タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
果物の中ではライチが一番好きです。
幼少期に住んでいた台湾では、ライチ狩りに出かけると、たわわに実った枝ごと切り落としてもらい、みんなで枝からもいで食べました。
大人になってから暮らしたタイでは、シーズンになると市場に行って、ゴルフボール程の大きさの枝付きライチを買って来て、独り占めできる幸せをかみしめていました。
今回は、そんなライチ好きの私が、ライチ愛を語りたいと思います。
個人的にライチ愛を語ってみる
日本では「ライチ」という呼び名が浸透していますが、私は台湾ではレイシと呼んでいて、タイ語ではリンチーと呼んでいました。
ムクロジ科 レイシ属。原産は中国南部です。
木は放任すると、どんどん上に伸びてして、10mにもなってしまうそうなので、ライチ狩りが枝ごと切り落とされるのも納得です。
ライチは、鱗状の固そうな皮に包まれていますが、爪を立てると結構簡単に剥がれます。皮を剥くと美しい乳白色の瑞々しいゼリーのような果肉が現れ、口に含むと果汁がほとばしり、独特の爽やかな香りが広がります。
お味は、甘味と酸味のバランスが絶妙で、ふくよかな味わいなのに、後味はさっぱりしています。
何よりも、常緑の木の枝がしなる程にたわわに実った無数の赤い実を目の当たりにすると、南国の豊かさに圧倒された気持ちになります。
以上、楊貴妃に変わって、私がライチ愛を語ってみました。
客観的に、ライチが美女に愛される理由を探ってみた
私自身は美人でも何でもありませんが、ライチが「楊貴妃に愛された」と語り継がれている所以として、美人になる要素があるのでは?とも考えられます。
そこで、ライチの栄養素について調べてみました。
可食部100g中のカロリーは61kcal、
栄養素は葉酸が100㎎、カリウムが170mgと、豊富に含まれています。
葉酸には核酸がうまく働くためのサポートをする働きがあります。核酸は細胞の生まれ変わりをコントロールする重要な存在です。葉酸が不足すると核酸がうまく働かなくなり、細胞の生まれ変わりが正しく行われなくなります。また、葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球をつくるために欠かせない成分でもあります。
そして、葉酸と共にライチに豊富に含まれているカリウムは、体内でナトリウムとバランスを取り合って、血圧を正常に保つ働きをしています。余分なナトリウムを体外に排泄する働きがある為、高血圧の予防効果が期待されています。
以上栄養素の働きとライチと美の関連性を考えると、細胞の生まれ変わりがスムーズになると、何時でもお肌が最新版の状態になる。また、血液の循環もよくなることで血色も良くなる。更に、カリウムでむくみ知らずの体になる。
確かに、美人さんが、更に体の中から綺麗になれる栄養素を、ライチは持っている事になりますね。
日本でも栽培されている、極上ライチ
日本でのライチというと、輸入品の小さな実の、冷凍の皮が黒くなったものを思い浮かべる方も多いかもしれません。
ところが昨今、日本でも極上ライチが栽培されています。
現在、国内に流通しているライチの99%が海外産の冷凍品で、国産はわずか1%のみで、鹿児島県と宮崎県、沖縄県の一部などで生産されています。
宮崎県ではマンゴー栽培技術を生かしてライチ栽培に乗り出し、高品質のブランド・ライチの生産に成功しました。
まだまだ生産量も少なく、収穫期間も毎年5月下旬から7月上旬までの約1カ月間と短いことから、「幻のフルーツ」とされていますが、今後の生産拡大に期待したいものです。
まとめ
古来、皇帝への献上品としてなど、珍重されてきたライチ。今は日本でも高品質ライチが生産されるようになりました。
フレッシュの状態では比較的傷みやすい果物なので、もし、生で色鮮やかなライチを見つけたら、是非味わってみて下さい。
参考文献・出典
趣味の園芸 NHK出版
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-960/target_tab-2
食品成分データベース 文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/search.html
わかさの秘密 わかさ生活
https://himitsu.wakasa.jp/contents/lychee/
マイナビ農業
https://agri.mynavi.jp/2017_12_15_13690/
今回ご紹介したライチはこちら
食べチョクに出品している千葉県成田市産の国産ライチ「吉」をご紹介します。大きく甘く、酸味が少ないのが特徴です。記事でもご紹介した通り、国産は珍しく、極上ライチを新鮮なまま召し上がることができます。
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。