管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
健康やダイエット志向の強い方の中には、脂肪の多い牛肉や豚肉をあまり召し上がらないという方も多いのではないでしょうか。
実はこれらの赤肉には、毎日を元気に過ごせる栄養素がたっぷり入っていて、ダイエットにも良い成分が含まれているのです。
また、「ちょっと疲れやすいな」「パワー不足だな」と感じるときも、定期的に摂取することで体の調子も上げてくれるんですよ。
赤肉がパワー不足を補う理由
質の良いたんぱく質をバランスよく含んだ牛肉や豚肉は、ビタミンやミネラルも豊富で体力の回復や維持に欠かせません。中でも体の中で作ることのできない必須アミノ酸が豊富なためしっかり補うことができます。質のいい細胞が作られ、体の機能もスムーズになりますので、スタミナアップも期待できます。
また精神を安定させるセロトニンの材料であるトリプトファンも含んでいるので、メンタル的にちょっと疲れたかも。というときにもおすすめです。
赤肉の鉄と亜鉛で更に元気に
赤肉に含まれている鉄は吸収されやすいのが特徴です。
レバーにも多く含まれている鉄ですが、赤血球を作り、全身に酸素を運ぶ大事な栄養素です。鉄が不足してしまうと、顔色が悪くなったり、めまいがしたり、爪が平らになってしまうなど、貧血になっていまします。
また赤肉は、亜鉛も多く含んでいます。亜鉛は味覚を正常に保つミネラルとして有名ですが、成長や代謝を促す働きもします。また細胞の酸化を防ぐため免疫力とも大きくかかわっています。
肉の脂が気になる場合は、もも肉やヒレ肉を選ぶといいでしょう。もも肉はローストビーフやポーク、煮込み料理にするのがおすすめです。ローストポークの場合は中までしっかり火を入れましょう。100℃~110℃のオーブンで1時間位じっくり焼くと柔らかくジューシーに仕上がります。
牛肉の脂で胸焼けするという方は、和牛より輸入牛の方が脂身は少ないためさっぱりと頂けますよ。
実はダイエットにもおすすめ
牛肉のもも肉やヒレ肉などの赤身には、カルニチンという脂肪の分解を促す作用があると言われています。と言われるともりもり食べたいところですが、食べ過ぎはNGです。週に数回メニューに入れるくらいの頻度がオススメです。
牛肉、豚肉には主食であるごはんやパンなどの糖質をエネルギーに変えるビタミンB1や脂質の代謝を促すビタミンB2が豊富です。主食と一緒に組み合わせて食べると良さが発揮できますね。
塩をふるタイミングがお肉をさらに美味しくする
ステーキなど肉をソテーするとき、軽く塩、こしょうで下味をつけます。このタイミングに美味しさを引き出す秘訣があります。塩をふってすぐに焼いたり、焼きながら振るのもNG。ここでひと手間かけるのが美味しくするためのポイントです。
お肉を焼く15分~30分前に塩をふりラップをかけておきましょう。すると肉の筋組織から水が出てきます。その後、塩と水分が肉の中に引き戻されます。この塩水でたんぱく質がほぐれお肉が柔らかくなるのです。また塩、オリーブオイル、とレモン汁や酢、ハーブなどのスパイスに漬け込むことでも柔らかくなります。
バーベキューでお肉を最高の旨さに!
手ぶらで行くだけでできるバーバキュー場があったり、簡単にできるセットがホームセンターに売られていたりと、最近はバーベキューが身近に楽しめるようになりましたよね。
実はバーベキュー、炭火で焼くことということでお肉の風味が増し、最高に美味しくなるのです。炭の上に乗せる網と炭の距離は10cm位開けて、じっくり焼いていきましょう。風味たっぷりの肉汁が落ち炭に当たると蒸発し、風味の詰まった蒸気が肉の下面につきさらに美味しくなります。
我が家は七輪でおうちバーベキューを楽しむことが多いです。ちょっとひんやりとした気候になりましたが、炭の熱で暖を取りながら楽しむのもいいかもしれません。
いかがでしたでしょうか。バーベキューをすることでお肉を食べる機会を設け、スタミナアップの日にしてみてくださいね。
・料理の科学大図鑑(河出書房)
・栄養学の基本がまるごとわかる事典(西東社)
【赤身が多く、低脂肪・低カロリーな牧草牛ハンバーグが食べチョクで販売】
北海道十勝の南端、太平洋に面する広尾町の大地でグラスフェッドビーフ(牧草牛)の生産をする鈴木牧場さん。
グラスフェッドビーフとは、放牧された環境の中で草だけを食べて育った牛のお肉です。赤身が多いことやオメガ3脂肪酸などの栄養成分を含んでいるといった特徴から、最近注目を集めています。
鈴木牧場で育てた平飼い有精卵と有機玉ねぎを使用し、100%グラスフェッドビーフを使用したハンバーグです。
そのまま焼いても、煮込みハンバーグにしても絶品の1品です。
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Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。