ししとうはなぜ、辛くない?
ししとうは、漢字で「獅子唐辛子」と書く、ナス科のトウガラシ属の野菜です。先端が獅子の口に似ていることから、この名がつきました。
唐辛子は中南米が原産地で、15世紀にコロンブスによってヨーロッパに渡りました。そして、ヨーロッパの涼しい環境で辛味の少ない品種が誕生したと言われています。
これが、唐辛子の「甘味種」。ししとうの他にはピーマン、パプリカもこの「甘味種」です。
日本へは16世紀に辛味のある唐辛子が伝来して以来、甘味種に品種改良されたと言われています。
とはいえ、時々辛いものに当たることがある、ししとう。「食べ物界のロシアンルーレット」とも言われており、10個に1個は辛い個体があります。
形がいびつなもの、種が少ないもの、日照不足や水やりの量とか、ししとうが辛くなる説は色々言われていますが、確実にそれが分かっていれば、農家さんが取り除けます。
それでも辛いものが時々混じるという事実も含めて、ししとうを楽しんで味わうと良いでしょう。
ししとうの産地と旬、品種について
ナス科のししとうの旬は夏ですが、ハウス栽培も盛んで、一年中生産されています。収穫量全国1位は高知県。令和3年度の統計では、全国生産量の約36%を占めています。
夏から秋にかけては雨よけ露地栽培のものを出荷、冬から春にはハウス促進栽培と、リレー方式で通年生産しています。また、高知県独自の「土佐じしビューティ」「ししほまれ」を生み出すなど、ししというと言えば高知という地位を確立しています。
2位は千葉県で、6月から10月の露地栽培ものを新鮮なうちに東京の市場に出荷し続けています。
その他、ししとうの品種には、京野菜の万願寺とうがらし、伏見唐辛子や、奈良の伝統野菜のひもとうがらし、紫ししとうなど、古くから日本で親しまれている品種があり、昔から親しまれていた事が分かります。
※農水省 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/index.html
ししとうを手軽に味わうレシピ
焼きびたしや串焼き、天ぷらなどが定番ですが、今回はちょっとおしゃれで手軽にししとうを味わえる料理を2品紹介させて頂きます。
ししとうとシラスのペペロンチーノ
【材料】1人分
・乾燥パスタ…80g
・シラス…50g
・ししとう…10本
・ニンニク…1片
・オリーブオイル…大さじ2
【作り方】
1.たっぷりのお湯にしっかり目の塩(分量外)を加えてパスタ用のお湯を沸かしたら、乾燥パスタを茹でます。
2.フライパンにオリーブオイルと潰して皮を剥いたニンニクを入れて弱火で熱します。
3.ししとうは長い茎をハサミで切ったら実の方にも少し切り込みを入れ、2のフライパンに加えてしんなりするまで炒めます。
4.ニンニクの香りが油に移ったら取り出して、シラスを加えてカリッとするまで炒めます。
5.パスタが茹で上がったらお湯を切ってフライパンに加えて、全体に油が回るように和え、お皿に盛りつけたら出来上がり。
じっくり油で焼いたししとうの甘味と香りがパスタによく合います。
ししとうはヘタも種も食べられますが、加熱すると中の空気が膨張して破裂することがありますので、ハサミや包丁で切れ込みを入れるか、竹串で穴を開けておくと良いでしょう。
ししとうピザトースト
【材料】1人分
・食パン…1枚
・ケチャップ…大さじ2
・ハム…1枚
・とけるチーズ… 25g
・ししとう…3本
【作り方】
1.食パンにケチャップを塗り、とけるチーズを散らします。
2.ハムを2cm角ほどに切り、パンに乗せます。
3.ししとうを洗って1cm厚に切ったらパンに散らし、トースターでチーズが溶けるまで焼きます。
いつものピザトーストが、ししとうをたっぷり散らすことによって大人の香りになります。
まとめ
ビールのおつまみやご飯のお供に人気のししとう。ときどき混じる辛いししとうに絶対当たりたくない場合は、種とヘタを取り除いてみてください。
ぜひ、和食だけでなく、色々なお料理に使って夏野菜を楽しんでみてくださいね。
丸果石川中央青果 http://www.maruka-ishikawa.co.jp/vegetables/items003/shishitou.htm
東京多摩青果 http://www.tamaseika.co.jp/
tenki.jp https://tenki.jp/suppl/grapefruit_j02/2020/09/09/29970.html
JAグループ福岡 https://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/001/022.html
高知まるごとネット https://kochi-marugoto.com/goods/cg3/169/
農水省 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/index.html
みんなの趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-485
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。