「長芋」と聞いて一番に思いつく特徴はなんでしょう……?
多くの人はとろろのように、皮をむくと現れるその独特な粘り気を思いつくのではないでしょうか。
実は、唯一生食できるイモとしても有名な長芋。長芋は栄養素が豊富に含まれており、ダイエットや健康食品としても注目を集めています。
今回はそんな長芋の秘密、そしておすすめの食べ方についてを、管理栄養士兼フードコーディネーターの麻友美がご紹介します。
長芋ってどんな野菜?
長芋の旬は、11~12月と3~4月の2回。それぞれ「秋掘り長芋」と「春堀り長芋」と呼ばれます。
長芋はヤマノイモ科・ヤマノイモ属に分類され、きめが粗く、他のイモ類と比べて水分量が多いのが特徴です。身近なスーパーでも手に入りやすく、馴染みのある品種です。
同じヤマノイモ属には、自然薯(じねんじょ)という品種も存在します。
基本的な栄養素は長芋と似ていますが、長芋よりも粘りが強く、うまみが濃い品種です。
この他にも、げんこつのような形をしているつくねいも、平たくいちょうの葉のような形のいちょういもなどがあります。
栄養素の宝庫!長芋に含まれる成分とは?
長芋の特徴といえば、あの粘り気。
この独特な粘り成分には、胃の粘膜を保護するだけでなく、タンパク質の消化吸収を助けてくれる効果が期待できます。
この他にも、疲労回復効果等のあるビタミンB1や、むくみの改善や血圧を正常にする効果等のあるカリウムなどの栄養素もバランスよく含まれています。
中国では漢方薬として利用されているほど、ダイエットや健康食品として人気の野菜なのです。
生でシャキとろ。加熱でホクホク。長芋の食感の秘密とは?
ダイエットや健康食品としても人気の栄養満点な長芋。
ですが、特に筆者が注目するのは加熱や切り方で長芋の食感が変化するところです。
ひとつの野菜で刻む、すりおろす、生で、焼く、煮込む……さまざまな味わいを楽しむことができます。
まずは切って生でいただく
皮をむいて包丁で細く切ると、シャキシャキとした食感と粘り気を楽しむことができます。
甘酢を作り、和えてごまをかけるのもよし、梅や白だしと和えてかつお節をかけるのもシンプルでおいしいですよ。
短冊切りにして甘酢で和えてごまをぱらり。
とっても簡単だけどさっぱりしているのでパクパク食べれます。箸休めとしても◎
~今回作った甘酢のあわせ調味料~
酢:醤油:砂糖=2:1:0.5の割合で混ぜ合わせました
お次はすりおろしてそのまま食べてみる
長芋の代表的な食べ方といえば「とろろ」。
その名の通り、とろとろとした食感を楽しむことができます。だし汁・醤油・みりんを加えてそばのトッピングにしたり、麦ごはんにかけても相性抜群です。
とろろのおかげで食べやすく、食欲が進みますよね
加熱調理!切って焼いて長芋ステーキに!
皮をむいてそのまま輪切りにし、フライパンで焼いてみます。
強火でさっと焼くとサクサクとした食感。弱火でじっくり焼くとホクホクとした食感に変化します。
鍋に入れてお肉や野菜などと煮込む場合も、煮込み時間による食感の変化を楽しめますよ。
5mm幅に切ってこんがり焼いて塩をぱらり。それだけでもう絶品です。きのこ等と一緒に焼いてバター醤油にするのも◎
すりおろして焼いてみるのはいかが?
「お好み焼きにすりおろした長芋を入れるとふっくらする」そう聞いたことはありませんか。
すりおろした長芋を加熱すると、ふわふわとした食感が楽しめます。
長芋のすりおろしに、だし汁・醤油・みりんを加えて(めんつゆも可)、片栗粉を入れて混ぜ合わせます。あとはフライパンで焼くだけです。もちろん、お好み焼きなどに入れるのもピッタリです。
明太子などとも相性抜群ですね。
~今回作ったレシピ~
*材料(直径15cmのスキレット使用)
・長芋 150g
・めんつゆ 大さじ1
・片栗粉 大さじ1
・トッピング(ねぎ・かつお節など) 適量
・ごま油 小さじ1
*作り方
①皮をむいた長芋をすりおろし、めんつゆ・片栗粉を入れて混ぜ合わせます。
②熱したスキレットにごま油をひき、①を流しいれて蓋をし、弱火で3分程焼きます。
③ふっくらしたら火からおろし、お好みでねぎ・かつお節などをかけたら完成です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
長芋はさまざまな栄養素が豊富に含まれており、消化吸収を手助けしてくれる優れもの。
冬の旬の季節にたくさん買って、焼いたりすりおろしたり、様々な食べ方に挑戦してみてくださいね。
この時期おすすめの長芋はこちら!
『大容量1キロ入り』
甘み、ネバリが強い春堀の長芋。
今回ご紹介した調理法で
長芋のさまざまな食感をお楽しみください!!
参考
・からだにおいしい 野菜の便利帳
・青森県農林水産部総合販売戦略課 あおもり産品情報サイト(旬)
https://www.umai-aomori.jp/season-report/seasonal/nagaimo_201612.html
・アリナミン(ビタミンB1)
https://alinamin.jp/tired/kotsu/taisyo8.html
・道産農水産物の機能性等に関する資料 – 北海道
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/sss/ks/301122kinouseishiryou.pdf
・日本食糧新聞
https://news.nissyoku.co.jp /hyakusai/hgs-113-0018?
・サントリー(カリウム)
https://www.suntory-kenko.com/contents/aginglabo/shoujou/11/
・グリコ(カリウム)
https://jp.glico.com/navi/dic/dic_06.html
・千葉県栄養士会(食物繊維)
https://www.eiyou-chiba.or.jp/commons/shokuji-kou/preventive/ benpi/
滋賀県出身。管理栄養士・フードコーディネーター。「頑張る人たちを食で支えたい。毎日の小さな幸せを届けたい。」の思いを形にするべく、働きながらレシピ作成やライターとしても活動中。食と旅行が大好きな人。