産直野菜やオーガニック食材を食べてみたいけど、ちょっと高くて手が出しにくい、あるいは、量が多くて食べきれるか不安…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな方に、「少量買い」「お試し買い」ができる量り売り専門店をご紹介します。量り売りで購入することは、食品ロス対策やプラスティックの削減など、地球に優しい取り組みにもつながるんですよ。
量り売りがもたらすメリット
量り売りを活用することで、たくさんのメリットが生まれます。
(1)食材の買いすぎ防止、捨てる食材の軽減→食品ロス削減につながる
(2)包装ゴミが少なくなる→海洋プラスティックの削減
(3)知らない食材を知ることができる。気軽に試すことができる
(4)オーガニック野菜を食べるきっかけに→生産者の暮らしも豊かになる。
(5)一人暮らしの人や小食になった老夫婦世代なども、気軽にオーガニック食材や産直野菜を購入し生活に取り入れられる。
今回は、実際にいくつかの店舗をまわり、お店の方から量り売りに対する想いとこだわりを聞いてきた中でも、特に印象に残った2店舗を紹介したいと思います。
中目黒 HACARI
中目黒駅から徒歩10分程、閑静な住宅街にある日本で唯一の野菜の量り売り専門店「HACARI」。地域の直売所というイメージが払拭されたおしゃれな見た目で、若い人も気軽に入りやすい雰囲気が出ています。
お店に並ぶ商品は、全国各地から取り寄せた朝どれ野菜たち。普段目にする野菜はもちろんですが、ユニークな形、色の野菜もあり、見ているだけでわくわくします。
おかしなどの量り売りは体験したことがありますが、野菜は初めて。各種さまざまな野菜が並べられており、値段はg(グラム)や1本あたりで記載されていました。
ミニトマトが粒買いできる!
HAKARIさんを訪れたなかで、特に衝撃だったのがミニトマトの粒買いができること!
普通、ミニトマトはパッキングされ、一定量で販売されていますが、gあたりで購入できるので、様々な種類のトマトを好きな数だけ購入できてしまいます。
その場で一口食べたい!なんてわがままも叶いますよ。
季節や仕入れによっては、シャインマスカットやイチゴも粒買いできるそうです。
また、野菜以外にも、ピクルスやポテトサラダ、ポトフなどのお惣菜、ジャム、調味料など、HAKARIとお付き合いのある生産者さんの関連商品がずらりと並んでおり、これも好きな量だけ購入できました。
おいしい食材をつくる生産者さんの想いをダイレクトに消費者へ伝えたい
HACARIが大切にしていることを、代表の片山さんに聞いてみました。
片山さん「生産者が食材を育てる想いは、どんな栽培方法であれ、食べ物に変わりはなく、全て平等に扱われるべきだと思っています。そのため、HACARIでは、形も栽培方法も様々な野菜をおいているんです。
お客様も、食べておいしいという素直な気持ちでいらっしゃる方が多いです。スーパーに置く場合、規格に則った形大きさで選別されてしまいますが、量り売りの形式にすることで、様々な形の商品をおいても見た目や形に違和感なく購入でき、買う人も楽しめて、生産者の為にもなると思っています」
野菜は本来、味も見た目もそれぞれの個性があるもの。その個性を通して、生産者さんのこだわりとお客様の笑顔をつないでいることがわかりますね。
プラスティック問題も視野にいれて
また、片山さんは環境問題も視野に入れていました。
片山さん「野菜を長持ちさせる機能もあり、プラスティックの包装はなかなか切り離せない存在です。しかし、環境のためにもその利用を減らしていくべきだと考えています。
今は何か解決策は無いか模索している最中ですが、一つ考案しているのは、綿素材で野菜の劣化も防げるきんちゃく袋を作って販売していくことですね」
HACARIとしてできることを考えながら取り組んでいらっしゃるようです。
なかなか解決が難しい環境問題でも、小規模のお店だからこそできる事もある!これからのHACARIさんの取り組みも期待したいですね。
住所:東京都目黒区中目黒 4-4-10 1F 営業時間: 9:00~17:00( 火〜金 ) 9:00~18:00( 土、日 ) 不定休 アクセス:東急東横線 中目黒駅・JR 目黒駅 どちらも徒歩15分 HACARI :https://store.hacari.jp/ 代々木公園駅近くに日曜日だけオープンするnue by totoya(ニュ バイ トトヤ)さん。 ここはヨーロッパ産のオーガニック食材をメインに、量り売りで購入できるお店です。 小麦や塩、オートミール、ホワイトアーモンドやクルミ等のナッツ類に、クランベリーやバナナ等のドライフルーツ、オリーブオイル、蜂蜜など、全てが透明な壺やタンクにぎっしり詰まって販売されています。 店舗に買いに来る人は当たり前に容器や瓶を持参している光景が斬新でした。 地域の子供たちも、袋を持参してスコップで商品を容器に入れており、どこかおしゃれな駄菓子屋さんのような雰囲気もあります。 お店の中では、オーガニックコットンの袋やはちみつや塩を入れる瓶、ステンレスストローの販売も行っており、プラスティックフリーの暮らしのきっかけを作れるお店になっていました。 店舗責任者の堀さんに、そのこだわりについてお話を伺いました。 