「小松菜」とは
江戸時代、東京都の江戸川区にある小松川周辺で栽培されていたことから名がついたといわれる「小松菜」は、8代将軍吉宗が名付けたという説もある、冬を代表する葉野菜。江戸川区には当時から代々続く小松菜農家も多く、現在でも全国有数の小松菜の生産地です。
ほうれん草の仲間だと思われがちですが、ヒユ科のほうれん草に対し、小松菜はアブラナ科。チンゲン菜やキャベツ、大根などの仲間です。鉄分やカルシウムが豊富で、アクのもととなるシュウ酸が少ないため、下処理なしでも食べやすい野菜です。
おひたしや炒め物、煮物などにも重宝し、グリーンスムージーに使いやすい葉野菜としても人気があります。色はきれいなグリーンになりますが、クセがないので飲みやすいのです。
「サラダ小松菜」「ちぢみ小松菜」
一般的には加熱して食べるイメージが強い小松菜ですが、生食向きの「サラダ小松菜」もあります。
見た目は普通のものと似ていますが、少し茎が細いです。
上:小松菜 下:サラダ小松菜
普通の小松菜に比べ、えぐみなどが少なくて葉もやわらかいので、サラダにするとシャキシャキした味わいを楽しむことができます。
また、冬の寒さにさらす「寒締め栽培」された「ちぢみ小松菜」もあります。
普通の小松菜に比べて葉が縮れて少し厚みがあり、色も濃くなります。最近では品種改良によるちぢみ品種もあります。
上:小松菜 下:ちぢみ小松菜
甘みが強くて味が濃いので、煮びたしなら調味料は少量でよいでしょう。
「小松菜」の選び方と保存
葉は鮮やかな緑色でみずみずしく、形は丸みがあって大きすぎないものが良いでしょう。茎は葉先までピンと張り、長さがそろっているものが好ましいです。
保存する際は、湿らせたキッチンペーパーなどで包んでポリ袋などに入れ、野菜室に立てて入れましょう。
小松菜のおすすめレシピ3選
小松菜と豚肉のピリ辛スープ
〈材料〉2人分
・小松菜 100g
・豚バラ肉 100g
・ニンジン 50g
・ニンニク 1/2片
・ショウガ 1/2片
・ごま油 大さじ1
・水 400ml
・豆乳 大さじ2
・白いりごま 適量
・ラー油 お好みで
・調味料(混ぜておく)
-酒 大さじ1
-鶏がらスープの素 大さじ1
-醤油 小さじ2
-オイスターソース 小さじ2
-味噌 小さじ2
-豆板醤 小さじ1
〈作り方〉
1.小松菜は3センチ幅に切り、ニンジンは小松菜の茎と同じくらいの大きさの短冊切りにする。ニンニクとショウガはみじん切りにする。
2.鍋にごま油とニンニク・ショウガを入れて火をつけ、香りがたったら豚肉を加えて炒める。
3.豚肉の色が変わってきたら、ニンジンを加えてさっと炒め、水を加えてひと煮立ちさせ、アクがあれば取る。
4.火を弱め、小松菜の茎と合わせ調味料と入れて混ぜる。
5.小松菜の葉と豆乳を入れてさっと煮て、葉がしんなりしたら器に盛り、白いりごまとお好みでラー油をかける。
ピリッとした辛みで身体が温まる、これからの時期にピッタリなスープです。茹でると栄養分は逃げてしまいがちですが、スープなら逃さず摂取することができます。
辛いものが苦手な場合は、豆板醤を入れずに味噌を増やすと良いでしょう。
小松菜とツナの酢の物
〈材料〉2人分
・小松菜 100g
・えのき 100g
・ツナ 1缶
・醤油 大さじ1
・酢 大さじ1
・砂糖 大さじ1/2
〈作り方〉
1.小松菜は3センチくらいの長さに切り、えのきは石づきを取って半分に切り、ほぐす。
2.たっぷりの水を沸騰させ、先に小松菜の茎を入れて約1分、その後葉を入れて約1分茹でる。えのきは1分程度茹でる。
3.ボウルに水気を切った小松菜とえのきを入れ、油を切ったツナと、醤油・酢・砂糖を加えて和える。
1品足りない時にサッとできる簡単箸休めです。
茹でた小松菜の水気が残っていると味がボケてしまいます。しっかり水を切るようにしましょう。冷めてからだと調味料の味が入りにくいので、水気を切った後は早めに和えるのがコツです。
小松菜とバナナのお豆腐マフィン
〈材料〉4個分
・小松菜 50g
・バナナ 100g(約1本)
・絹ごし豆腐 150g
・ホットケーキミックス 150g
・サラダ油 20g
〈作り方〉
1.小松菜は細かく刻み、フードプロセッサーやすり鉢などでペースト状にする。
2.ボウルにバナナを入れてフォークの背などを使ってつぶし、さらに豆腐を入れて全体がねっとりなじむまで混ぜる。
3.1とサラダ油を入れて全体が均一になるまでしっかりと混ぜる。
4.ホットケーキミックスを加えてさっくり混ぜ、カップに入れる。
5.180度に予熱したオーブンで約25分焼く。竹串を指して何もついてこなければ焼き上がり。
卵やバターを使わずに作れるスイーツです。油は別のものでも良いですが、なたね油や米油など、あまり香りが強くないものを使ってください。
ふわっと仕上げるためには混ぜすぎないよう注意が必要です。ギリギリ粉っぽさがなくなるくらいがちょうど良いです。
まとめ
年間通して売り場に並ぶ「小松菜」は、生食はもちろん、どんな調理法でも味わえる万能野菜。特に冬の時期には甘みが増して味も濃くなります。
また、生のまま冷凍して楽しむ方法もあり、過去の記事でご紹介しています。よろしければそちらもチェックしてください。
▼過去の記事はこちら
冷凍小松菜活用術!美味しく食べ切り、時短料理にも!【レシピ付き】
旬の小松菜、さまざまな方法で活用しながら楽しんでくださいね。
参考
文部科学省(食品成分データベース) https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=18566
JAグループ https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=15
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=111
小松菜丸果石川中央青果 http://www.maruka-ishikawa.co.jp/vegetables/items002/komatsuna.htm
江戸川区 https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/30374/komatsunaryoku.pdf
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/shigotosangyo/jigyosha_oen/nogyo_suisan/hana_calendar/k/komatsuna_erai.html
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。