タイ料理・シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
八百屋の店先に山積みにされた苦瓜を選んでいたら、隣で真剣な眼差しで同じように苦瓜を選んでいる年配の女性がいました。
その真剣さに、「苦瓜をどうやって食べているのですか?」と思わず聞いてみたところ、「ミキサーにかけて、ジュースにして飲んでいるの。苦いけど健康に良いというから」という答えが返ってきました。
もったいない!
せっかくなら、その苦みを”大人の楽しみ“として、色々なバリエーションでお料理していただきませんか?
おいしく栄養素を取り込んで、夏バテ防止・美容に役立てましょう。
苦瓜の種類と見極め方
「ゴーヤは苦い」というのはデフォルトではありますが、ここは日本。
「苦みの少ない品種があるのでは?」と、農林水産省のデータベースで調べてみたところ、何と、ツルレイシ種で17種類の登録がありました。
私が知っているゴーヤの種類は、台湾で苦味の少ない品種として紹介された白い苦瓜(中国語でクークワ)、タイでは長さ30㎝にもなる黄緑色の大きな苦瓜(タイ語でマラ)、日本でメジャーな濃い緑色の20㎝位の品種、そしてミニ・ゴーヤです。
新鮮なゴーヤは、イボイボがはっきりしていて、全体に張りがあるものです。
このイボイボに水分が蓄えられているので、保存する時には、その水分が抜けていかないよう、新聞紙などに包んで袋に入れて保管します。
そして、ゴーヤは、自分で育てると、ちょっと目を離した隙にある日いきなり熟して黄色くなっていたりして、意外に見極めが難しいもの(過去経験あり)。
信頼出来る農家さんの直販ECサイトから、収穫時期が見極められた新鮮なものを届けてもらえば、安心して美味しいゴーヤがいただけるというものです。
新鮮なゴーヤが届いたら、早めにお料理して、美味しくいただきましょう。
今回は、主にアジアで食べられている食べ方を3種と、日本の食卓の人気メニューのアレンジ版を1種、合計4種類のゴーヤ料理をお伝えします。
超簡単!ゴーヤの中華あえ
台湾の食堂にて、つきだしで出てきた「ゴーヤの中華あえ」を参考にしました。
ゴーヤを半分に切り、わたを取り除き、3㎜厚程度に切ってから塩と砂糖で揉んだものに、ごま油と少量のニンニクみじん切りを和えたら出来上がりです。
塩と砂糖で揉む割合は、別記事にて紹介していますのでそちらをご覧ください。
ゴーヤチャンプルーより手軽な卵炒め
次にご紹介するのは、同じく台湾やベトナム料理でも定番メニューの卵炒めです。
塩と砂糖で下処理したゴーヤを油で炒めて、火が通ったらフライパンに直接卵を割り落とし、崩してスクランブルエッグにするという、洗い物も少ないお手軽料理です。
油をごま油にすると中華風、サラダ油で炒めて、仕上げにヌクマムかナンプラーを回しかけるとベトナム料理風になりますよ。
ミント+ゴーヤ+お刺身で、おしゃれオードブル
個人的にイチオシなのは、ホタテや甘えびなど、甘味の強いお刺身と合わせる食べ方です。
特にゴーヤ+お刺身+ミントの組み合わせは、ゴーヤの苦みとお刺身の甘味、そしてミントの清涼感が、夏のオードブルにぴったりです。
味付けは、タイ料理研究家としての私としては、レモンとナンプラー、そして、フライドオニオンやガーリックを散らしたタイスタイルの食べ方を試していただきたいのですが、レモンとオリーブオイル、お塩でも美味しいです。
食べチョクでは魚介類も扱っていますので、いつもと違うお刺身の食べ方をしてみたい時に、ぜひお試しください。
ゴーヤの形を生かして。火を使わないゴーヤハンバーグ
ゴーヤを割着にした切り口は、お花のようでかわいいですよね。それを生かすとしたら、肉詰めがおすすめです。
今回は、夏の暑さで「火の前にいたくない」という時でも、レンジですぐに作れるゴーヤハンバーグをご紹介します。
筒切りにして、種とわたと取り除いて塩水に浸けたゴーヤの中に、ハンバーグのタネを詰め込んで、耐熱容器に並べてラップをして、お肉に火が通る程度まで加熱したら出来上がり。
加熱が終わった時に下に落ちたドリップに苦味が出ているので、今回ご紹介したレシピの中では最も苦味が穏やかです。
今回のレシピでは、合い挽肉を使っていますが、タイでは豚ひき肉に味付けしたものを詰めて、ごろんと肉詰めが入ったスープとしていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ゴーヤは炒めるだけにあらず。生でも蒸しても、もちろん、焼いても炒めても美味しくいただけます。
苦味を苦にしながらジュースで飲むのではなく、色々なお料理に取り入れて、楽しんでみてはいかがでしょうか。
もちろん、「スムージーの味に苦味がなくっちゃ」という方はジュースでもどんどん楽しんで下さい。
現在、食べチョクでもゴーヤが入った夏野菜のセットが販売されています。ぜひ旬の味わいをぜひお取り寄せしてみて下さいね。
・農林水産省データベース
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。