堀さん「日本では、プラスティック包装をすることが当たり前。ゴミが増えてしまう仕組みになっていることに気づくきっかけが少ないのが現状です。 量り売り文化が今でも根付いているヨーロッパの仕組みを日本でも広めてきたいというところから、このお店が始まりました」 日本にも、お店に容器を持参してお肉、お魚、お豆腐などを購入する事が当たり前だった時代がありました。 便利さに慣れてしまっている私たちも、量り売りのお店が身近に増えていけば、容器持参が自然と暮らし浸透していくのかもしれないと、希望が持てました。 堀さんには、未来に対する思いも伺いました。 堀さん「量り売り生活が当たり前になり環境付加の軽減に繋がることももちろんですが、想いのこもった商品を手にすることで、ものを大切にする生活が浸透し、それを楽しめる暮らしが広がってほしいと考えています。 『オーガニックって何が身体にいいの?』って知らない人は沢山います。その意味をわかっていない人が多いから値段も高く感じるし、消費も増えない。 でも、このお店からたくさんの人が“本当の意味”を知ることで、生産者さんのファンも増えて、消費も増えることが幸せです。それを手軽にできるお店を増やしていきたいですね」 量り売りが当たり前になる生活を広めるために、現在も店舗を増やすための研修などを進めているそうです。 住所:東京都渋谷区代々木5-60-2(Wonderland内) 営業時間:毎週日曜日12:00~18:00 アクセス:東京メトロ千代田線 代々木公園駅 徒歩10分、小田急線 代々八幡駅 徒歩10分 nue by totoya https://www.nuebytotoya.com/ その他、量り売りで食材が購入できるお店 先ほど紹介したお店以外にも、個性的な量り売りのお店が徐々に増えてきています。都内近郊で、筆者自身が実際に訪問してみてよかったお店を紹介します。 パリ生まれのオーガニック商品専門スーパー。 海外のオーガニック食品を中心に、生鮮野菜やお肉、調味料、加工品など普段使いできる商品を多く取り揃えています。日本のオーガニック商品もおいてあります。 国内1号店である麻布十番店では、セントラルキッチンがあり、その場で作られたオーガニック総菜やお菓子も購入することができます。 ビオセボン麻布十番店 住所:東京都港区麻布十番2-9-2 営業時間:9:00~22:00 年中無休 アクセス:都営地下鉄大江戸線(7番出口)、東京メトロ南北線(4番出口) 麻布十番駅 徒歩3分 神奈川県内に3店舗を構えるフーズマーケット。 オーガニックドライフルーツや、その場で作れるピーナッツバター、オリーブオイルなどを販売しています。基本容器持参ですが、1袋1円で紙袋を購入できるので、急な購入も安心です。洗剤の量り売りもしています。 バルクフーズ 元住吉店 住所:神奈川県川崎市中原区木月祇園町7-13 メゾンSK102 営業時間:10:00~17:30 定休日 木曜日 不定休 アクセス:東急東横線 元住吉駅西口から徒歩約8分 バルクフーズ 新丸子店 住所:神奈川県川崎市中原区新丸子町769 営業時間:11:00~ 20:00 定休日 木曜日 不定休 アクセス:東急東横線 新丸子駅西口から徒歩1分 国産のお酒をメインに販売しているお店です。自然栽培で育てられた麦や米、芋から作られた焼酎が多く取り揃えてあります。 日本酒、ワインもあり要望があれば、好きな量で量り売りしてくれます。また、お酒に合うナッツやドライフルーツ、塩やオリーブオイルなども量り売りしているので、お酒に合わせておつまみを考えるのも面白いですよ。 住所:東京都港区西麻布2‐25‐11 1F 営業時間:不定休(筆者が訪問した時は11時30分~でした) アクセス:東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩10分 東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩8分 環境問題が世の中で身近になってきて、なるべくゴミを出さない生活を意識している人たちも増えてきている中、それを実践できるお店が少ないのが現状です。 量り売り店舗の数は少ないですが、このようなお店で商品を購入することで、プラスティックフリーや食品ロスの削減に繋がります。 また、消費者も生産者も販売者も、かかわる人たちがみんな気持ちのいい消費サイクルができることがわかりました。それが環境負荷の削減にも繋がっているのです。 皆さんも、少量から購入できるお店を見つけたらぜひ、試してみてくださいね。 また、量り売り専門店以外にも、自分の好きな食材を好きなだけ購入できる、オンライン通販でのお買い物なども食品ロスの取り組みにつながります。気になる方はぜひサイトものぞいてみて下さいね。 ▷食べチョクを見る ウェブメディア運営兼ライター。田舎育ちの感性から、”食材はありのままがおいしく、身体に良い影響を与えてくれる”。この想いが伝わるような記事を発信したいと思います!代々木 nue by totoya
お客さんは、容器持参があたりまえ
量り売りがあたり前になる暮らしを広めたい
ビオセボン
バルクフーズマーケット
兎と虎
まとめ
好きな食べ物は大豆。