タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
タイ、バンコクで暮らしていた時にレバノン料理に出会い、気に入ってからしばらくレストランに通っていました。
日本では近くにレバノンレストランが無いので、自分でフムスを作っていましたが、近年、近所のスーパーでも市販の「フムス」が売られていたのを発見。ひよこ豆や中東料理への理解が深まってきたのかと、うれしくなりました。
今回は、そんなフムスが注目されている理由や、作り方、食べ方などをお伝えします。
中東の伝統食「フムス」とは
フムスは、イスラエルやパレスチナ、レバノン、トルコ、シリア、ギリシャなどの中東地域や地中海沿岸地域で広く食べられている料理です。
ヒヨコ豆とゴマ、ニンニク、オリーブオイル、レモン汁などを加えてペースト状にした料理で、レストランでは「メゼ」と言われる前菜として出てきます。
レバノン人の友人に聞いたところ、「前菜に限らず、いつでも食べる定番料理」となっているようです。植物性のものを使用しているため、宗教上の理由に左右されずに食べることができるのもポイント。
スーパーフードとして注目されている理由
地中海沿岸地域の伝統食であるフムスですが、近年、その材料の栄養価の高さから「スーパーフード」として注目されています。
フムスのメインの材料である茹でたひよこ豆は、100g 当たりのカロリーが149kalと、白米ご飯の156kcalと余り変わりませんが、たんぱく質が9.5gと豊富です。脂質は同じ高たんぱく食品の大豆の9.8gに比べて2.5gと低脂質です。
さらに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれていて、更に不溶性食物繊維が100g中11.1gと、便秘改善効果も期待できます。
さらに、フムスの材料の1つであるオリーブオイルは一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸が多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。
他にも材料として使用されるレモンやニンニク、タヒニ(胡麻ペースト)に含まれる栄養等により、スーパーフードとして注目されるようになりました。
自宅で簡単!「フムス」のレシピ
日本でも市販のフムスをよく見かけるようになりましたが、おうちでも簡単に作る事ができます。
こちらでは、私が普段作っている基本のフムスの作り方をご紹介します。
材料(2人分)
・茹でひよこ豆:200g
・ニンニク:1片
・白練りごま:大さじ2
・オリーブオイル:大さじ2
・レモン汁:大さじ1
・塩:一つまみ
ひよこ豆は、缶詰等で販売されている水煮のものを使うと10分程で出来上がります。乾燥豆を使う場合は、一晩浸水させてから、指先で簡単に潰れる程に柔らかく茹でると滑らかなフムスが出来ます。
また、旨味や栄養素が含まれた豆の煮汁も使えます。ひよこ豆を使う機会が多い方は、乾燥豆のご購入をおすすめします。
作り方
1 ニンニクは皮を剥き、1㎝角程度、フードプロセッサーにかかりやすい程度の大きさにカットします。
2 ひよこ豆とニンニクをフードプロセッサーに入れペースト状にします。
3 滑らかさ具合を確かめながら、レモン汁、白練りごま、オリーフオイルを加えていき、フードプロセッサーが回りづらい程に固いようなら水を足します。乾燥ひよこ豆を茹でて使った場合は、ひよこ豆のゆで汁で調整します。
4 味が整ったらお皿に乗せ、スプーンの背で真ん中に窪みを作り、オリーブオイルを回しかけます。
先にペーストにしない分のひよこ豆を取り分けて上に飾ったり、お好みでパセリやパクチー、クミンパウダーやチリパウダーをかけて、気分によって味付けを変えたりすることができます。
ひよこ豆をたくさん茹でてしまった場合は冷凍保存できますので、またお好きな時にひよこ豆を解凍して、フムスを作る事も出来ますよ。
フムスの食べ方3選
フードプロセッサーを使って、簡単に作る事ができるフムス。食べ方も色々な方法があります。
野菜のディップに
生野菜にディップとしてつけて頂くと、マヨネーズに負けないコクとヘルシーさが同時にかないます。
パンにつける
フムスの本場でポピュラーな食べ方は、ピタパン等に塗って食べる食べ方です。フムスをパンに塗って、野菜をはさんだサンドウィッチは、フムスがバターとチーズとマヨネーズの3役を一手に担ってくれる程の存在感を見せてくれます。
お肉料理のソースに
フムスはお肉のソースとしても使えます。まったりした味わいは、お肉の種類を問わずに合いますよ。
まとめ
パンにも野菜にもお肉にも合う、しかもスーパーフードとも言われるフムスを味方にして、日々のご飯のバリエーションを増やして下さいね。
今回ご紹介したフムスの他にも、地中海沿岸を中心に定番のスパーフードとして「ビーツ」があります。気になった方はぜひこちらの記事もご覧ください。
【ピンクだけじゃない!】スーパーフード「ビーツ」をもっと身近に感じてみよう
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。