葉ごぼうとは

葉ごぼうは、一般的に多く出回る根だけを食べるごぼうとは異なり、根・茎(軸)・根すべてを食すことができます。

 

収穫時期は、ハウス栽培のものが1月下旬頃から始まり、続いて露地栽培のものが3~4月頃。全国的な知名度はそれほど高くありませんが、栽培が盛んな地域では「春を告げる野菜」として親しまれています。

 

 

代表的な産地は、香川県の高松市やさぬき市、福井県の坂井市、大阪府の八尾市。特に大阪府八尾市では、特産野菜として平成25年に「八尾若ごぼう」という地域団体商標を取得しています。

 

また、束ねた形が矢に似ていることから、地元では「やーごんぼ」とも呼ばれています。

 

短い根と長く伸びた茎が特徴で、同じキク科のふきと似ていますが、ふきほどアクはありません

 

 

「葉ごぼう」の選び方と保存方法

全体的に色鮮やかなものを選びましょう。根があまり太くなく、長い茎がしゃきっとしているものが良いです。葉が黄色くなっているものは鮮度が落ちている可能性があります。

 

保存の際は、部位ごとに切り離し、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙などで包んで、野菜室へ入れます。

 

ただし、あまり日持ちはよくないので、できるだけ早く使い切るようにしてください。下ごしらえまで終わらせて、すぐ使える状態にしておくと便利です。

 

茎の部分は、冷凍することもできますが、香りや風味が落ちてしまうので、あまりおすすめできません。

 

部位別下ごしらえ

葉ごぼうは部位ごとに下ごしらえ方法が異なるので、まずは根・茎・葉に切り離すことから始めましょう。

 

 

根だけを食べるごぼうと違って短いですが、基本的な使い方は同じです。

 

 

タワシや丸めたアルミホイルなどを使って、表面の泥とひげ根を落としてきれいに洗います。

 

皮はむかなくても問題ありません。むしろ、皮のままつかうことで香りも楽しむことができ、定番のきんぴらもワンランクアップします。

 

 

茎(軸)

豊かな香りがあり、独特の歯ざわりが特徴の茎。植物学的には「葉柄」といい、「葉ごぼう」のメインの部分といっても過言ではありません。

 

 

表面に綿毛のような繊維質があるので、たわしなどで洗い落とします。根に近い部分は少しかたいので、気になる場合は切り落としましょう。

 

新鮮なものであればあく抜きは不要ですが、気になる場合は10分程度水にさらすと食べやすくなります。あまり長くさらすとうまみや水溶性の栄養分が流れ出てしまうので短時間にとどめましょう。

 

茎だけを使ったシンプルな煮物は、シャキシャキした食感と香りを楽しめます。

 

 

あくや苦みが強く、1番扱いにくい部位でもあります。

 

 

たっぷりの熱湯で数分茹でて冷水に取り、30分程度さらすことであくが抜けます。

 

佃煮やナムルなど、濃いめの味付けでいただくと、苦味も気になりません。

 

 

葉ごぼうのおすすめレシピ

 

葉ごぼうとしらすの炊き込みご飯

 

【材料(2人分)】

米 1合(赤米大さじ1+白米)

・葉ごぼう茎(下ごしらえ済のもの) 80g

・しらす 30g

・酒 大さじ1/2

・醤油 大さじ1/2

 

【作り方】

1.白米を洗ってザルにあげる。

 

2.葉ごぼう茎は1センチくらいの長さに切り、熱湯で1分ほど茹でる。冷水にとり、水を切る。

 

3.炊飯器に白米と赤米を入れ、酒と醤油を加えて1合の目盛りまで水を入れ、炊飯する。

 

4.炊きあがったら2としらすを加え、5分蒸らしたらフタを開け、さっくり混ぜる。

 

葉ごぼうの茎は最初から炊きこまずに後から加えることで、色がくすまず、鮮やかに仕上がります。また加熱時間も短いため、シャキシャキした食感がしっかり残ります。

 

赤米を加えてほんのりピンクに染まるようにしましたが、ない場合は白米だけでも良いでしょう。

 

葉ごぼうと牛肉のレモン味噌炒め

 

