フラワーロスとは?
「フラワーロス」とは、花卉(かき)類※の廃棄のことを指します。フラワーロスはおおよそ2種類に区分されます。※花卉:主に観賞用の花、草、木
①冠婚葬祭の会場で使われ、イベントが終了すれば不要になる花。
②形や色が規格外で市場に出回ることのない花。
入学式、成人式、結婚式、店舗のポップアップイベントなどでその場の雰囲気を一新し、癒しや感動を与えてくれる花卉。しかしイベントが終わった後、ほとんどの花卉はそのまま廃棄されてしまいます。
また、母の日やクリスマスなどの年中行事で、需給見込みが読めないために、大量に出荷して、思った以上に売れなく、最終的に廃棄されてしまうことも。
さらに、規格外と判断されてしまい廃棄される花卉が多くあります。花は嗜好品と考えられるため、見た目がとても大切です。色味や花や葉っぱの伸び具合など、出荷できる花の基準は厳密で、市場に出ることができない花卉がたくさんあります。
フラワーロスを利用した取り組み
イベントで使われなくなったものや規格外で行き場を無くしても、価値のある花はたくさんあります。そんな花を活用した取り組みがあります。
チャンスフラワー
本来であれば1本300円くらいする切り花。これが規格外という理由により、1本100円から購入できます。
実店舗はなく、協力してくれる店舗さんの店頭をお借りしてその日限りの間借り花屋として現れます。いつもは店頭に花を置かないお店でも取り扱われています。花があるだけでそのお店にも立ち寄りたくなってしますよね。
その月々で、どんな花があるのかどこの店舗さんで買うことができるのか、スケジュール表を確認して近くの店舗に行くこともできます。あなたの住んでいる街にももしかしからチャンスフラワーがあるかもしれません。
株式会社hanane:https://hanane.co.jp/chanceflower/
フラワーサイクリストによるロスフラワー再利用の取り組み
イベントなどで使用済みの花に再び命を吹き込み、ドライフラワーにして空間装飾(店頭のオブジェ)やアクセサリーに仕上げます。最近では「花育」と題し、大人から子供まで参加できる、廃棄される花を考えるオンラインイベントなどにも取り組んでいます。花の利活用のプロをフラワーサイクリスト※といいます。
※フラワーサイクリスト:flour+UPcycleを組み合わせた造語。「サイクリスト」は環境用語である「アップサイクル」からの造語で、ものづくりの力で廃棄品にさらなる価値を与えることを意味する
RN loss flower:https://lossflower.com/
花を長持ちさせるコツ
生産者さんから愛情を注いで丁寧に育てられた花たち。少しでも長持ちさせてあげたいですよね。花の中でも特に切り花は寿命が短いです。そんな切り花を長持ちさせるコツを、日光市の「日光園芸」さんに伺いました。
1.水を毎日変える。
2.3日に1回くらいの頻度で、軸の一番下を2,3㎝ほど切る。
3.直射日光を避け、風通しのいい場所に設置する。
ポイントは水に含まれるバクテリアが原因で起こる腐敗を少しでも防ぐことです。腐敗を対処してあげることでお花が長生きすることができます。また、元気のない花には茎の軸を斜めに切ることが有効的です。水の吸い上げがよくなり長持ちします。
寒冷地にお住まいの方は、冬場はお水が凍らないように温度管理してあげることもポイントです。
まとめ
イベントを輝かせる為に生産者が丁寧に育てている花卉類にも、食品同様に廃棄問題があります。この記事を通してこのような廃棄問題を意識するきっかけになればいいなと思います。
手軽に購入できるチャンスフラワーなどを利用して、花がある暮らしの体験をしてみるのもいいかもしれません。
フラワーライフ振興協議会:https://flower-life.org/
農林水産省,花き振興コーナー:https://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/index.html
ウェブメディア運営兼ライター。田舎育ちの感性から、”食材はありのままがおいしく、身体に良い影響を与えてくれる”。この想いが伝わるような記事を発信したいと思います!
好きな食べ物は大豆。