世界で親しまれているミント

 

ミントはシソ科ハッカ属の植物で、原産地は、よほど寒い地域や暑い地域でなければ、ほぼ地球全域という、生命力の強いハーブです

 

日本にも「和ハッカ」があり、メントールの含有率が高いことから、メントール成分の結晶である「薄荷脳」の輸出用として、かつては北海道の主要な農産物だった事もあります。

 

生命力が強いだけでなく、自然雑種が出来やすく、一時は600種もの品種に分けられていましたが、今では40種くらいまでに整理されています。

 

ミントの特徴は、その清涼感のある香りです。

 

 

北アフリカのモロッコではお茶として日々飲まれており、アメリカのミントジュレップ、キューバのモヒートといったお酒のフレーバーとしても欠かせない存在。

 

イギリスではラムチョップにはミントソースがつきものですし、インドのビリヤニにもミントソースが添えられます。

 

タイ料理でもサラダに山盛りのミントが散らされており、ベトナムの生春巻きの中には、ミントの葉がライスペーパーから透けて見えることも。

 

また、ミントから抽出した精油は、歯磨き粉などの香料や化粧品などに幅広く利用されています。

 

ペパーミントとスペアミントの使い分け

このように、世界中で愛されているミントですが、一般的によく見かけるのがペパーミントスペアミントです。

 

これらの使い方の違いについて、ハーブブレンダーであり、様々な種類のミントを生産している、ハーブ農家さんのアキバヒロコさんに、お話を伺いました。

 

 

【取材協力・写真提供】

アキバ ヒロコさん(秋庭農園)

ハーブティーブレンダー ミント専門農家

 

1985年生まれ 埼玉県久喜市出身

 

OL時代にハーブと出会い、「Herbal Forest」の北川栄恵氏の下で学ぶ

 

ヴィーガンレストラン「アインソフ」銀座店に勤務

 

その後2013年に結婚し農家となる。現在、二児の母

 

――ペパーミントとスペアミントの特徴と、使い方の違いについて教えていただけますか?

アキバ(以後ア):まず、ミントの種類別の使い方の中で、大きく関係するのが、スースー感の成分、メントールの含有量です。

 

スペアミントはメントール成分がほぼ入っておらず、爽やかさの中に甘い柑橘系の香りがあるのが特徴です。

 

香りがきつくないので、お料理にそのまま加えても合わせやすく、サラダに葉を散らしたり、ドレッシングに葉を加えたり、生春巻きに入れたり、デザートやお酒に加えたりもしやすいです。

 

例えば、マヨネーズに刻んだスペアミントを加えたり、ヨーグルトに入れてハチミツで甘味を足して食べたりするのも良いですね。

 

 

ペパーミントはメントール成分が多いので、香りとスースーとした清涼感が強いです。

 

お料理に使うより、ハーブティにしてリフレッシュやストレスケア等に使って頂くのが良いでしょう。

 

チョコミントのようにチョコレートの深い甘味にペパーミントのスッキリ感を合わせるという、強いもの同士の組み合わせも良いです。

 

ミント農家さんおすすめのミントの種類

――世界には40種類ものミントがあり、りんごの香りやパイナップルの香りのように、さまざまな種類があるそうですね。その中でアキバさんがおすすめしたいミントの種類はありますか?

 

 

ア:ベルガモットミントです。別の名をオレンジミントとも言います。

 

ビターな甘さのオレンジの皮のような柑橘系の香りがして、大人の雰囲気のミントです。

 

香りのアクセントとして、お肉料理の仕上げに千切って乗せてみてください。

 

その香りだけで、お料理の表情がぱっと変わりますよ。

 

――文豪・ヘミングウェイが愛飲したというキューバのカクテル、モヒートに使うとしたら、どのミントが良いでしょうか?

 

 

ア:モヒート用のミントといえば、イエルバブエナです。ビターで深みのある中に爽やかさが広がる、冷たいドリンクに向いています。

 

このミントも、ベルガモットミントも、ひき肉に混ぜ込んで肉団子にすると、子供向けのミートボールから大人の香りにガラリと変わります。

 

ミントの香りは季節によっても変わってきますので、ぜひ、四季を通じて楽しんで頂きたいです。

 

ミントを使った春のおすすめレシピ

最後に、春らしいミントを使ったお料理をご紹介します。

 

【たけのことスペアミントのサラダ】

 

<2人分>

たけのこ水煮  150g

スペアミント   5本

アーリーレッド 1/4個分

塩         小さじ1/2

ローストアーモンド 5粒

オリーブオイル   大さじ2

 

1 たけのこ水煮は一度さっとゆでて白い粉状の塊を洗い流したら、薄切りにしてボウルに入れます。

 

2 アーリーレッドは薄切りにして、ボウルに加えます。

 

3 塩を振り、オリーブオイルをまわしかけて和えたら、葉を摘んだスペアミントを加えてざっと混ぜて、器に盛りつけます。

 

4 食べる直前に砕いたローストアーモンドを散らします。

 

まとめ

ミントの種類による使い分けの仕方、参考になりましたでしょうか? ちなみに、2月19日はチョコミントの日、3月10日はミントの日です。

 

ミントフレーバーのお菓子だけでなく、フレッシュミントでも、ドリンクやお食事に香りと彩りを加えてみて下さいね。

 

 

 

参考

NHK出版  https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-1170

株式会社北見ハッカ通商 https://hakka.be/knowledge/type/

LOTTE https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/story/mint/taste/

S&B https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/story/mint/taste/

 

 

 

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