました。」とも教えてくれました。
これらなら、タイ料理が苦手な方でも取り入れやすいですね。
まとめ
日本産で、昔から健康食材として食べられてきたアシタバは、実はエスニックや、色々なお料理に活用できる可能性があります。
アシタバの旬は2月から5月頃です。
美味しく頂ける時期に様々な国の料理法で試してみて、世界旅行をしている気分と、美味しく健康食材を食べられるというお楽しみを満喫してみて下さいね。
今回使用したアシタバはこちら!
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マイナビ農業 アシタバ
https://agri.mynavi.jp/2018_01_24_16759/#toc-7
JA東京
https://www.tokyo-ja.or.jp/farm/edo/20.php#:~:text=%E4%BC%8A%E8%B1%86%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E7%B3%BB%E3%81%A8%E5%85%AB%E4%B8%88%E5%B3%B6,%E3%82%92%E9%A3%9F%E7%94%A8%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
東京都島しょ農林水産総合センター
https://www.ifarc.metro.tokyo.lg.jp/archive/27,3115,63,302.html
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。