タイ料理・シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
海外に気軽に行けない今、海外在住の友人のSNSを見て、行けるようになったらどこに行こうか、と妄想しています。
その中で「農民市場で買ってきました」と、アーティチョークが山積みになった画像が公開されていて「何でも手に入るはずの日本で、何故にアーティチョークが希少価値なのだ!」と大層うらやましくなりました。
そこで、アーティチョークをよく食べている、イタリア在住料理研究家、佐藤礼子さんに、アーティチョークのイタリアでの扱い方、食べ方等をレクチャーしていただきました。
▼イタリア在住料理研究家、佐藤礼子さん
写真等では見たことあるけれど、どこをどうやって食べるの?という方から、買って食べてみたいけれど、食べ方のバリエーションが見つからないという方まで、イタリア現地の空気を感じながらご覧いただけたら幸いです。
アーティチョークの基本情報
日本では一般的には「アーティチョーク」という英語名で呼んでいますが、イタリア語ではカルチョーフィ(carciofi)、フランス語ではアルティショ(artichaut)と言います。地中海沿岸原産で、フランスやイタリアで好んで食べられています。
ちなみに日本名は「チョウセンアザミ」。アーティチョークというとおしゃれに聞こえるのに、アザミと言われると、ウサギに与えるべきでは?と思ってしまうのは、私だけでしょうか?
高さ1.5mにもなり、初夏に直径が15cm程度の花が咲きます。日本では葉山の御用邸で観賞用に栽培されたのが始まりです。
アーティチョークの栄養素として特筆する点は、利尿作用のあるカリウムが多く含まれている事です。また、シナリンという成分が肝機能を高めたり、コレステロールを下げる作用があります。
シチリアでのアーティチョークの立ち位置
では、イタリアのシチリア在住の料理研究家、佐藤礼子さんに、イタリアでのアーティチョークの扱い方、イタリアで好まれる食べ方を教えていただきました。
【サクライ(以後、サク)】アーティチョーク、イタリアではカルチョーフィと言うのですね。日本ではまだメジャーではないのですが、イタリアでは人気なのですか?
【佐藤礼子さん(以後、佐藤)】カルチョーフィは12月頃から登場しますが、年明け以降が美味しい季節で、3月頃に本当の旬を迎えます。最近の農民市場では、10本4ユーロ(1本50円程度)で売られていました。
【サク】安いですね!私が見たことがあるのは、1本単位で、何百円というやつでした。
【佐藤】私が住んでいるトラーパニでは、野菜や果物など全てが『自家製』という人も少なくなく、特別なことでもなくて。うちでもカルチョーフィは何本か庭に植えていますよ。
忙しくて畑に何も植えられない時でも、カルチョーフィはあまり手を掛けなくても収穫できてしまうので、助かっています。
【サク】前にSNSでアップされていた、かっこいいスーツ姿のご主人が「食べ頃だから取ってきた」風に、カルチョーフィを持っていたお写真に悩殺されました。
【佐藤】蕾を食べるものなので、花が咲く前に収穫しなくてはいけないので。笑
シチリアでのアーティチョークの食べ方
【サク】ところで、イタリアでのカルチョーフィの食べ方は、どんな食べ方がポピュラーですか?
【佐藤】ただ茹でて食べる人もいますが、シチリアでは圧倒的に蒸し煮が多いです。ガクを一枚一枚剥がしながら、食べられる部分を歯でこそげ落としながら食べていくと、クオーレと呼ばれる中心部が出てきます。ここがホクホクでこれまた美味しいんです。
【サク】廃棄率が高いし、少し食べるのが面倒に思えてしまいますが、10本買っても食べられるものですか?
【佐藤】はい。味はタケノコのようで、旬の新鮮なものは、肉厚で甘くて本当に美味しいです。
【サク】カルチョーフィのその他のお勧めの食べ方はありますか?
【佐藤】イタリアでは、中にパン粉を詰めて蒸し煮にしたりもしますが、私が一番好きな食べ方は春のBBQの季節に、肉を焼いた後の炭に直置きして焼いたものです。
【サク】それ、絶対美味しいですね!
まとめ
イタリアなどではポピュラーなアーティチョークは、日本でも徐々に生産者さんが増えているようです。手に入ったら、イタリアに行った気分で調理して食べてみてくださいね。
http://www.tavola-siciliana.com/
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。