「豆苗」とは
年間通して売り場に並んでいる豆苗は、えんどう豆を発芽させた若い葉や茎の部分を食べる緑黄色野菜で、「スプラウト」の一種。
ほとんどが衛生管理された工場で水耕栽培されているため、季節や天候などの影響を受けにくく、通年安定した価格で手に入れることができます。
まだ未熟なえんどう豆をさやごと食べる「絹さやえんどう」や、さやが完熟した状態で食べる「スナップえんどう」、未成熟の実を食べる「グリーンピース」なども豆苗の仲間です。
「豆苗」の再生方法
豆苗は「リボベジ(リボーンベジタブル)」=「再生できる野菜」の代表格です。
節約につながるだけではなく、手軽にキッチンガーデニングを楽しむことができる野菜としても人気があります。
豆苗の再生は、根元にある脇芽を成長させる方法なので、切る際には脇芽を残すように注意が必要です。
脇芽を残した豆苗の根元を水に浸し、日当たりの良い室内で育てると、7~10日ほどで新芽が伸び、収穫することができます。
水を入れすぎると豆が腐ってしまう原因になるので、根だけがつかる量をキープします。
水は毎回足すのではなく、新しく交換するようにしてください。1日1回以上水を替えながら清潔な状態で育てると、おいしい豆苗が再収穫できます。
上手に育てると2回くらいまでは再生できますが、家庭だと衛生面の問題が生じがち。1回にとどめておくことをおすすめします。
「豆苗」の選び方と保存
葉が鮮やかな緑色で、茎がみずみずしくしっかりしているものを選びましょう。根は白く弾力があるものが良いです。
保存する場合は、袋に入れたまま野菜室で立てておきます。使う分だけカットし、数日で使い切るようにしてください。
「豆苗」のおすすめレシピ
豆苗はシャキシャキした食感が特徴で、生でもいただくことができます。
豆独特の香りや青っぽい臭みを感じて苦手という場合は、熱湯を回しかけたり、レンジで加熱したりすると食べやすくなります。
豆苗春雨サラダ
【材料(2人分)】
・豆苗 1袋
・人参 50g(1/2本)
・ハム 4枚
・春雨(乾燥) 50g
・白いりごま 小さじ2
・砂糖 大さじ1
・酢 大さじ2
・醤油 大さじ1.5
・ごま油 大さじ1
【作り方】
1.春雨は袋の表示に従って戻し、ザルにあげてしっかりと水気を切って食べやすい長さに切る。
2.豆苗は根元を切り落として2等分に切り、ザルに入れて熱湯を回しかける。冷めたら水気を切る。
3.人参は千切りにし、少量の塩(分量外)で軽くもみ、5分程なじませて水気を切る。
4.ハムは半分に切り、5ミリ幅に切る。
5.ボウルに1~4と残りの調味料を入れ、混ぜ合わせる。
【ポイント】
豆苗は茹でずに熱湯をかけるだけにとどめ、程よいシャキシャキ食感を楽しめるようにしています。
水っぽくならないよう、しっかりと水気を切るようにしてください。
えんどう豆3兄弟の豆苗クリームパスタ
【材料(1人分)】
・パスタ 80g
・豆苗 1/2袋
・絹さやえんどう 5本
・スナップエンドウ 5本
・玉ねぎ 1/4個
・コンソメ 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
・水 200cc
・豆乳 100cc
・塩 適量
・胡椒 適量
【作り方】
1.豆苗は根元を切り落として半分に切り、トッピング用に少し取り分ける。絹さやえんどうとスナップエンドウは筋を取り、玉ねぎは薄切りにする。
2.フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、豆苗と玉ねぎを入れて炒める。玉ねぎが透き通ってきたら水とコンソメを加えてやわらかくなるまで煮て火を止める。
3.粗熱が取れたら、ミキサーかハンディブレンダーなどでなめらかにする。
4.たっぷりの湯を沸かした鍋に1パーセントの塩(分量外)を入れ、表示より1分ほど短めにパスタを茹でる。その際、茹で上がり90秒前にスナップエンドウを、60秒前に絹さやえんどうを入れて一緒に茹でる。
5.3をフライパンに戻し、豆乳を加えて火にかける。とろみがついてきたらパスタとスナップエンドウ・絹さやえんどうを加えてからめ、塩胡椒で味を調える。
6.器に盛り、トッピング用の豆苗を乗せる。
【ポイント】
えんどう豆の仲間をたっぷり使う、春らしい1品に仕上げました。
お好みでベーコンや粉チーズなどを加えても良いでしょう。
豆苗と卵の中華あんかけ
【材料(2人分)】
・豆苗 1袋
・卵 3個
・マヨネーズ 大さじ1
・サラダ油 小さじ2
・水 150ml
・片栗粉 小さじ2
・オイスターソース 小さじ1
・醤油 小さじ1
・砂糖 小さじ1/2
・鶏がらスープの素 小さじ1/2
【作り方】
1.豆苗は根元を切り落とし、2センチくらいの長さに切る。
2.ボウルに卵とマヨネーズを入れ、溶きほぐす。
3.フライパンにサラダ油を熱し、溶いた卵を流し入れて混ぜ、半熟になったら取り出す。
4.フライパンに豆苗を入れてサッと炒め、卵を戻し入れて炒め合わせ、器に盛る。
5.フライパンに残りの材料を入れて煮立たせ、トロミがついたら4にかける。
【ポイント】
豆苗と卵だけでできる、手軽でご飯が進む1品です。
卵にマヨネーズを入れることでフワフワに仕上がります。炊きたてご飯に乗せて、「とみょたま丼」にするのもオススメです。
まとめ
広いお庭がなくてもできる「リボベジ」。
ちょっとしたコツをつかめば、誰にでも育てることができます。愛情を注ぎながら育てた野菜を食べられるなんて、幸せだと思いませんか。ぜひチャレンジしてみてください。
豆苗の他にも、再生できる野菜はさまざまあります。気になった方は、ぜひ「再生野菜の魅力と育て方」についての記事もチェックしてみてくださいね。
参考文献
豆苗研究会(村上農園)https://www.murakamifarm.com/myouken/
豆苗に関するQ&A(村上農園)https://www.murakamifarm.com/contact/faq/toumyou/
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。