藤稔とは
藤稔は、神奈川県藤沢市の農園で誕生した品種です。大粒かつ、輸送性・貯蔵性の良いぶどうを作りたいという生産者の思いから、「井川682」と「ピオーネ」を交配して生まれました。
「藤沢で稔った(実った)」ことから「藤稔」と名付けられ、1985年に品種登録されています。
藤稔の旬は8月。主な生産地は山梨県で全体の約34%を占め、2位は兵庫県、3位は神奈川県です(2018年 農林水産省統計)。また山梨県では「大峰」という名称で販売されていることもあります。
藤稔の特徴
【大きさ】
藤稔の特徴と言えば、実の「大きさ」。500円玉と比較するとその大きさがわかります。実によってはゴルフボールほどのサイズになるものも。
藤稔の実は黒ぶどうのなかでも最大級と言われ、1粒が20g以上、大きいものは30gを超えることもあります。
【味】
果肉はやわらかく、酸味が少ないぶどうです。滴るほど果汁が多く、甘くて濃い味わいが特徴。
選び方
藤稔を選ぶときのポイントは次の3つ。
1.全体的に色が濃く、ふっくらして粒に張りがある。
2.皮にブルーム(白い粉)がしっかりついている。
3.軸が緑色をしている。
表面についている白色のブルームは、ぶどうが作り出す天然成分です。ぶどうを病原菌から守り、水分の蒸発を防いで鮮度を保つ役割があります。ブルームがついているぶどうは新鮮な証拠です。
保存方法
ぶどうは常温でも保存可能ですが、あまり日持ちしません。乾燥しないようにビニール袋や新聞紙、ラップなどで包み、冷暗所もしくは冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
ブルームを落とすと鮮度が急激に失われるため、食べる直前に水洗いするのがおすすめです。
藤稔のおいしい食べ方
そのまま食べる
食べる30分ほど前に冷蔵庫から出して常温に置いたほうが甘みを感じやすくなります。食べる直前に水洗いしてください。
藤稔は皮が厚いため、皮をむいて果肉だけを食べるのが一般的です。穴が空いた軸側からではなく反対側に十字の切り込みを入れてむくと、写真のように簡単に皮をむくことができます。
冷凍して食べる
藤稔は冷凍してもおいしく食べることができます。暑い日のおやつや食後のデザートにおすすめです。
〈作り方〉
1.ハサミを使い、軸を2〜3mm残して1粒ずつ切り離す。
2.密閉袋に入れて、冷凍庫に3〜6時間入れて凍らせる。
3.食べる直前に水洗いして軸を取り、皮をむく。
食べる直前に水洗いすることで、つるんと皮がむきやすくなります。常温に5〜10分置いておくと外側はやわらかく、中は冷んやりとしたシャーベットのような食感を楽しめますよ。
藤稔のコンポート
生のまま食べるのとはまた別の味わいになり、かつ藤稔のごろっとした感じを楽しめるひと品です。
〈材料〉
・藤稔…200〜250g
・水…200cc
・グラニュー糖…40g
・レモン汁…大さじ1/2
〈作り方〉
1.藤稔の実を房から外し、水洗いして皮をむく。
2.鍋に皮、水、グラニュー糖を入れて中火で煮る。
3.皮からぶどうの色が出たら火を止め、ザルで濾して皮を取り出す。
4.実を入れて弱火で5分煮る。
5.火からおろし、粗熱が取れたら清潔な保存容器に入れて冷蔵庫でしっかり冷やす。
ワイン不使用なのでお子様も食べられますよ。ヨーグルトやバニラアイスに添えて食べるのもおすすめです。
まとめ
いつもとは違う品種のぶどうを食べてみたい、ジューシーで満足感のあるぶどうを食べたいという方は、ぜひ藤稔をお試しください。1粒食べると、口の中が果汁と甘い果肉でいっぱいになり食べ応え満点です。
旬の藤稔を農家さんから直接購入することができます。ぜひチェックしてみてくださいね。
参考
藤稔発祥の青木果樹園 https://kazyuen-aoki.com/breeding-varieties/about-fujiminori/
e-start政府統計の総合窓口 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500503&tstat=000001020907&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001032892&tclass2=000001150626
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1905_06/spe1_06.html
古郡果樹園 https://furugoori.com/