マクロビオティックとは
マクロビオティックという言葉は大きいという意味の「マクロ」、生命の「ビオ」、術や学という意味を持つ「ティック」という3つの言葉から作られた造語で、長生きするための食事法をメインとした教えのことを言います。
マクロビオティックの食事法は住んでいる土地で採れる食材や、季節に合った旬のものを食べることを基本としています。
食事の大半は玄米などの穀物、野菜などのおかずにあたるものは少量に抑え食べ過ぎないようにし、よく噛んで食事をすることもマクロビオティックのポイントのひとつです。
よくある勘違いとして肉や魚などの動物性食品はNGと思っている方も多いようですが、マクロビオティックの教えでは肉や魚を食べてはいけないとは言われていません。
もちろん食べ過ぎはよくないのですが、動物性食品も含めたバランスの良い食事を摂ることが理想とされています。
日本人が確立させたマクロビオティック
海外セレブなどの間で流行ったことから、外国から来た食事法と思われる方も多いかもしれません。
でも実は食事療法を研究していた桜沢如一(さくらざわゆきかず)が体質改善の食事法として提唱し、確立させたのがマクロビオティックの始まりとされています。
もう一人マクロビオティックを語るうえで欠かせないのが、桜沢氏の下で勉強していた「久司道夫」です。
久司氏はアメリカなどでマクロビオティックの普及活動を行い、マドンナやジョン・レノンなど数々の著名人にマクロビオティックの食事法を指導したことでも知られています。
3つのキーワード
ここではマクロビオティックを深く知るうえで欠かせない3つのキーワードをご紹介します。
身土不二(しんどふじ)
元々は仏教の言葉である「身土不二」ですが、マクロビオティックの世界では重要なキーワードです。簡単にいうと、住んでいる土地で採れた食べ物を食べようという意味で、体(身)と環境(土)は繋がっている(不二)ということを表しています。
一物全体(いちぶつぜんたい)
一物全体とはひとつの食べ物をまるごと食べようという意味です。野菜の皮や根、種など普段は捨ててしまう物の中には栄養がたくさん含まれているため、マクロビオティックでは皮や根、種なども全て食べることを推奨しています。
陰陽調和
陰陽とは東洋で古くから利用されている考え方ですが、マクロビオティックの世界でも陰陽のバランスを重要視し、食べ物を選ぶ際の目安としているのです。
例えば動物性の食べ物や暖かい地域で採れる物は陰性、植物性の食べ物や寒い地域で採れる物は陽性に当てはまります。その他にも色や形、成分など様々な要素から陰陽の性質を分けることができます。
マクロビオティックの基本とも言える玄米
「玄米菜食」とも言われているマクロビオティックの食事において、玄米は基本的な食品のひとつです。
重要なキーワードの「一物全体」に当てはまっていて、白米と比べてもビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれているヘルシーな食品としても知られています。
完全栄養食とも言われるほど栄養価が高い玄米を主食にすればたくさんのおかずを食べる必要がなく、マクロビオティックで推奨されている穀物中心の食事を実現することが可能になります。
玄米の美味しい炊き方
普段白米を食べている方にとって玄米は食べづらいというイメージを抱いている方も多いと思います。ここでは玄米を美味しく食べることができる圧力鍋を使用した炊き方をご紹介します!
<材料>
・玄米‥2合
・塩(自然塩が好ましい)‥小さじ½
・水‥400ml
玄米の洗い方~吸水
玄米は白米のように研ぐ作業は必要ありません。軽く洗って浮いてきたゴミなどを取り除き、7時間以上浸水させたら一度ザルにあげ水気をしっかりと切ります。
圧力鍋で炊く方法
吸水させて水気を切った玄米を圧力鍋に入れ、分量の水と塩を加えたら優しくかきまぜて塩を溶かします。
圧力鍋の蓋をきっちりと閉めたら強火にかけ圧力がしっかりかかったら、弱火にして20分加熱し、火からおろし10分ほど蒸らして出来上がり。
玄米を美味しく炊くポイントは少量の塩
塩を入れることで吸水しやすくなりもちもちとしてやわらかく、美味しい玄米を炊くことができます。
圧力鍋で炊く玄米は失敗が少なくもっちりとして食べやすいため、玄米が苦手という方でもチャレンジしてみることをおすすめします!
圧力鍋がない場合など炊飯器で玄米にチャレンジしてみたい!という方はもちきびや黒米などの雑穀と一緒に炊くことでもちもちとした食感になり美味しく食べることができますよ。
体に現れる変化は?
マクロビオティックの食事法では玄米や雑穀などの穀物を中心に海藻や野菜をバランスよく食べています。
このシンプルな食事は日本人が古くから当たり前に食べてきた物ばかりです。動物性の食品や、ファストフードなど味の濃い食べ物を控えた食事にすることで健康維持にも繋がります。
また、玄米などの歯ごたえのある食品はよく噛むことで胃腸への負担を減らせるだけでなく、唾液を増やし虫歯や歯周病が防げるという嬉しいメリットも。
しっかり時間をかけて噛むことで食べ過ぎを抑えることができるのでダイエット中の食事に取り入れてみるのもおすすめです!
できる範囲で実践してみよう!
いざマクロビオティックを始めるとなってもルールや決まりが多く続けられるか不安になる方も多いと思います。
いきなり初めからストイックに実践しようとすると、逆にストレスになってしまうこともあり体にも心にもいい影響はもたらせません。
食べにくいと言われることの多い玄米も、圧力鍋で炊くことでふっくらとして白米に近い味わいに。
厳格に始めるのではなく、週1でトライしてみたり、食事の中で1品だけマクロビオティックのレシピで作ってみたりするのがおすすめです!
白ごはん.com
https://www.sirogohan.com/recipe/genmai/
正食協会
https://www.macrobiotic.gr.jp/
SARAスクールJAPAN
メディカルライス協会
サンマルツァーノトマトに出会い家庭菜園を始めた半農半ライター。農業、食、アウトドアを中心にライターとして活動中。主に固定種の野菜を育てています。