スキレットとは
普段家庭で使われるアルミやステンレスより蓄熱性が高く、熱をゆっくり伝えることができるのが特徴です。ステーキやハンバーグからホットケーキまで幅広いレシピに使え、料理が苦手でも簡単においしく仕上がると注目の調理器具です。
家族構成や作りたいメニューによってサイズを検討する
スキレットにはさまざまなサイズがあります。「まずひとつ使ってみたい!」と考えると、どの大きさを選んでいいか悩みますよね。その場合、家族構成や作りたいメニューによってサイズを検討するのがいいと思います。
目安として3〜4人家族なら、パエリアなども作れるビッグサイズの25cm位がベスト。一気に調理をして食卓で取り分けるのは豪華で、おもてなしに料理にも使えそうです。2人分なら20cm前後がぴったりで、このサイズは重量的に女性にも扱いやすくお手入れしやすさの点からもおすすめです。ちなみに1人分ずつ盛り付けたいなら15cm以下のサイズを使うと、カフェごはんのような雰囲気を楽しめます。
また、スキレットの素材によってはIHヒーターに対応していない商品もあるので、自宅の調理環境に合わせて選ぶことも大切です。
使用前には「シーズニング」が必要
スキレットは使用前に「シーズニング」というお手入れが必要です。鉄製のスキレットが錆びないようにするためのお手入れで、調理に使う前にまず行う作業です。今回はシンプルな方法をご紹介します。
①洗剤で洗う(出荷時に塗られたワックスを落とすため)
②水を入れ沸騰させる
③強火で空焚きをする
④冷まして油を塗り、弱火で5分加熱
丈夫なスキレットですが、急激な温度変化を加えると割れてしまいます。使用時はもちろん、シーズニングやお手入れのときには特に注意してくださいね。
定番から知る人ぞ知るスキレットまで4商品をご紹介
老舗鋳鉄メーカー「ロッジ スキレット」
LODGE(ロッジ) ロジック10 1/4インチスキレット フライパン L8SK3
ロッジは鋳鉄の調理器具の老舗メーカーで、アメリカをはじめ世界中で120年以上愛されているブランドです。もともと蓄熱性が高い鋳鉄製のスキレットですが、ロッジは厚みが5ミリと肉厚構造なのが特徴。これにより鍋全体の温度が下がりにくく、料理に均等に熱がはいるので、素材の旨味が凝縮されておいしく仕上がります。
ロッジのスキレットは大きさや形の種類が多く、利用シーンや人数に合わせて選べる幅が広いのもポイント。IHに対応しておりオーブンにいれた調理も可能なのに加え、キャンプなどアウトドアでは炭や焚き火など様々な熱源で使えるのも魅力です。
また、ロッジ社の製品は出荷時にシーズニング済み なので、お湯で洗えばすぐに使い始められるので初心者にもおすすめです。
厚手の鋳物で高い熱伝導率が特徴「ル・クルーゼ スキレット」
ルクルーゼ スキレット ホーロー フライパン IH 対応 20cm チェリーレッド 20124-20-06
フランス生まれのブランド、ル・クルーゼのスキレットはデザイン性と機能性の両方を叶える商品として女性に人気があります。
厚手の鋳鉄ホーローは熱伝導率が高く食材へ柔らかく熱が伝わるため、ホットケーキやハンバーグなど中までじっくりと火を通してふんわりと仕上げる料理に最適です。また、スキレットの内側がマットホーロー加工なので、焼き色がきれいにつくのも特徴です。
価格は高めですが、黒以外のカラフルなスキレットが揃うブランドは他にはなく、キッチンを華やかに彩り気持ちまで豊かにしてくれるのはル・クルーゼならではです。調理後そのまま食卓に置けば、おしゃれなテーブルウエアとしても活躍してくれます。
シーズニング不要ですぐに使える「コールマン クラシックアイアンスキレット」
キャンプなどのアウトドア用品のブランドとして有名なコールマンのスキレットは、パエリアや餃子が調理できるビッグサイズなのにリーズナブルな価格で人気を集めています。他のブランドでは別売りされている蓋だけでなく、収納袋までセットになっているコスパの高さが魅力です。
付属の蓋の裏側にはリベットと呼ばれるデコボコがあり、これが鍋の中の水蒸気を水滴に変えて循環させてくれるため、蒸し調理が簡単にできます。スキレットと蓋をあわせて使うことで、無水調理にも挑戦しやすくレシピの幅が広がるのがうれしいですね。さらにアウトドアシーンでは蓋が平らなので、炭を乗せてオーブンのような状態にする上火調理もしやすく、使い方のバリエーションが広いアイテムです。
また、植物性オイル仕上げなので面倒なシーズニングの作業が不要で、購入してすぐ使うことができるのも便利です。
キャンプに持って行くなら「ペトロマックス ファイヤースキレット」
世界中から愛される灯油ランタンが有名なペトロマックス社は、1910 年にドイツで創業し100年以上の歴史ある老舗です。キャンプ好きの人たちには人気があるブランドで、現在ではクッキングアイテムも充実しています。
シンプルなデザインのスキレットは通常の1ハンドルに加えて、両手で扱える2ハンドルタイプがあり、それぞれ5サイズのラインナップが展開されています。スキレットの調理性はそのままに、デザインの好みはもちろん、シーンや用途によって細かいニーズから選べるのはうれしい限りです。ちなみに大きなサイズのスキレットは重いので、女性には2ハンドルタイプが扱いやすいかもしれません。
まとめ
調理器具にスキレットを追加するだけで、普通のフライパンや鍋ではできない多彩なメニューのバリエーションを増やすことができます。簡単においしく仕上がって、食卓にそのまま出してもおしゃれなスキレットを使い、毎日の食事に美味しさや楽しさをプラスしてはいかがでしょうか。
また、一見手間に思えるシーズニングもそうですが、その後何度も使っていくうちに油がなじみ、“あなただけのスキレット”に育っていきます。道具を育てる楽しみを味わえるのも、スキレットの醍醐味かもしれません。
布施朋美
元化粧品会社のブランドディレクターで美容好き。「おいしく食べてきれいになる」を日々追求しています。短大の食物栄養学科卒/野菜ソムリエ/日本化粧品検定1級
元化粧品会社のブランドディレクターで美容好き。「おいしく食べてきれいになる」を日々追求しています。短大の食物栄養学科卒/野菜ソムリエ/日本化粧品検定1級