管理栄養士、お野菜レシピ考案家のいまむらゆいです。

 

食品ロスという言葉を耳にしたことがありますか? 近年では、消費期限が近い弁当を購入するとポイントが還元されるなど、スーパー・コンビニなどでの食品ロス削減の動きが活発化してきています。

 

一方、家庭ではあまり意識していないという場合も多いのではないでしょうか。家庭でできる食品ロス削減のポイントとして、食材の「過剰除去を減らす」という点があります。

 

今回は廃棄部分になりやすいヘタ、芯、皮に注目して、家庭でできる食品ロス削減のための野菜の切り方、使い方をご紹介します。

 

家庭から出る廃棄食品は約280万トン!?

 

食品ロスとは、食べられる食品を捨てることを言います。日本では、毎年約600万トンの食べられる食品が廃棄されており、その中で家庭から出る廃棄食品の量は約280万トン。約半分が家庭から出ています。

 

環境負荷の配慮や資源の有効活用の面から見ても、食品ロスは見過ごせない問題です。捨てられた食品をゴミとして燃やすことは、燃料の費用がかかるだけでなく、温暖化の原因にもなります。

 

家庭での食品ロスは、食材の過剰除去も原因の一つ。調理の際に、食べられる部分まで捨ててしまっていることも食品ロスに繋がっています。

 

家庭での食品ロス削減は、環境にやさしいことはもちろん、無駄なく食品を調理することで食費の節約にもなります。

 

今回は調理の際に切ることの多い、野菜のヘタ、芯、皮に注目して切り方や使い方をご紹介します。

 

ヘタはくり抜く&剥く

人参のヘタはくり抜く

 

人参のヘタは、切り落とさずに「くり抜く」のがポイントです。

 

包丁のあごを使って、ヘタに包丁を持つ手の親指を添えて、くるくると回しながら刃を入れます。そうすることで、硬いヘタの部分だけがとれるので、ヘタの周りの人参を切り落とさずに使うことができます。

 

玉ねぎの根の部分を切る際にも、皮をむいた玉ねぎに同じ要領で包丁入れると、無駄なく切ることができます。

 

なすのヘタは切込みを入れて剥く

 

なすのヘタを切り落とすときは、ガクの一番切れ込みが深いところに包丁を入れ、一周ぐるっと切れ目を入れます。するとガクの部分が取れるので、残ったヘタの部分は剥くようにして切り取ります。

 

 

時間がないときは、ガクの一番深い切れ込みの部分を目安に切り落とすと、硬いヘタの部分のみを簡単に切り落とすことができますよ。

 

硬い芯は細かく切る

 

ブロッコリーの芯の中心は柔らかく食べやすいですが、外側は硬いので厚めに切り落とす場合もあるのではないでしょうか。

 

外側の硬い部分もみじん切りや細切りにしてしまえば、口に入れたときに違和感なく食べることができます。

 

細かくした芯は餃子やドライカレーに

 

みじん切りにすることで、他の野菜と混ぜ込んで料理に活かすことができるようになります。餃子やドライカレー、お好み焼きなどに混ぜ込むのがおすすめ。

 

すぐに使わないときは保存袋に入れ、冷凍庫で保存しておけば使いたいときにさっと使えて便利ですよ。

 

皮は薄く切って食べやすく

 

大根、人参などの根菜類は皮の近くと内側で火の通りやすさが変わってくるため、煮物にするときには皮を厚めに剥くことも多いのではないでしょうか。

 

大根は皮をきんぴらにする活用方法もありますが、炒め物や汁物、サラダに使うときには皮付きのままがおすすめ。普段捨ててしまう皮も食べることで、食品ロスの削減につながります。

 

皮つきの大根に対して薄めの輪切り、半月切りやいちょう切りにすれば、皮の食感はあまり気にならず、調理の手間も省くことができます。

 

里芋、人参、りんごは皮つきでOK!

 

大根の他に人参、りんご、里芋も皮を剥いて食べることが多い食材ですが、基本的には皮ごと食べても問題ありません。

 

繊維を断つ方向に包丁を入れるのがポイントです。遷移を断つことで食感が柔らかくなり、口当たりが良くなりますよ。

 

食品に感謝してロスを減らす工夫を

 

調理の際の少しの心がけが食品ロスの削減につながります。

 

食べられる食品を無駄なく調理することを通して、食品への感謝も自然と高まります。普段何気なくやっていた野菜の下ごしらえも食品ロスを意識して取り組んでみてくださいね。

 

参考文献

・農林水産省「食品ロス量(平成30年度推計値)」

https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/210427.html

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