管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
今日は旬を迎えている梅についてです。
梅干しや梅酢、梅酒など加工してから食べることの多い梅干し。
加工して食べるのにはわけがあります。
実は生の青い梅にはアミグダリンという毒性のある物質を微量含んでいて、食べてしまうと体内で青酸を発生させて中毒症状を起こす可能性があるのです。
しかしアミグダリンは加工することで減少し安全に食べられるようになります。
そんな理由で昔から梅は梅干しなど加工されて食べ続けられているんです。
それでは梅について見ていきましょう。
豊富な有機酸で疲れ知らず
梅は健康に良い食品と言われます。
その理由はクエン酸などの有機酸が豊富に含まれているためです。
クエン酸は胃腸の働きを良く、食欲増進させてくれます。
なんとなく食欲がないときや体調が悪い時など梅干しを入れたお粥などを進められるのはそのせい。
エネルギー代謝をスムーズにするため、疲労回復に良いとされています。
またミネラルの吸収を促す作用もあります。
特にカルシウムや鉄分などの吸収されにくいミネラル分と一緒に摂ることで吸収率も上がります。
カルシウムを多く含むいわしやさんまを梅干しで煮た梅煮にしたり、鉄分を多く含むひじきを梅酢で和えたりすると、おいしく摂取できます。
とはいえ、梅干しは体に良いからと食べすぎはNG。
塩分も高いので1日1粒くらいにしておきましょう。
防腐・殺菌効果も期待できる
お弁当のご飯に梅干しを入れたり、刺身などの生食用の魚と梅干しで梅巻きや梅ドレッシングにしてカルパッチョ風にしたりするのは、味のアクセントとしてはもちろん、防腐・殺菌作用も期待されています。
梅酢をご飯に入れて炊いたり、取り細かく刻んでしそと一緒にごはんに混ぜても、さっぱりしていて美味しいですよね。
今の時期は食べ物の傷みやすい時期ですから、梅料理は家族の健康を守る便利アイテムでもあります(とはいえ過信は禁物です)。
梅初心者でもカンタン! 梅シロップ
梅をシロップ、梅酒、梅干しなどを全く作ったことない方は、まず梅シロップから作ってみるといいでしょう。
半月程度で完成するのも魅力です。
【材料】
青梅(少々熟していても可)・・・1kg
氷砂糖・・・1kg
果実酒用の瓶
【作り方】
下準備
<消毒>シロップを作る果実酒用の瓶は煮沸消毒又は35度以上ある焼酎を入れ、清潔な布巾やキッチンペーパーで瓶の中を拭き消毒する。
<あく抜き>大きめのボールに青梅と水をたっぷり入れ、2~4時間ほどあく抜きをする(熟している梅は不要)。
1.梅は水洗いして傷ついている梅は除く。竹串でへたを取り、水気を丁寧にふきとる。
2.竹串で梅全体をつつく。
3.瓶に梅と氷砂糖を交互に入れ、冷暗所に置き1日1回瓶を揺らす。
4.氷砂糖が溶けたら完成(2週間前後)。
5.梅を取り出し小さめの瓶に移し、冷蔵庫で保存する。梅はそのまま食べてもOK。
梅シロップは、水や炭酸で割るとスッキリ飲めます。
ゼリーにしてひんやり感を楽しむのも一つ。
梅の果実を刻んで入れればさらに美味しくなります。
この場合ゼラチンを使うと上手く固まらないこともありますから寒天がおすすめです。
まとめ
ビタミンEが豊富に含まれている梅。
体内の脂質の酸化や細胞を老化させてしまう活性酸素の除去などを行います。
さらに梅に含まれる植物ポリフェノールの一種「梅グリナン」は細胞の老化を防ぐ抗酸化作用が含まれていることがわかってきました。
お肌のハリやツヤの維持におすすめです。
いかがでしたでしょうか。
今年はぜひ梅を楽しんでみましょう。
参考文献
・農林水産省HP
・フルーツ便利帳(高橋書店)
・旬の野菜の栄養事典(エクスナッジ)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。