まずは復習!
パプリカはピーマンやししとうと同じナス科トウガラシ属の一種ですが、未熟のまま収穫するピーマンと比べ、栽培が難しいといわれています。それは、完熟してから収穫するため、収穫までの期間が長く、天候不順や病害虫発生など外的要因の影響を受けやすいからです。
近年、国産パプリカの生産量が増えていますが、その中にはオランダなどの技術を取り入れた植物工場で、徹底した衛生管理のもとに栽培されているものも多くあり、露地栽培のものは希少です。
一般的に多く出回っているものは、赤色や黄色、オレンジ色ですが、他にも緑色や白色、茶色など、様々な色があります。
それぞれの特徴は以下の記事でご紹介していますので、気になる人は参考にしてみてください。
【野菜のビタミンC含有量No.1!】彩り鮮やかなパプリカの秘密に迫る(鯖缶とのアレンジレシピ付き)
珍しいパプリカ紹介
パプリカというと、ベルのような形が特徴的ですが、最近では少し違った形のパプリカも増えてきました。
パレルモ(イタリアンパプリカ)
「スイートペッパー」とも呼ばれる、ししとうや万願寺唐辛子を大きくしたような形のパプリカです。長いものだと20センチを超えるものもあります。
種は上部に少量入ることが多く、一般的なパプリカよりも甘みが強いといわれています。
セニョリータ
一般的なパプリカを上から叩いてつぶしたような形のパプリカで、「株式会社サカタのタネ」オリジナルの品種です。サイズが小さいので使い切りやすく、便利です。果肉がやわらかいので、生食にも向いています。
ぱぷ丸
ししとうを太くしたような形のパプリカです。収穫までの日数が短く、プランターでも育てることができます。ヘタが小さくて種が少ないので、調理がしやすいパプリカです。
おすすめレシピ
過去の記事でもいくつかレシピをご紹介していますが、さらに別の視点からパプリカの彩りを活かすレシピを3つほどご紹介します。
トロトロあまーい!焼きパプリカのマリネ
〈材料〉 2人分
・赤パプリカ…1個
・黄パプリカ…1個
・マリネ液
オリーブオイル…大さじ1.5
はちみつ…大さじ1
白ワインビネガー…小さじ2
塩…少々
胡椒…少々
〈作り方〉
1.パプリカを半分に切り、ヘタと種を取る。
2.クッキングシートを敷いた天板に切り口を下にして並べ、あらかじめ220度に予熱したオーブンで皮が黒くなるまで30分ほど焼く。
3.熱いうちにボウルに入れ、ラップをして余熱で蒸す。
4.粗熱が取れたら皮をむいてバットに入れ、マリネ液に浸して30分以上味をなじませる。
パプリカの皮はそのまま食べることもできますが、火を入れて皮をむくとトロトロになり、味もしみやすくなります。
オーブンの代わりに魚焼きグリルを使ったり、フォークなどに刺して直火で皮が真っ黒になるまで焼いたりしても良いでしょう。皮は氷水につけながらむく方法もありますが、余熱で蒸しながら冷ますと、簡単にはがれます。
マリネはそのまま食べても良いですし、冷やしてもおいしいです。また、ポテトサラダに入れたり、ご飯に混ぜたり、お寿司のネタに見立てても楽しいですね。
漬けて焼くだけ!彩りパプリカのデジプルコギ
〈材料〉 2人分
・豚肉(こま切れや切り落とし)…200g
・玉ねぎ…1/2個
・パプリカ…1個(今回は赤・黄を半分ずつ使用)
・ピーマン…1個
・ニンニク…1片
・ショウガ…1片
・醤油…大さじ2
・酒…大さじ2
・砂糖…大さじ1
・白いりごま…大さじ1
・ごま油…大さじ1
・粉唐辛子…小さじ1
〈作り方〉
1.パプリカとピーマンはヘタと種を取って5ミリ程度の薄切りにし、玉ねぎも同じ幅の薄切りにする。ニンニクとショウガはすりおろす。
2.全ての材料を保存袋に入れて軽く揉み、なじませる。
3.フライパンに保存袋の中身を入れ、弱めの中火でじっくり炒めながら煮る。水分が足りなければ水を少し足す。
4.豚肉に火が通ってきたら火を強め、水分を飛ばすように少し煮詰めて器に盛る。
今回は全ての材料を先に合わせて炒め煮にするレシピです。パプリカは加熱しても色が抜けることはほとんどありませんので、じっくり火を入れても彩りをきれいに保つことができます。
朝材料を保存袋に入れて冷蔵庫に入れておくと、夕飯作りが楽になります。辛いものが苦手な人は粉唐辛子の量を調整してください。
今回は手軽に作れるよう豚肉を使いましたが、牛肉を使って「プルコギ」にしてもよいでしょう。
夏から秋へ!パプリカと舞茸の炊き込みご飯
〈材料〉 2人分
・米 1合
・赤パプリカ 1/4個
・舞茸 50g
・茹で枝豆(鞘から出す) 30g
・醤油 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・顆粒和風だし 小さじ1
〈作り方〉
1.米をといでザルに上げておく。
2.パプリカは1.5cm角に切り、舞茸は食べやすい大きさに裂く。
3.炊飯器に米を入れて調味料を加え、1合の目盛まで水を入れる。
4.パプリカ・舞茸・茹で枝豆を入れて軽く混ぜ、炊飯する。
夏から秋にかけて多く出回るパプリカや枝豆と、秋の味覚きのこを合わせた炊き込みご飯です。香りの良い舞茸が入ることで一気に秋の予感がしてきます。
今回は赤いパプリカを使いましたが、黄色やオレンジを使っても彩りよく仕上がります。
まとめ
数年前までそこまで流通量が多くなかったパプリカも、近年はスーパーや直売所などでも多く見かけるようになり、夏野菜の代表格に成長したといえるのではないでしょうか。
調理がしやすいだけではなく、肉厚で甘味もあり、さらに食卓を鮮やかに彩ってくれるパプリカ。ぜひ旬の食卓に取り入れてくださいね。
参考
農林水産省 https://www.maff.go.jp/tohoku/tiiki/miyagi/photo/attach/pdf/210512-7.pdf
サカタのタネ https://www.sakataseed.co.jp/product/search/code000067.html
大和農園グループ https://www.yamatonoen.co.jp/product/fruit-vegetable/paprika/Y0086/
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。