昆布とは
昆布が日本全国に広まったのは江戸時代のこと。
「昆布ロード」と呼ばれる航路により、北海道から各地に運ばれ、昆布がもたらされた土地でさまざまな料理や食べ方が生まれました。
昆布は寒い海の中、水深5〜8mの場所で繁殖し、約2年ほどかけて収穫可能な大きさまで成長します。
昆布漁の最盛期は7月から9月にかけて。昆布が1日で干し上がるような天気の良い日に漁が行われます。
日本で食べられる昆布の約90%が北海道産です。その他、東北の一部でも収穫され、地域によって獲れる種類が異なり、味や香り、食感が違うという特徴があります。
昆布の種類
昆布にはさまざまな種類がありますが、ここでは主な7種類をご紹介します。
だしによく使われるのが、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布の4種類です。
真昆布:上品な味わいで、澄んだ色のだしが取れる。肉厚で幅が広い。高級品。主にだし、佃煮、塩昆布などに使われる。
羅臼昆布:黄色みを帯びた、濃厚で香り高いだしが取れる。高級品。主にだし、昆布締め、おやつ昆布などに使われる。
利尻昆布:透明で風味の良いだしが取れる。京都の会席料理で使用されることが多い。主にだし。塩昆布、とろろ昆布などに使われる。
日高昆布:こくのある味わい。柔らかくて早く煮上がる。だしにも食用にも使える。だし、昆布巻き、おでん用、佃煮などに使われる。
暑葉昆布:幅が広く肉厚。加工用として利用されることが多い。昆布巻き、佃煮、酢昆布などに使われる。
長昆布:長さは6〜15m。生産量が最も多く、加工されることが多い。佃煮、おでん用、昆布巻きなどに使われる。
細目昆布:幅が細く、粘りが強い。とろろ昆布、きざみ昆布などに使われる。
基本の昆布だしの取り方
昆布だしは上品で控えめな味わいが特徴で、素材の味わいをいかした料理に最適です。
毎日のお味噌汁や湯豆腐、茶碗蒸しにぜひどうぞ。
〈材料〉作りやすい分量
・だし昆布(真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布)…20g程度
・水…1L
〈作り方〉
1.昆布の表面を、固くしぼったふきんでさっと拭く。
2.鍋に分量の水を入れ、昆布を30分程浸す。
3.鍋を弱火〜中火にかけ、沸騰直前で火を止めて昆布を取り出す。
昆布の表面に白い粉が付着していることがあります。これはマンニットと呼ばれる昆布のうまみ成分ですので、水で洗い流さないようにしましょう。
また、昆布をぐつぐつと煮込むと粘り成分が溶け出して風味が損なわれやすくなるので注意が必要です。
だしを取ったあとの昆布は、ふりかけにしたり佃煮にしたり、ちょっとした工夫でおいしく食べることができます。
昆布を使ったアレンジレシピ3選
昆布だしピクルス
昆布だしを使っているので、旨味たっぷりのピクルスに仕上がります。
〈材料〉作りやすい分量
A 昆布だし…100cc
A 米酢…100cc
A 塩…小さじ1
A 砂糖…大さじ2
お好みの野菜(にんじん、きゅうり、ミニトマト、カラーピーマンなど)…250g程度
〈作り方〉
1.Aの材料を小鍋に入れて火にかける。砂糖と塩が溶けたら、火を止めて粗熱をとる。
2.野菜は食べやすい大きさに切る。にんじんなど固い野菜は、沸騰した湯で1〜2分ゆでて水気を切る。
3.熱湯消毒した保存瓶に野菜を入れ、冷めたピクルス液を注ぎ入れる。ふたをして瓶を振ってなじませる。冷蔵庫で一晩寝かせる。
だし昆布のきんぴら
だしを取ったあとの昆布を活用してきんぴらを作ります。もちろん市販の刻み昆布でもお作りいただけます。
〈材料〉2人分
だしを取ったあとの昆布…60g
にんじん…60g
さつま揚げ…50g
A 酒…大さじ1
A 醤油…大さじ1
A みりん…大さじ1
A 砂糖…小さじ1/4
A 昆布だし…大さじ2
白炒りごま…適量
ごま油…大さじ1
〈作り方〉
1.昆布は細切りにする。
2.にんじんとさつま揚げは5mm幅の細切りにする。
3.鍋にごま油を熱し、昆布、にんじん、さつま揚げを加えて中火で1分程炒める。
4.鍋にAの材料を加え、中火にかけて煮汁がなくなるまで1〜2分煮る。最後にごまを加える。
とろろ昆布とえのきの豚バラ巻き
脂がのった豚肉にとろろ昆布の塩気と旨味がよく合います。えのきのシャキッとした歯応えもお楽しみください。
〈材料〉2人分
豚バラ肉…150g
えのき…1袋(100g)
とろろ昆布…10g
塩…適量
こしょう…適量
小麦粉…大さじ1/2
刻み青ネギ…少々
ポン酢…適量
〈作り方〉
1.えのきは石づきの部分を切り落とし、半分の長さに切る。
2.豚バラ肉を広げ、塩とこしょうを軽くまぶす。とろろ昆布を豚肉全体に広げ、えのきを手前に置いて巻く。小麦粉を全体にまぶす。
3.ごま油を入れて熱したフライパンに、豚肉の巻き終わりを下にして入れる。蓋をして中火で7分程、時々返しながら中に火が通るまで焼く。
4.皿に盛り付けて、ポン酢をかけて刻んだ青ネギを散らす。
まとめ
毎日のだしに使うなら、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布などがおすすめです。
昆布は使う種類によって味わいが異なります。いろいろな昆布を試し、ぜひお気に入りのものを普段の料理に活用してくださいね。
参考
北海道漁業協働組合連合会 https://www.gyoren.or.jp/konbu/pdf/all.pdf
特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター https://www.umamiinfo.jp/
北海道ぎょれん https://www.gyoren.or.jp/konbu/
株式会社くらこん https://www.kurakon.jp/ency_kombu/03.html
一般社団法人 日本昆布協会 https://kombu.or.jp/power/dashi