レタスってどんな野菜?
レタスはキク科アキノノゲシ属の野菜で原産地は、地中海沿岸から西アジアと言われています。
日本には、中国を経由して伝わり、奈良時代から食べられていました。和名は「ちしゃ」。昔のレタスは「かきちしゃ」という、下の葉を摘んで収穫する種類のものが栽培されていました。
ほどよい苦みとほのかな甘みが特徴で、山口県下関市などでは伝統野菜として今も栽培されています。
現在スーパーで目にするキャベツのように丸い形のレタスが栽培されるようになったのは、第二次世界大戦後。食生活が洋風化してきたのとともに、生産量が拡大されていきました。
長野県では1960年代に用地や栽培法が確立され、70年代にはその地での栽培に適した品種が開発され、更に冷蔵施設、輸送方法が発達。品質、生産量共に不動の一位の県となっています。
その他、最近は水耕栽培技術が発達して、日本各地で天候等の影響を受けない色々な種類のレタスが生産、出荷されています。
レタスの種類
レタスには、大きく4つの種類に分類されます。
結球レタス
キャベツに似た球形のレタスで、玉レタスとも言われています。
国内で最も多く流通している、パリパリした食感のレタスが「クリスプヘッド」という種類です。
葉が柔らかくバターを塗ったようなつやのある「バターヘッド」と分類されるサラダ菜も玉レタスに分類されます。
葉レタス
リーフレタスとも呼ばれていて、野生種に最も近い非結球レタスです。
サニーレタス、フリルレタス、グリーンリーフとしてスーパーの野菜売り場に並んでいるものが主な品種です。
立ちレタス
ロメインレタス、コスレタスとも呼ばれていて、縦に長く結球し、上の方が閉じないレタスです。
葉がしっかりした長楕円形で、葉の巻きが緩いのが特徴です。
茎レタス
日本の普通のスーパーではあまり見ない品種。ステムレタスとも呼ばれています。
長い茎が特徴の非結球レタスで、アジア等で流通しており、茎の部分と、茎から出てきた柔らかい葉を食用とします。
調理法別・おすすめのレタスの種類
同じレタスでも、食感も色合いもそれぞれ特徴があるのでサラダ以外でも使えます。
以下は、調理法別のおすすめのレタスの種類です。
【炒め物】結球レタス、立ちレタス
シャキシャキ、パリパリの食感のレタスは、生食だけでなく炒め物にも向いています。水分が多いので、手早く炒める事をおすすめします。
【巻きもの】葉レタス、サラダ菜
肉などの具材を巻くなら、葉が柔らかく、表面積が大きい葉レタスを好みの大きさにちぎって使うのが良いでしょう。
また、肉だけでなく、巻き寿司や生春巻きに巻くのも、葉が柔らかい葉レタス、サラダ菜が適しています。水気をよく切って巻いて下さい
【おひたし・鍋物】結球レタス、葉レタス
茹でたり煮たりして美味しく食べられるおひたしや鍋物には、結球レタス、葉レタスのどちらも適しています。
それぞれ食感が違うので、数種類をミックスして調理してみるのも良いでしょう。
【干し野菜】茎レタス
茎レタス以外のレタスは、水分を多く含んでいるので干し野菜には向いていませんが、茎レタスは茎の表面を削いで細切りにして干すと、「山くらげ」という珍味になります。
コリコリした食感で、水で戻して茹でてから和え物にしたり炒め物にしたりして楽しめます。
まとめ
昔はレタスというと、夏に収穫する高原野菜であり、サラダに入れるのが一般的な野菜というイメージがありましたが、今は色々な種類のものが1年中出回っています。
サラダだけでなく、レタスの種類ごとの特徴を生かした、様々な食べ方を試してみてくださいね。
参考
北陸農政局 https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/yasai.html
JA長野県 https://oishii.iijan.or.jp/products/post-126
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/43_1_yamaguchi.html
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。