クウシンサイって、どんな野菜?
空心菜(クウシンサイ)は東南アジア原産の、ヒルガオ科、サツマイモ属の植物です。
中国名の「空心菜」の呼び名が有名ですが、実はいろいろな名前があり、ヨウサイ、エンサイなどの他、シンガポールではカンコン、タイ語でパックブン、英語ではwater spinach(水のホウレンソウ)と呼ばれています。
朝顔のような花が咲くので、日本語でアサガオナ、英語でもwater morning glory(水のアサガオ)という呼び名もあります。
日本では沖縄で「ウンチェー」という名前で古くから水田や低湿地帯で栽培され、夏場の緑黄色野菜として親しまれています。その後、空心菜は九州に渡って栽培されていたのですが、本州で栽培されるようになったのは、中国野菜がブームになった1981年頃から。
今は沖縄、九州だけでなく、愛知県、岐阜県、静岡県や神奈川県、千葉県、茨城県と、幅広い地域で栽培、出荷されています。
水と暑さを好んで、条件が合えばどんどん収穫できるのが空心菜の特徴。
5月頃から種まきをして、草丈が20cm以上になったら上の方を刈り取ります。
すると、残った節からまた芽が出て、放っておくとどんどん茎を伸ばしていくので、根本を残して刈り取っていきます。
そうして6月から霜の降りる前の11月頃まで収穫出来ます。
空心菜の茎が空洞のわけ
空心菜の一番の魅力は、中が空洞になったシャキシャキの茎。
この空洞は、水を吸い上げるためにあるもので、原産地の東南アジアでは、主に水辺で栽培されています。
また、空心菜はその茎から水中の窒素、リンといった栄養分を吸収します。その特性を生かして、ダム貯水池の水質浄化のために空心菜を栽培する取り組みも行われています。
空心菜の保存法
このように、水を好む空心菜は乾燥が苦手です。購入したら早めに食べることをおすすめします。
冷蔵庫で保存する時は、根本の茎に濡れたキッチンペーパーを巻きポリ袋に入れて野菜室へ。
調理する前は、根本の茎を少し折ってから水を張ったボウルに入れると、茎がシャキッとします、
冷蔵保存の空心菜は、4~5日以内に食べて下さい。
空心菜のおいしい食べ方3選
空心菜のガーリック炒め
〈材料〉2人分
・空心菜…1束(100g)
・ニンニク…1片
・醤油…大さじ1
・ゴマ油…大さじ1
〈作り方〉
1.水に晒した空心菜の水気を切り、手で食べやすい大きさにちぎってボウルに入れます。
2.ニンニクの皮を剥いて芽を取り除きみじん切りにしたら、ゴマ油と一緒に中火で香りが立つまで炒めます。
3.空心菜をフライパンに加えたら強火にして、軽く混ぜて炒め合わせます。
4.鍋肌に沿って醤油を加えたら手早く炒め合わせ、空心菜がしんなりしたら出来上がりです。
空心菜の茎は手で簡単に千切れます。お子さんと一緒に作ってみてもいいですね。辛みが好きな方は、ニンニクと一緒に鷹の爪を加えて下さい。
空心菜のおひたし
〈材料〉2人分
・空心菜…1束(100g)
・醤油…適量
・削り節…適量
〈作り方〉
1.鍋にたっぷりのお湯を沸かして、空心菜を茎の方から入れて、さっと湯がきます。
2.冷水にあげて水気を切ったら、4cm程度の長さに切り分けます。
3.葉と茎をバランスよく器に盛りつけ、削り節をかけて、醤油をたらして出来上がりです。
味に癖がなく、葉のぬめりと茎のシャキシャキ感で食感のリズムが楽しめます。
空心菜とあさりの簡単スープ
〈材料〉2人分
・空心菜…5本
・あさり…300g
・魚のつみれ…6個
・水…250g
・塩…適量
〈作り方〉
1.砂抜きしたあさりと水を鍋に入れて、中火で沸かします。
2.お湯が沸いたら魚のつみれを加え、あさりの口が開いたら空心菜を千切って茎の方から入れていきます。
3.塩を加えて味をととのえたら、器に入れてできあがり。
まとめ
中華料理かアジア料理のイメージの強い空心菜。新鮮な状態であれば、葉先と茎の柔らかい部分は生食も出来ます。
また、タイ料理では、葉の部分を天ぷらにして食べたりもします。炒め物に限らず、色々なお料理で楽しんでみてくださいね。
参考
JA遠州 https://jaenchu.ja-shizuoka.or.jp/pickup/crops/detail.html?id=cr1462861240
農業技術辞典 http://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#koumoku=10591
くわっちーおきなわ https://kuwachii-okinawa.com/agricultural/2389/#:~:text=%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3A%E3%82%84%E8%89%AF%E8%B3%AA%E3%81%AE,%E5%92%8C%E3%81%88%E7%89%A9%E3%80%81%E5%91%B3%E5%99%8C%E6%B1%81%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
日本educe食育総合研究所 https://www.educe-shokuiku.jp/news/food/kushinsai-201807/#:~:text=%E7%A9%BA%E8%8A%AF%E8%8F%9C%E3%81%AE%E6%9C%80%E5%A4%A7,%E5%90%B8%E5%8F%8E%E3%82%82%E8%89%AF%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
日本ダム協会 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/TPage.cgi?id=441
名古屋市 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.water.city.nagoya.jp/file/1848.pdf
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。