ばんぺいゆって、どんな柑橘?
ばんぺいゆは、漢字では「晩白柚」と書きます。
晩生の、果肉が白い柚(柑橘)という事でつけられたと言われる、ミカン科の果樹。マレー半島原産の、世界最大級の柑橘類です。
1920年に熊本県出身の植物学者、島田弥市さんがベトナムから持ち帰って栽培を試みたのが、日本でのばんぺいゆ栽培の始まりでした。
熊本県八代市の風土がばんぺいゆの生育に適しており、また、改良を重ねたおかげで、現在は八代市の特産品となっています。
普通サイズでも直径20㎝、重さも2㎏のサイズのばんぺいゆ。2014年12月に収穫したものが「世界で最も重いザボン類」としてギネス世界記録に認定されました。
その大きさは直径約29センチメートル、重量4,859.7グラム。ちなみに、このギネス記録のばんぺいゆを栽培したのは、農業高校の生徒さん達だそうです。
そんな、巨大なかんきつであるばんぺいゆ。味の方はというと、おだやかな酸味とさわやかで控えめな甘み、程よい水分量で、飽きずにぱくぱくと食べられます。
ばんぺいゆの皮の剥き方
丁度、近所のスーパーでばんぺいゆが販売されていたので購入しました。
中学生のこどもの顔が隠れる位の大きさです。皮は普通のみかんのように手では剝けないため、包丁を使って剥きます。剥き方は、以下の通りです。
1.ばんぺいゆの上部1/4辺りの所を切り取ります。
2.縦に8等分くらいに皮に切れ込みを入れていきます。
3.果実と皮の間に指を差し込み、エイヤっと、皮を剥がしていきます。
皮から実が外れた時は、ばんぺいゆの香りに包まれて、清々しい達成感を味わえるでしょう。
多少皮と一緒に果肉も切ってしまった方が、じょうのう(可食部である、さのうを包んでいる皮)を剥きやすいですよ。
ばんぺいゆの食べ方
こうして取り出したばんぺいゆの果肉は、ご覧の通り食べ応えのありそうな大きさです。
そのまま食べるのも良いのですが、少し飽きてきたら、「ソムオー」というタイの大型の柑橘を食べるための方法に挑戦してみてはいかがでしょうか?
小皿にグラニュー糖と少しの塩、粉唐辛子を混ぜたものを準備して、ばんぺいゆの房に少しずつ付けて食べます。
ばんぺいゆの上品な味が、パンチの効いた味わいに変わります。
ベトナムでは、ばんぺいゆに似た大型柑橘の果肉に塩と粉唐辛子を混ぜたものをつけて食べるそうです。
その他、果肉はジャムにしても美味しいですし、皮は白い部分を何度か煮こぼした後、砂糖漬けにすることができます。
ばんぺいゆのアレンジレシピ
そのまま食べてもスイーツにしても美味しいばんぺいゆですが、サラダに入れても美味しく食べられます。
タイやベトナムでも、ポメロが主役のサラダがありますが、今回は、日本のスーパーで手に入る食材を使って簡単に出来るサラダをご紹介します。
ばんぺいゆとシラスのミントサラダ
1.ばんぺいゆの果肉を、小さくほぐします。
2.釜揚げシラスと和えます。
3.器に盛りつけ、スペアミントを散らしたら、オリーブオイルを回しかけ、黒胡椒を挽きます。
ばんぺいゆの程良い酸味と控えめな甘み、何よりも「さじょう(柑橘類の薄皮の中にあるつぶつぶの果肉)」のほぐれ加減が、サラダに最適です。ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
ばんぺいゆは保存性が高く、常温の室温でも1か月以上持ちます。
そして、皮の香りも素晴らしいので、買ってきてからしばらくは、皮を剥かずにそのまま飾ってもOK!
見て楽しみ、香りで癒され、食べて美味しく、皮まで使えるばんぺいゆ。プレゼントで親しい方に送るのも良いですし、ご自宅で楽しむのもおすすめです。
・一般社団法人 九州観光推進機構 https://www.welcomekyushu.jp/oishii-island-kyushu/evolution/635/ ・農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/gwr.html ・JAやつしろ吉野果実選果常パンフレット
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。