タイ料理・シンプルクッキング研究家のサクライチエリです。
今年は食べチョクの農家さんから梅を取り寄せ、小学生の手と頭脳をお借りして梅干の仕込みを行いました。
そこで使用した、今の時期のみ流通する「赤紫蘇」は梅干作りの他に「ジュース」にもして夏バテ防止に役立てています。
今回、私が指導させて頂いているある幼稚園の延長保育のお料理レッスンで紫蘇ジュースを作りました。
そこで年中さんの男子S君が、初めて紫蘇ジュース作りにチャレンジした様子を、幼稚園、保護者様のご承認のもと、レポートさせて頂きます。
紫蘇ジュース作りには小さい子も楽しめる要素が多くあって、教える大人も楽しませて頂いてしまいました。
赤紫蘇にも種類がある
赤紫蘇ジュースのレシピは、クエン酸を使うもの、各種お酢を使うもの、長期保存向けか否か、甘さ加減などで様々なレシピがあるので、配合については各ご家庭のお好みの配合を見つけて頂きたいのですが、
手順としては
1 赤紫蘇の葉を摘んで、よく洗う。
2 沸騰したお湯に赤紫蘇の葉を入れて、煮こむ。
3 砂糖を加えて溶かす。
4 お酢などを加える。
5 瓶詰
が一般的です。
と言う事で、まず赤紫蘇の葉を摘んでよく洗う作業から。これは幼稚園生も楽にこなせます。
S君は「わー、たくさんあるね」「なんか、知っている匂いかも?」などと、首をかしげながら黙々と茎から葉を外していました。
これは赤い紫蘇だよ、と伝えると「そうか。この前緑のやつなら、お友達と一緒に苗を植えたよ」とのこと。
さらにしげしげと紫蘇の葉を見て「葉っぱの裏が、どうしてボコボコしているの?」と、質問してきました。
紫蘇は、青紫蘇、赤紫蘇というだけでなく、葉が縮れた「ちりめんしそ」と葉が平らな「平葉」があります。
大人が黙々と作業に徹しそうなところ、子どもと一緒だと、細かい所にも気づかされるので、大人も良い勉強になります。
摘み終わった大量の赤紫蘇をきれいに洗う作業は、デリケートな取り扱いが必要ないので、子どもにも大らかな気持ちで安心して行ってもらえます。
大らかに子どもに任せられる、赤紫蘇ジュース作り
次は、沸騰したお湯に洗った赤紫蘇を加えます。
ここの作業でも、S君の個性が出ました。
葉を1枚ずつ、改めてチェックしながらお鍋に丁寧に、お鍋の中で葉の量が偏らないように入れていました。
この作業も、急いで一気に入れないと失敗する等という事はないので、お子さんのペースで入れて貰って下さいね。
色の変化も楽しめる、赤紫蘇ジュース作り
そうして、丁寧に赤紫蘇の葉をお鍋に入れていると「わ!葉っぱの色が変わったよ!」と、S君は興奮して報告してくれました。
ここの紫蘇の葉の抜け方と、後で酢を加えた時にぱーっとピンクになる場面は、大人でも心躍りますよね。
赤紫蘇にはシソニンと呼ばれるアントシアニン色素が存在しており、酸と反応すると赤く発色する性質があります。
なお、煮だした後の色の抜けた赤紫蘇は、電子レンジなどでカラカラに乾かしてから細かく砕き、塩やゴマを加えると、紫蘇ふりかけになります。
そうして、煮だした紫蘇ジュースに砂糖を溶かし、酢を加えて「ピンクになったよ。きれいだね」と話しながら、持ち前の集中力で黙々と瓶詰を遂行してくれました。
「出来立ては熱いからやだよ」と、紫蘇ジュースの味には興味が無さそうだったのですが、お迎えに来たママに、恭しくジュースの瓶を手渡し、満面の笑みで「美味しそうだね!」と一言。
S君はママと手を繋いで帰って行きました。
そのかわいらしさに、来年も紫蘇ジュースを作って家族にふるまって欲しいと切に思いました。
紫蘇の健康と美容効果
紫蘇は昔から日本人に親しまれてきた、ジャパニーズ・ハーブです。
その独特の香りは食欲増進効果があり、香り成分にはペリルアルデヒドが含まれています。強い抗菌作用もあり、食中毒の予防にも効果があります。
また、β-カロテンが豊富に含まれており、疲労回復効果や免疫を高める効果があります。まさに夏場に積極的に摂りたいハーブですね。
まとめ
小さい子と一緒でも気軽に美味しく作れる赤紫蘇ジュース。
天然色素で美容健康にも良いとされるジャパニーズ・ハーブのジュースは、市販では得られない美味しさです。
さらに、お子さんにとっても自分が作った美味しいジュースで家族が笑顔になれば自信に繋がります。
出来上がったジュースはお水や炭酸で割る他、ゼリーにしてもキレイですし、もっと暑くなればかき氷のシロップとしても活躍してくれます。
美味しく作るポイントは1つだけ。新鮮な赤紫蘇を仕入れる事です。
食べチョクなどで信頼できる農家さんから購入して、新鮮なうちにお子さんと一緒に楽しみながら、ぜひ美味しいジュースを作ってみてください。
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。