【材料(2人分)】

・牛肉(小間切れや切り落とし) 100g

・葉ごぼう根(下ごしらえ済のもの) 50g

・葉ごぼう茎(下ごしらえ済のもの) 100g

・葉ごぼう葉(下ごしらえ済のもの) 50g

・ゆでたけのこ 80g

・にんにく 1片

・サラダ油 大さじ1

・塩 少々

・胡椒 少々

 

○合わせ調味料

・レモン汁 大さじ2

・みそ 大さじ1

・みりん 大さじ1

・砂糖 小さじ2

 

【作り方】

1.葉ごぼうの根は斜め薄切りにし、茎と葉は3センチくらいの長さに切る。たけのこはくし切りにし、にんにくはみじん切りにする。

 

2.フライパンにサラダ油とにんにくを入れて火をつけ、香りが立ったらたけのこと葉ごぼうの根を入れて炒め、油がなじんだら牛肉を加えて塩胡椒をし、色が変わるまで炒める。

 

3.葉ごぼうの茎・葉と合わせ調味料を入れて炒め合わせ、塩で味を調える。

 

葉ごぼうを丸ごと全部使った炒め物で、これから旬を迎えるたけのこと合わせました。

 

レモン汁を加えることでさわやかな味噌炒めに仕上がります。

 

酸味が苦手な場合は、レモン汁の量を減らすと食べやすくなります。

 

葉ごぼうのグリーンシチュー

 

【材料(4人分)】

冷凍シーフードミックス 200g

・葉ごぼう根(下ごしらえ済のもの) 50g

・葉ごぼう茎(下ごしらえ済のもの) 100g

・人参 50g

・長ネギ 50g

・水 300ml

・白ワイン 大さじ1

・固形コンソメ 1個

・塩 適量

・胡椒 適量

・サラダ油 大さじ1

 

○グリーンペースト

・葉ごぼう葉(下ごしらえ済のもの) 50g

・長芋 150g

・豆乳 50ml

 

【作り方】

1.冷凍シーフードミックスは3パーセント程度の塩水に1時間程度つける。解凍できたら、水気をしっかりとふき取る。

 

2.長芋は皮をむいて適当な大きさに切る。

 

3.2と葉ごぼうの葉・豆乳をミキサーまたはブレンダーに入れ、グリーンペーストを作る。

 

4.葉ごぼう根と人参は小さめの乱切りにし、葉ごぼう茎は3センチくらいの長さに、長ネギは薄切りにする。

 

5.鍋にサラダ油を入れて熱し、長ネギを炒める。葉ごぼう根と人参を加えてさらに炒める。

 

6.しんなりしてきたら、シーフードミックス・葉ごぼう茎を加えて軽く炒め、水・白ワイン・固形コンソメを加える。沸騰したら弱火にしてふたをし、野菜に火が通るまで煮る。

 

7.6にグリーンペーストを加え、へらなどで混ぜながらとろみがつくまで煮て、塩胡椒で味を調える。

 

葉ごぼうを丸ごと全部使ったシチューです。長芋と豆乳を使うことで、市販のルーや小麦粉などを入れずにやさしいとろみがつくように仕上げました。

 

シーフードミックスは塩水で解凍するとうまみが抜けず、プリプリな食感になります。

 

シーフードの代わりに鶏肉などを使っても良いでしょう。

 

まとめ

葉ごぼうは関西圏以外で手に入れることが難しく、旬も短い希少な野菜ですが、栽培が盛んな地域では、炒め煮やかき揚げ、パスタなど、和・洋問わずさまざまな料理に使える万能野菜として愛されています。見かけたらぜひ味わってみてくださいね。

 

参考

八尾特産物net.(大阪府八尾市の特産物紹介サイト)
http://www.on-do.net/yaotokusanbutsu/r_wakagobou_s.php

JAグループ大阪×ぐるなび 旬の採れたておすすめ大阪産野菜
https://www.osaka-oyasaisan.com/detail/000046.html

うどん県県産品紹介ポータルサイト LOVEさぬきさん
https://www.kensanpin.org/product/crops/1137/

伝える、味わう 全国ご当地食材 CookNippon!
https://cooknippon.org/nippon/216

香川県卸売青果ネットワーク
https://www.kagawa831.net/vol189/

北陸の自然と文化を楽しむコミュニティ
https://shizenjin.net/hokuriku_food/vegetables/file39.html

 

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