山形県南陽市発祥の緑黄色野菜
山形県の伝統野菜の1つである「おかひじき」は、江戸時代初期に南陽市で栽培されたのが始まりとされ、海藻の「ひじき」に形が似ていることからその名がついたといわれています。
別名「陸のひじき」ともいわれ、βカロテンが豊富な緑黄色野菜。むくみ防止に効果が期待できるカリウムをはじめ、カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルも豊富に含んでいます。
露地ものの旬は4月から
ハウス栽培やトンネル栽培も行われており、1年中入手することはできますが、4月頃から収穫量が増え6月頃が最盛期。スーパーなどで見かけることも増えると思いますので、積極的に手に取り、旬のおかひじきを味わってくださいね。
選び方と保存
葉が全体的に瑞々しく、緑色が鮮やかなものを選びましょう。大きく育ち過ぎているものは硬いので、小さな株がオススメです。切り口の色が変わっているものは鮮度が落ちている証拠なので、避けるようにしましょう。保存する場合は、ポリ袋に入れて野菜室に入れると良いですが、なるべく早く食べきるようにしてください。
下ごしらえの方法
シャキシャキとした食感が特徴のおかひじき。サラダや和え物などにする場合は茹でてから使いましょう。沸騰したお湯に塩を入れ、1分半~2分ほど茹でた後、冷水にさらし、水気をよく切ります。これで下ごしらえは完了。お好みの長さに切って使いましょう。
加熱調理に使う場合は、茹でる必要はありません。根元の部分が硬そうな場合はカットしてから使ってくださいね。
楽しみ方
生産者にオススメの食べ方を聞くと1番最初にあがる答えが辛子和え。下ごしらえをしたおかひじきを食べやすい大きさに切り辛子醤油で和えるだけですが、おかひじきのおいしさをダイレクトに感じることができるシンプルな1品です。
今回私はにんじんと白ごまを加えて少しアレンジしてみました。
その他、白和えやお味噌汁、海藻のひじきと合わせたサラダなどもオススメです。天ぷらもオススメなので是非春の山菜と一緒に揚げてみてはいかがでしょう。
ここからはもう少しアレンジを加えたレシピを3種類ご紹介します。
おかひじきとアボカドのブルスケッタ
▼材料(4人分)
・おかひじき 80g
(前述の方法で下ごしらえをしておく)
・アボカド 1個
・ミニトマト 4個
・オリーブオイル 大さじ1/2
・マヨネーズ 大さじ1/2
・レモン汁 小さじ1
・粒マスタード 小さじ1
・塩胡椒 お好みで
・バゲット 8切れ
・おろしにんにく 適量
▼作り方
1.アボカドは皮をむいて種を取り、ミニトマトと共に1センチくらいの角切りにする。おかひじきは2センチくらいの長さに切る。
2.ボールに[1]とオリーブオイル、マヨネーズ、レモン汁、粒マスタード、塩胡椒を入れ、混ぜ合わせる。
3.バゲットをトースターでこんがり焼き、表面におろしにんにくを塗る。
4.[3]に[2]を乗せる。
以前生産者からポテトサラダにも合うとお聞きしたことがあり、マヨネーズとの相性は折り紙付き。よく熟したアボカドのねっとり感と、おかひじきのシャキシャキ感の違いを楽しんでいただける1品で、白ワインにもピッタリです。バゲットの代わりにクラッカーなどでも代用できます。またフィリングとしてパンにはさみ、サンドイッチにしても良いでしょう。
おかひじきと長芋のフワフワ焼き
▼材料(4人分)
・おかひじき 80g
・木綿豆腐 1丁
・長芋 100g
・白いりごま 大さじ2
・味噌 小さじ2
・醤油 小さじ1
・片栗粉 大さじ2~
・ごま油 適量
▼作り方
1.おかひじきは2センチくらいの長さに切り、長芋はすりおろす。
2.ボールに水を切った木綿豆腐と[1]、ごま油以外の材料を入れ、よく混ぜる。
3.フライパンに多めのごま油を入れて熱し、[2]をスプーンですくって入れ、両面をこんがりと揚げ焼きにする。
木綿豆腐の水切りは、クッキングペーパーなどで包みザルに上げておくと良いでしょう。生地がとても柔らかいので、整形しにくい場合には片栗粉の量で調整してください。シャキシャキとは異なるおかひじきの食感を楽しんでいただける1品です。
おかひじきのチャプチェ
▼材料(4人分)
・おかひじき 80g
・にんじん 1/2本
・しいたけ 2個
・豚小間切れ肉 100g
・春雨 50g
・醤油 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・オイスターソース 小さじ1
・おろしにんにく 小さじ1
・白いりごま 適量
・ごま油 大さじ1
▼作り方
1.ボールに豚小間切れ肉、醤油、酒、みりん、オイスターソース、おろしにんにくを入れて軽く揉む。
2.春雨を表示通りに茹でて戻す。
3.おかひじきは5センチくらいの長さに切る。しいたけは軸を取って薄切り、にんじんは半分にして斜め薄切りにする。
4.フライパンにごま油を入れて熱し、[1]を入れて色が変わってきたらしいたけとにんじんを加え炒める。
5.にんじんが柔らかくなってきたらおかひじきと春雨を加える。おかひじきがしんなりしたら白いりごまをかけて軽く混ぜ、火からおろす。
お肉も野菜もバランスよくとれる、ボリュームおかずです。おかひじきはあえて長めに切り、春雨とよく絡むようにしています。お好みで赤唐辛子やラー油などで辛みをプラスするのもオススメです。今回は豚肉を使いましたが、牛肉を使っても良いですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。江戸時代からある野菜ではありますが、あまりなじみのない人も多いのではないでしょうか。他のどの野菜とも異なる特徴的な食感を楽しめるだけではなく、栄養価も豊富な「おかひじき」。是非いろいろな形で楽しんでくださいね。
参考
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。