ヒオウギガイとは
ヒオウギガイはホタテ貝の仲間の二枚貝です。ホタテ貝は北方の海で生息していますが、ヒオウギガイは主に南方の海に生息する貝です。漢字では「緋扇貝」や「檜扇貝」と書き、長太郎貝、パタパタ貝、バタ貝、アッパッパ海、または、虹色貝とも呼ばれています。
大きな特徴である、カラフルな色彩の殻は、着色したものでなく100パーセント天然の色です。なぜ、このようなカラフルな色の貝になったかというと、一説では近くの珊瑚礁にまぎれて敵から身を守るためについたと言われています。
そして、その色は、それぞれの個体が遺伝的に受け継いでおり、1センチメートル位の稚貝になると発色してきます。発色する色は、オレンジが7割、黄色、赤、紫が各1割程度ですが、まれに、虹色や桃色、白色のものもあります。
ヒオウギガイの産地
(引用:食べチョク ヒオウギ貝専門店/後藤ヒオウギ貝より)
水温が高く内港の静かな海が適した生育環境であるヒオウギガイ。約50年前に愛媛県愛南町の由良半島にて、真珠養殖のいかだや網ついた稚貝をカゴに入れて育てたのが養殖の始まりと言われています。
水揚げすると約1日しか生きていられない繊細な貝なので、最初は地元の人が自分達で食べるために養殖をしていたそうです。
水槽でも育成が困難と言われており、産地から遠く離れた市場には流通していない希少な貝でしたが、2002年頃から販売が始まりました。特徴である殻の色は、天然ものでは褐色のものが多いですが、養殖ものではきれいな色の個体を選んで人工採卵して、鮮やかな色を出しています。
その上、味も「ホタテより濃厚」と言われており、産地で急速冷凍、全国発送ができるようになったことや、ふるさと納税の返礼品としても取り扱われるようになったため、徐々に認知度が上がっています。主な養殖産地は、紀伊、四国、九州などです。
ヒオウギガイのおすすめ調理法
そこで今回は、実際にヒオウギガイを購入してみました。
ヒオウギガイの殻の開け方は、貝の継ぎ目の短い方からナイフを入れ、殻に沿って貝柱を切り離します。殻継ぎ目の短い方に貝柱があるためです。美しい色の殻が特徴なので、まず、殻の上に貝柱を置いてチーズとパン粉を散らして焼いたグラタンと網焼きを作ってみました。
貝そのものの味の感想は「味が濃い」です。特にヒモの部分の味の濃さは、いつまでも噛みしめていたい気持ちになります。
貝のだしがよく出るので、焼きすぎるとおいしい汁が蒸発したりこぼれたりして、もったいない気持ちになりました。そこで次は、白ワイン蒸しに。
鍋の蓋を開けたら、カラフルな貝が口を開けている光景に食べる前からワクワクしました。旨味たっぷりのスープが鍋底に溜まって、貝の味も楽しめました。
日本酒を振りかけて酒蒸しにするのもおいしいと思ったのですが、今回は貝を頂いた後のスープに冷やごはんを加えて簡単リゾットを作りたかったので、白ワイン蒸しにしました。
旨味の濃いスープをお米が吸って、極上の貝だしリゾット風のできあがり!今回は、貝殻の色も楽しめる食べ方をご紹介しました。ホタテと同じ種類の貝ですので、貝柱のお刺身からバター炒め、炊き込みご飯など、ホタテと同じ調理法で楽しむことができます。
まとめ
食べておいしいだけなく、貝殻の美しさが特徴のヒオウギガイ。貝殻をインテリアやお子さんの工作に使うなど、食べた後も楽しめるのも良いですね。味もおいしくて見た目もきれいなので、贈答用にもおすすめです。
獲れたてのヒオウギガイをお取り寄せ
濃厚で食べ応え抜群のヒオウギガイは、様々なアレンジで楽しみたい逸品です。農家漁師から直接食材が届く食べチョクでは、新鮮な貝をお取り寄せできます。ぜひ一度味わってみてください。
(青森県産業技術センター)https://www.aomori-itc.or.jp/public/zoshoku/hotateinf/hotatemame.htm
(愛南町)https://www.town.ainan.ehime.jp/kurashi/business/suisangyoko/suisanshinko/hiougi.html
(農林水産省)https://www.facebook.com/maffjapan/posts/1181960958555862/
(リージョネット三重)https://mie.regionet.ne.jp/shop/maruyoshi/item_list/035
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。