セロリの種類について
セロリは地中海沿岸原産のセリ科の植物で、和名は「オランダ三つ葉」。ギリシャ、ローマでは薬や香料として使われたそうです。
セロリは茎葉の色によって種類が分けられており、その中で、日本で流通している品種は以下の通りです。
中間種
最も多く流通している品種です。
40㎝前後の長さの、厚みのある薄緑色の茎が特徴で、中間種の中でも「コーネル619」という品種が主に流通しています。
スジがそれ程強くないという特徴もあり、人気の品種です。
緑色種(グリーンセロリ)
名前の通り、茎も葉も緑色のセロリです。
中間種より香りが強く、欧米で好まれている品種。「ユタ」や「トップセラー」種が主に出回っています。
白色種(ホワイトセロリ)
茎が白く、「ミニホワイト」という品種が知られています。
スジが少なくて柔らかく、香りが穏やか。主に水耕栽培のものが流通しています。
その他、セロリの仲間として、「根セロリ」と言われるセルリアックと、野生種に近い東洋在来種の芹菜(キンサイ)、スープセロリという品種も出回っています。
セロリの種類の選び方
セロリにも様々な種類があり、それぞれの特徴にぴったりの料理があります。
例えば、上品な香りとパリっとした食感で、スジが強くないという特徴の中間種は、野菜スティックやサラダなどの生食に向いています。
同じサラダでも、葉の形を生かしてお料理に使いたい時はホワイトセロリがおすすめです。
また、ホワイトセロリは他のセロリより柔らかい香りと味なので、セロリ嫌い克服の第一歩として使うのも良いでしょう。
グリーンセロリは味も香りも他の種類より強めなので、ポトフなどしっかり煮込むお料理でも、風味が楽しめます。
野生種に近いスープセロリは、中華料理の炒め物やスープのトッピングの他、タイのサラダにもよく使われています。
セルリアックは生食でも食べられますが、茹でるとほくほくした食感になるので潰して使うという使い方も出来ます。
セロリの保存方法
中間種、グリーンセロリは葉と茎を分けて冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると、約1週間、みずみずしい状態がキープすることができます。
セルリアックは乾燥しないように袋などに入れて冷蔵保存。
ホワイトセロリ、スープセロリも乾燥を防いで立てて保存するのが良いですが、2~3日で使い切ることをおすすめします。茎や葉が柔らかい分、冷蔵庫の乾燥に弱いためです。
セロリの部位別の活用法
次に、一番手に入りすいコーネル619種のセロリについて、部位別におすすめの調理法をご紹介します。
根本
野菜スティック、ピクルス。太めの千切りにして、きんぴらなど。スジをとって、歯ごたえを楽しむよう、スティック状に切り分けると良いです。
茎の中ほど
薄切りにしてサラダ、斜め切りや乱切りにして炒め物。太さが一定になっている部位なので、大きさを揃えて切る事ができます。
葉に近い細い茎
みじん切りにしてスープやソース、香味野菜に。細い分、みじん切りが早く作れます。
葉の部分
スープの下味の香味野菜、ざく切りにして炒め物など。葉の部分はブーケガルニ(スープの香味野菜)として使う他、刻んで加熱すれば美味しく食べられます。
「セロリの塩レモンもみ」レシピ
最後に、国産レモンで作る塩レモンと合わせた、セロリを1本使った塩レモンもみをご紹介します。
【材料(2人分)】
・セロリ 1本
・塩レモン レモン1/4個分くらい(要調整)
・オリーブオイル 適量
【作り方】
1.セロリの根本のスジを取り、5㎜厚くらいの輪切りに切ります。葉は太めの千切りに。
2.塩レモンは細切りにして、セロリと一緒にボウルに入れて和えたら5分ほど寝かせます。
3.セロリがしんなりしたら器に盛りつけ、オリーブオイルを回しかけます。
まとめ
セロリは種類によって香りや食感が全く異なります。さらに1本のセロリでも、調理の仕方次第で、様々な料理に使うことができます。
野菜スティックと香味野菜だけでなく、ぜひ色々なお料理で活用してみてくださいね。
セロリのレシピを他にも見てみたい方は、ぜひホカホカごはんに合うナッツセロリ味噌のレシピの記事もご覧ください。
参考
住友化学園芸 https://www.sc-engei.co.jp/cultivation/details/56.html
株式会社明治 https://www.meiji.co.jp/foods/soup/marugotoyasai/dictionary/serori.html
独立行政法人農畜産業振興機構 https://www.alic.go.jp/content/001162836.pdf
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。