ざぶざぶ洗ってすぐ乾く!手放せない「さらし」の魅力
「さらし」とは、木綿や麻で平織りされた薄手の布のことで、木綿のものが一般的。江戸時代には下着として使われ、今でも着物の着付け補正や、妊婦の腹帯として活躍しています。
さらしの大きな特徴は、丈夫で吸水性がよく、乾きやすいこと。それだけでも、台所にもってこいの布ですよね。
また、これまでキッチンペーパーやクッキングシートを使っていた場面でも、さらしに置き換えることでゴミが減り、エコの観点からもおすすめなのです。
使い方① 手頃なサイズに切ってみよう
さらしは、腹帯としても売られています。たくさん入っていて安価なので、気に入ったものをひとつ買ってみてください。こちらは5mあるもの。ひとつ買えば、しばらくは買わなくてすむサイズです。
買ったら、まずは1mくらい取り出して、好きな大きさに切ってみます。このとき、全部を同じ大きさにしてしまうのではなく、なんとなく用途を考えて大きさをいくつかに分けておくとよいでしょう。
①シンクや小皿を拭く、布巾のサイズに
②蒸し器に敷いたりおだしを漉したりできる、ハンドタオルの長さに
お好みですが、この2つはあると便利なサイズです。
切った端は縫っても構いませんが、切りっぱなしで使って大丈夫。糸がほつれて出てきてしまったら、その部分だけ切りましょう。
使い方②水通ししてみよう
さらしはそのままだと吸水性が悪く、パリッとしていて使いづらいもの。一度お洗濯することで、柔らかくて馴染みのよい布になっていきますし、使うたびに心地よい肌触りになっていきます。
はじめの水通しは、ただ水でざぶざぶ洗って干しておけばおしまいです。少し水の中でもみ洗いして、布を柔らかくしておきます。乾いたら畳んでサイズ別にかごなどに入れておくと、使うときに便利です。
使い方③どんな場面でも使ってみよう
さらしは、とにかく何にでも使えます。ただし、布なので火気には注意が必要です。電子レンジやオーブンに入れることはできません。
まずは、お皿やシンクを拭いたりするのに使います。さっと拭いてその場でざっと洗って干しておけば、清潔感も保てますよね。
魚や野菜の水気を取ったり、蒸し器に敷くクッキングシート代わりにしたり、おだしを漉すときにも使うことができます。
豆腐やヨーグルトの水切りをするときにも、さらしを敷いておきましょう。大根おろしをさらしの中におろしてから最後に軽く絞ると、水っぽくならず、おいしい大根おろしになります。
また、コーヒーフィルターとしても使うことができたり、ちょっと何か人に贈り物をするときは、さらしで巻いてリボンや紐を巻いておくと、それだけでとってもかわいいプレゼントになります。ラッピングに使ったさらしもプレゼントになるところがいいですよね。
さまざまな用途があるので、使ってみて合うところからはじめてみてください。
使い方④ぬめりのある食材を料理するときに使おう
もうひとつおすすめの使い方は、ぬめりのある食材を調理するとき。
イカやタコ、長芋、加熱したあとのきのこ、こんにゃくなど、うっかり包丁が滑ってしまうような食材を切るときには、まな板にさらしを敷いてから行うと、食材をしっかり切ることができます。
お子さんとの料理でぬめりのある食材を使うときにも活躍しますし、イカや里芋などの皮を剥くときも、さらしで皮をつまむようにすると、手が滑りません。
使い方⑤汚れてきたら、掃除用にまわす
さらしは洗いやすく乾きやすいので、汚れたらすぐに洗ってキッチンの隅にでも干しておけばまたきれいな状態に戻ります。しかし醤油のシミなどはなかなかとれませんし、また、使っているうちによれてきて、吸水性が落ちてしまうこともあります。
汚れてしまったら、掃除用のさらしとして第二の人生を歩ませてあげましょう。汚れたさらしだけを集めてかごに入れておき、雑巾の代わりにしたり、濡れてしまった靴の中に入れて水分を取ったり、割り箸に巻いて狭いところのお掃除をしたり……。破けてボロボロになるまで使うことができるのもポイントです。
ちなみに上の写真は、シミをつけてしまったさらしに葉っぱでたたき染めしたもの。玉ねぎの皮を煮て染めることもできるので、またこうしてきれいに使えるように蘇らせるのも、楽しいですよ。
まとめ
さらし生活をはじめると、キッチンを清潔に保つことができるのも、大きなメリット。食材が濡れたままになっていると、そこから菌が繁殖してしまうので、調理道具や食材はこまめに拭き、衛生的な調理を心がけてみましょう。さらしがきっとその助けになってくれますよ!
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食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。