タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。
タイで暮らしていた時、「プラトゥー」という鯵(アジ)に似た魚を「タイのアジは、日本のよりもちょっと顔が違うな」と思っていたら、鯖(サバ)の仲間だったと後で知り、勘違いしていたのは自分なのに、何だか騙された気分になりました。
そして日本に帰国したら、今度はアジにもたくさんの種類があると知りました。今回はそんなアジの種類や味の違い等についてご紹介します。
この記事を読んだら、アジに詳しい人になれるかもしれません。ぜひご覧ください。
種類も大きさもバラエティに富んだアジの実態
アジ科の魚にはとても多くの種類があります。
日本の近海に棲息するアジ科の魚は、約140種にものぼり、そのほとんどが食用になるそうです。
その中で、日本で「アジ」というと、恐らくマアジを思い浮かべる方が多いかと思います。
マアジはアジ科マアジ属に属し、学名は「Trachurus japonicus」と言います。Japonicusと名前がついているのを見ても、日本で馴染みのある魚と分かりますね。
そのマアジ1種をとっても、南蛮漬けによく使われる小さめのアジ(豆アジ)や、開きに最適な150g前後のサイズのもの、姿造りの刺身に映える大型のものまで、様々な大きさのものがあり、我々の食卓をにぎやかしてくれます。
その他、マアジに似たアジで、マルアジ、メアジという、属の違うアジもいます。マルアジはムロアジの仲間でマアジより丸みがあるのが特徴。またメアジは目が大きいのが特徴です。
…と語りだしたら止まらないアジですが、今回はより私たちに身近な「マアジ」を中心にご紹介します。
同じマアジでも、すむ場所によって味わいが違う
大きさが小さくても大きくても美味しく頂ける、マアジですが、更にクロアジ、キアジと、同じマアジでも色合いの違うものがあります。
クロアジは水温16~17度の海域を餌を追いかけながら大群で回遊しています。
一方でキアジは回遊しません。一説によると、もともと回遊性のマアジが餌が豊富で快適な浅瀬を見つけて居座ってしまったものだと言われています。
「瀬付きアジ」「根付きアジ」とも呼ばれていて、脂がよく乗り、味も香りも良いため、沖合回遊型のアジより高値で取引されています。
クロアジの中でも特に美味しいブランドアジ
規律乱さず群れで泳ぎながら餌を食べているクロアジよりも、怠け癖がついてしまったキアジの方がちやほやされているのは、いい気分はしませんが、クロアジでも美味しくてブランドになっているものもあります。
大分県、豊後水道産の「関アジ」と愛媛県三崎町、佐田岬の先端で漁獲される「岬(はな)アジ」が有名です。
これらブランドアジが育つのは、愛媛県佐多岬と大分県佐賀関との間に横たわる、約14キロの豊予海峡です。別名では速吸瀬戸と呼ばれています。
潮が速い上に、栄養分の多い瀬戸内海の潮と太平洋の潮とが混じり合い、様々な魚が育つそうです。
マアジだけでない、奥深きアジ・ワールド
日本人にとっては、アジ=マアジのイメージが強いかと思いますが、他のアジの仲間もかなりの個性を見せています。
一度好きになったらはまってしまうという、「くさや」で使われる魚はムロアジです。
また、シマアジ属シマアジは、アジの王様とも言われ、たんぱくであっさりしたアジとは違って、脂と甘みの強い味わいが楽しめます。
メアジ、マルアジも、「マアジに比べたらねぇ」という人もいるようですが、新鮮なものは安価に設定されがちなお値段以上の美味しさです。
まとめ
様々な調理法で楽しめるアジは、一年中魚屋で見られますが、脂がのる5~8月が旬と言われています。
アジの奥深き世界を覗き見た今、魚屋さん等でアジを見比べて、用途に合った美味しいものを見つけて下さい。
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船橋市HP
https://www.city.funabashi.lg.jp/shisetsu/shiminkatsudo/0003/0001/0005/p004305.html
京都府HP
https://www.pref.kyoto.jp/kaiyo2/maaji.html
大阪市中央卸売市場
http://www.shijou.city.osaka.jp/sikyoportal/?page_id=3059
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。