タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
タイでは3月頃になると、細いアスパラガスのワゴン販売屋台が出て、暑いけれど春を感じていました。
また、タイ語でアスパラガスの事を「西洋タケノコ」と称していて、これもまたいい得て妙だと思っていました。
そのアスパラガス、ドイツでは「アスパラガス祭り」が開催されるほどの春の風物詩となっています。
今回は、そんなアスパラガスの魅力を、食べ比べてみながらご紹介。アスパラガスの魅力が伝わりましたら幸いです。
白と緑と紫のアスパラガスの違い
アスパラガスはユリ科アスパラガス属の野菜で、南ヨーロッパが原産です。
世界史でのアスパラガスの歴史は古く、紀元前2000年頃、古代ギリシャ・ローマ時代ではすでに栽培されており、特別な食材として扱われていたそうです。
日本へは江戸時代にオランダ船から鑑賞用として日本にもたらされましたが、食用として導入されたのは明治時代のことです。
当時は欧米へ輸出する缶詰用ホワイトアスパラガス栽培が主流でしたが、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが主流となり、食卓でもおなじみの存在になりました。
実はこれら、ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは全く同じ品種です。
ホワイトアスパラガスは発芽後すぐに盛り土をして、日光に当てずに地中で育てたものになります。
では、最近出てきた紫のアスパラガスはというと。こちらは品種そのものが違います。
アントシアニン色素の多い品種のアスパラガスで、米国原産のものだと「パープルパッション」、国産のものだと福島県の「はるむらさきエフ」などが有名です。桜色の品種の彩りが、春の味覚として食卓を盛り上げてくれますね。
なお、加熱すると紫色は失われ緑色になります。
それぞれのアスパラガスの栄養について
そんな特徴をもったアスパラガスですが、栄養面はどうなのでしょうか。
グリーンアスパラガス
グリーンアスパラガスはカロテンが豊富な緑黄色野菜です。そのほか、タンパク質やビタミンB群、亜鉛・銅なども野菜としては多く含んでいます。
疲労回復やスタミナ増強に効果のあるアミノ酸の一種、アスパラギン酸も多く含まれています。
穂先に含まれるルチンは、毛細血管を丈夫にする働きがあり、間接的に血圧を下げる効果があるとされています。
ホワイトアスパラガスや紫アスパラガス
紫色のアスパラガスには抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれており、甘みが強く、軟らかいので生食にも向いています。
対してホワイトアスパラガスは、日光に当たらないためカロテンはほとんどなく、タンパク質やビタミンB群はグリーンの半分程度しかありません。
では、何故、ヨーロッパでは、わざわざ盛り土をして手間暇かけてホワイトアスパラガスを栽培し、お祭りまで開催して盛大に食べるのか?
それは、美味しいから、の一言に尽きるからではないでしょうか?
白と緑のアスパラガスを食べ比べてみた
ヨーロッパでは大喜びされるホワイトアスパラガスと、ブロッコリーに並んでお弁当箱のスタメンと化しているグリーンアスパラガス、一緒に食べ比べたことが無かったので、食べ比べを行ってみました。
今回食べ比べでいただいたアスパラガスは、ホワイトは岩手県産三右エ門さん産、グリーンは近所のスーパーで購入した、福岡県産と熊本県産のものです。
狙った訳ではないのですが、東北VS九州となりました。
判定方法は、まず、私が好きでよく作っている、アスパラガスのビスマルク風で。
オリーブオイルで縁をカリっと、黄身をトロリと焼いた目玉焼きを、グリルでじっくり焼いたアスパラガスに乗せて、塩コショウとパセリを散らし、お好みでワインビネガーか粉チーズをかけたりして頂きます。
食べ比べの感想は。
グリーンは太いものを焼いたので、じゅわっとジューシー。青い香りで元気になりそうなお味です。
一方、ホワイトは、びっくりする程甘く、『白い果実』と評するに値する味わいでした。
その次は、緑と白を取り交ぜて、海老と一緒にアヒージョにしてみました。
やはり、緑は食物繊維も摂れそうな、体に良いものを食べている気分。
そして、白は、口に入れると蕩けました。
甘やかされて育った白アスパラガスは、人間をとことん甘やかすものだと、深く納得して、今回の食べ比べを終えました。
まとめ
今回のアスパラガス食べ比べで得た結果として。
アスパラギン酸やその他栄養で元気になりたい、「野菜」を食べたい時には、グリーンアスパラガスを、果物を食べる時のように自分を甘やかしたい時にはホワイトをお勧めします。
特にホワイトアスパラガスは、旬が短いだけでなく、デリケートな食材です。
見つけたら「今はドイツに行けないから」等、言い訳しつつ、高級フルーツを食すように、春の味を堪能してみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した商品はこちら!
今回ご紹介した白と緑と紫のアスパラガスは食べチョクでも出品されています。
ぜひ食べ比べてみて、自分の好みや場面に合わせたこだわりを見つけてみてください!
【北海道産】アスパラガスセット
緑と紫のアスパラガスを
食べ比べることができるセットです。
甘さがぎゅっと詰まっています。
【岩手県産】ホワイトアスパラガス「白い果実」
シャキシャキとした食感と
果実のような甘さを味わうことができます。
鮮度にこだわっています。
<参照>
JAグループ茨城
http://www.ib.zennoh.or.jp/amore/crop/asparagus.html
キューピー
https://www.kewpie.co.jp/recipes/knowledge/article/3/
野菜情報
https://www.alic.go.jp/content/001164261.pdf
フジテレビ
https://www.fcg-r.co.jp/hakase/foods-045.html#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%81%BB%E3%81%8B%E3%80%81%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA%E3%82%84%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3B,%E9%87%8E%E8%8F%9C%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82%20%E3%80%82
JAグループ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=21
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。